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8、アイアン家初代の遺言第1章、訳のわからない家系図

 

『ワイ君また、何かやっちゃいました?』


 何故だか、いつもは優しいアネウットに泣かれた。

 怒られた。


 母上も怒っとる。

 だが、どうすればいいんや?


 怒られとる理由も解決策もわからん。

 だからワイ君は無能といわれるんや。


 ハ!

 そ、そうや!

 男女関係で困ってケンカした時には、父上の祖先、アイアン家、初代アイアンの魔法の言葉を唱えるんや。


 父上から、そう教わったで………

 確か………魔法の言葉を、こう唱えるんや。


「ーーーアイアン家、伝承口伝


 女癖の悪い男が、自由恋愛で結婚して子供を作る。

 すると、大抵は女の子が産まれる。


 生命の神秘。

 たぶん産まれてくる子供は、次世代の子孫繁栄を少しでも有利にする為に、受精する。

 つまり産まれてくる子供の性別は………


 男女でおこなう夜の関が原の合戦の勝者。

 それと同じ性別の子供が産まれてくる。


 夜の関ヶ原の合戦に強い男。

 その男が産ませた、男の子は………

 遺伝的に、夜の関ヶ原の合戦で強い男になる。

 そうなる可能性が高い。

 するとモテる確率が高いので次世代の繁殖が楽になる。


 夜の関ヶ原の合戦に強い女。

 その女が産んだ、女の子。

 その女の子は当然に、遺伝的に夜の関ヶ原の合戦で強い女になる可能性が強い。

 とうぜん、その子は成長すればモテやすくなるだろう。


 つまりは………次世代の繁殖が上手く行くように、男女、夜の関ヶ原の合戦に勝った方の性別の子供が、この世に産まれてくるのだ。


 夜の関ヶ原の合戦に負けた男は、女の子を授かり………

 夜の関ヶ原の合戦に勝った男は、男の子を授かる。


 夜の関ヶ原の合戦に負けた女は、男の子を、授かり………

 夜の関ヶ原の合戦に勝った女は、女の子を授かる。


 生命の神秘。

 自らの子孫。

 次世代の生命が、よりモテて、より繁栄しやすくするためのシステムだ。


 一夫一婦制、結婚制度のある国。

 そこでは女癖の悪い男は、女の子を持つ確率が恐ろしく高い。


 つまりは………

 女癖の悪い男は、己の胃袋ではなく、玉袋を掴んだ女に惹かれる。

 自分よりも夜の戦が上手い女を探し、結婚して子供を作る性質を持つと言う事だろう。


 たぶん女癖が悪いという事は、恋愛を重視して、男女の夜の関ヶ原の合戦を重く見る事でもあるからだ


 つまりは、夜の関ヶ原の合戦。

 夜の男女の戦場は、

 せいしをかけた戦いなのだ!


 それ故、我が子孫には………

 アイアン家秘技、

 この夜の関ヶ原の合戦房中術を残す。


 我が子孫よ。子孫繁栄の為に、この秘技を使い。

 種を、まけよ増やせよ世に満ちよ!


 アイアン家、初代

 アイアン、アイアンの遺言第1章より

                  」



 ワイ君が子供の頃に………

 大切な事だから暗記しておけと、父上から教わった、父方貴族アイアン家の祖の大切な言葉。


 初代アイアンの遺言。

 無能なワイにも普段は優しい父上が、珍しく真剣に、無理矢理強制してでも覚えさせた教え。


 成長してから、口に出してみると………

 ワイ君の父方の先祖は………

 中中半端やなかった。

 あ!


「ファ〜〜〜。今わかったで! ワイがアネウットから教わった技術は……… 昔、父上が言ってた。父方の先祖が編み出した技術と、同じものやったんか〜〜〜」


 アイアン家始祖の遺言、そして始祖が残した技術。

 半端なかった。

 要所要所、まだまだ無能なワイ君には理解できん部分もあるが………

 世の中凄い男がいるもんや。


 我が先祖ながらも感心するで〜。


「た、確かに旦那様アイアン様からも、その遺言は聞いた事があります」

「な、私は聞いた事がありませんよ。そんなアイアン家の遺言なんて」


 アネウットは納得しているが。

 母上が動揺している。


 ホンマに今日は、母上の表情がコロコロよく変わる日や。

 珍しいで、ホンマに。

 いつもは母上冷静なのに。


「………だから旦那様、アイアン様は、初代アイアン様の遺言を守る為に、私に………」


「あの馬鹿アイアン。私は、そんな事全く知りませんでした。あ、あのアホアイアン」

「母上知らんかったんか?」


「ええ。アホだ、アホだ、とは思っていましたけれども。ここまでアイアン家が、アホな一族だったとは………」

「そう言えば。母上の子供、ワイ君の兄弟は3人とも男や。母上は父上に負けっぱなしやったんか?」

「!!!」


 ワイ君の言葉に、怒り狂っていた母上が、かたまった。


「何であれ、有能な母上に勝ち続けるとは、アイアン流、夜の関ヶ原決戦房中術は、大したもんやなぁ」


「確かにそうですね。若さま、よく気が付きましたね」

「アネウットの、お腹の子供も男の子かも知れんなぁ」


 その言葉を聞いて、呆然と固まってた母上の目がアネウットにむけられ、光る。

 あ、母上は怒っとる?


 母上、浮気の事で、アネウットを攻める気持ちが、少しはあるんか?

 父上はともかく、アネウットには浮気を気にしない素振りを貫いとったが。


 う〜ん。

 有能母上の行動や気持ちは、無能なワイにはよくわからんで。


「あぁ、当主様お許しください。私は誘惑に弱い女です」

 母上の責めるような強い眼光を受けたアネウットは、ヨヨヨと泣き真似をする。


「アネウット泣かんでくれ。アネウットが泣いてると、ワイ君も悲しいで」

「若様………」


「ええい。その弱々しい演技をやめなさいアネウット」

「え、泣き真似なんか? ワイ君騙されたで」


「貴方達二人が、関係を持ったのは、わかりました。でも良いですか? 二人共良く聞きなさい」

「はい」

「何や母上?」


 母上が真面目な顔しとる。

 なんやろ?


「アネウット、貴方は馬鹿な夫、アイアンの子を妊娠してますね」

「はい!」

 元気よく返事をするアネウット。


「それだけでなく。この先、もしも馬鹿な息子の子供を、仮にアネウット、貴方が妊娠しようものなら………」


 母上が再び鬼の形相や。


「なにか、こまるのか母上? ワイ君には何もわからんで」

「よく考えなさい。もしもアネウットが、アイアンの子供を産んだあとに、アナタの子供を産んだりしたら」

「???」

「?」


 ワイ君とアネウットは、顔を見合わせて、お互いに意味不明と、無言で母上に先を促す。


「生まれてくる子供達は、母系アネウットから見たら兄弟姉妹」

「そやな〜」

「そうですね。それが何か?」


 ん?

 何か問題あるか?

 とワイ君、アネウットと顔を見合わせた。


「しかし父系アイアンと馬鹿息子から見たら、アネウットの子供兄弟は、叔父か叔母と甥か姪の関係に………

 そんな、訳のわからない家系図ができる事になります。どうする気です?」


「え! ハッ………た、確かに。私がお腹のアイアン様の子供を産んだあと。

 もし若様の子供を産んだら………」


「どうなるんや? ワイ君にはわからんで?」

「一人目の子供は、兄か姉であり叔父か叔母に、二人目の子供は弟か妹であり、甥か姪になりますね」

「なんやそれ? ワイにはよくわからんで? ただ大変やな〜としか」 


「とても大変な事です。一人目の子供。アイアン家の血統が、どれだけただれようと、どうなろうと知った事ではありません」


「ええんか?」

「良いです。が、バカ息子の子供には、我がプラチナム家の血も入るのですよ」

「そうですね」


「それは良くありません。魔法の大家プラチナム家の歴史に、兄弟姉妹だか、叔父叔母甥姪の区別すらつかない系図ができるなどと………


 そんな無茶苦茶な家系図を、作られてたまるものですか」


 母上は力強く叫ぶ。


「………」

「バカ息子ってワイか?」

「貴方以外に誰がいるのです。貴方と言う子は、私を絶望させる事に関しては、絶対に私を絶望させますね」


「なんやそれは? 最近使う、その言い回し頭にくるで〜」

「………」

 アネウットは無言。

 下を向いて落ち込んどる。


「いや、でも………待てよ。でも………そうか」

「な、なんや母上?」

「コレはもしかしたら………使える? かも、知れません。ね!」


 アレ???

 アレレ???

 おかし〜〜〜ぞ。

 なんや?


 鬼の形相で、ぷんぷか怒っていた母上が、急に真顔になった。

 それから………

 真剣な顔で、何かを考え始めて

 さらに……


 パチンと両手を打ち合わせる。

 そして………

 何故かにっこりと笑顔になった。

 は、母上?


「な、なんや母上」

「ん? 何がですか?」

「怒ってたのに急に笑顔?」 

「私はいつも笑顔ですよ!」

「な、なんや怖いで。何を考えてるんや?」


「ア〜ネウ〜ット」

「は、はい」

「貴方達を、別れさせようと思いましたが、考えが変わりました」

「え? え?」

「この際です。貴方、非公式に息子の側室になりなさい」


「え? え?」

「既に息子と関係を持ったのなら、話は早い」

「え?」

「貴方のお腹の子供は、公式には馬鹿な夫との子供では無く、馬鹿な息子との子供と言うことにします。良いですね?」


「え? え? それはどういう?」

「い、い、で、す、ね! 公式には貴方のお腹の子供は、馬鹿な息子が貴方に産ませた子にします!」


「ファ〜〜〜。ソレはどういう事や母上? 父上の子供が、ワイ君の子供?」

「当主さま?」

 ワイもアネウットも混乱してもうた。

 わけがわからん。


「ワイ君、いつの間にか父上になったんか?」

「いえ、違いますが、あってますよ。馬鹿息子」

「ファ?」

「貴方がアネウットの、お腹の子供の父親になるのです」

「………どう違うんや? ワイにはわからんで」

「貴方の弟を、貴方の息子として育てるのです」


「ファ? それじゃあワイ君は、母上の次男三男、2人の弟。それとアネウットのお腹の弟。その3人の父親になるんか?」


 ワイ君、3人も子供ができるんか?


「!!!」

「違う! そうじゃありません! アネウットの子供だけです。何処まで馬鹿なのです。貴方は!」

「ファ〜〜〜」


 怒られた。

 やっぱりワイ君には、わけがわからなかった。


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