第45話『混ざり込んだ経験値』
日が傾き始め、二日目の鍛錬を終え、アレクたちが離れに着くと、なにやら物々しい雰囲気を感じ取り、部屋に入ると、敷き布団に寝かされたアリシアを囲むようにして、カムイにフィソフィニア、医者と知らない老婆が座り、アリシアの様子を窺っていた。
「何かあったんですか? 師匠」
「アリシアの身体から魂が抜けたのじゃ。体調不良が要因じゃろう」
「魂が抜けたって……! じゃあアリシアの魂を取り戻さないと!」
「じゃから今やっとる所じゃ」
老婆がアリシアの頭側に座り、指の腹を額に当てると、聞き慣れない言語の呪文を呟き始めた。
「とりあえず中に入るにゃ。多分この部屋を冥界と繋げる気にゃろうから」
トトに促され、アレクたちが部屋に入り、襖を閉めると、部屋の明かりに厚い布を被せたかのように暗くなり、室温が下がったのか、肌寒さを感じる。
「だ、大丈夫なんですか? 冥界って、死者の魂が集まる世界なのに」
「魂の通り道を作ってるのにゃ。アリシアの魂が冥界に連れて行かれたとする。そうすると現世と冥界の道は繋がるものの、冥界から現世に帰ろうとしても来た道は塞がれ、二度と現世には戻れにゃい」
「それじゃあ、どうやってアリシアの魂を冥界から取り戻すの?」
「今ここは冥界と現世の一本道になったにゃ。あの老婆が冥界の言葉を紡ぎ、現世と冥界の境界線を曖昧にして、無理矢理道を作った訳にゃよ」
「く、詳しいね」
トトは硬い表情をしたままで、アレクはそれ以上は踏み込まず、アリシアの様子を窺う。
室温が下がりに下がって、まるで真冬の外にいるかのように白い息が漏れ出す。
カムイとフィソフィニアは部屋の天井を見つめ、老婆の様子がおかしくなり始めたが、呪文を止める者はいなかった。
すると、天井がポッカリと消え失せ、真っ暗な空間が視線の先に広がる。
「繋がった……!」
「弟子たち! アリシアの名を呼ぶのじゃ!」
カムイからの通達にアレクたちはアリシアの名を大声で呼び、カムイとフィソフィニアも同じくアリシアの名を呼ぶ。
天井の先は真っ黒く、吐いた白い息がくっきりと見えるほどであったが、よく見てみると、細々とした星のような光の集まりがあり、こちらに引き寄せられる光が見えた。
「アリシアの魂じゃ! 全力で名を叫べ!」
全員が一致団結し、こちらに引き寄せられた光に向かってアリシアの名を叫ぶ。
小さな光がふわふわと揺れながらこちらに引き寄せられ、真っ黒い空間から離れの中に入ると、フィソフィニアが虫網のような物で光を掬い取り、アリシアの胸の上に近づけた。
光の塊がアリシアの身体に浸透し、身体の中に入ったのを確認したカムイは老婆に呪文を止めるように促す。
老婆は呪文を長い物から短い物に変え、次第に呪文を唱えるのを辞めた。
天井に開いた空間はすぼむように閉じていき、離れの天井に戻る。
すると、アリシアの静かな息づかいがはっきりとした物になり、アレクたちがアリシアの側まで近づいた。
「アリシア……! アリシア……!」
アレクの呼びかけにアリシアは反応を見せ、徐に目を開ける。
「……アレク?」
「そうだよアリシア、僕だ、アレクだ」
「皆んながいるって事は、帰って来れたのね」
「アリシア……!」
アレクはアリシアに抱きつき、アリシアの頬が赤く染まる。
「一件落着にゃねー」
「けど何かアリシアさんの雰囲気が違うような……?」
「にゃ?」
トトはアリシアに視線を移すが、エレメンタルを認識が出来ないため、首を傾げる。
しかし、純エルフであるフリジールはエレメンタルが見えている。
なので、アリシアの頭上に浮かぶエレメンタルが増えている事に気づく。
「エレメンタルが増えています! 二体に!」
「なんじゃと!?」
カムイが慌ててアリシアのエレメンタルを確認すると、フリジールが言ったように二体に増えており、カムイは驚きの声を漏らす。
「何という事じゃ……! 冥界からエレメンタルを連れて帰って来るとは……!」
「なるほどね……アリシアちゃんの母親アイレンは、冥界との繋がりをアリシアちゃんに、自身のエレメンタルをアリシアちゃんの魂に憑依させる事で繋いだのね」
「冥界との繋がりか。あの天才が考える事はよく分からんのう」
感心するカムイとフィソフィニアをよそに、顔が赤くなったアリシアはアレクに抱きつくのをやめるように言う。
しかし、アレクは朝から心配していたのが吹っ切れ、アリシアの名を呟きながら抱きつくのをやめないのであった。
第十階位魔法――アリシアは名実ともに、今のアレクたちを凌ぐ程に底上げされた。
冥界から帰ってきた昨夜から、アリシアはずっとソワソワと身を揺らして落ち着きがなく、アレクたちは魂が別人ではないかと気にはしていたが、それはアレクが抱きついた時点で否定されている。
「第十階位魔法って禁忌の魔法ですよね? 私は存在を知っていますけど」
「師匠は人魔大戦時に使われていたって言ってたよ。危険な魔法だから闇に葬られたとかなんとか」
「けどカムイさんは以前にも扱ってましたよね」
「師匠、エレメンタルが憑いてないのにどうやって第十階位魔法を使ってるのか、不思議でしかたないや」
離れに続く渡り廊下の縁に座るアレクたち。
カムイはアレクたちの鍛錬は一度休みを挟むと良いと言って、一週間の猶予三日目の今日は、アリシアの鍛錬を眺める事で暇を潰す事にしたのだ。
「魔法には属性があって、火水風土光闇だけど、アリシアは水に分類される魔法が得意だね」
「にゃ? 氷属性じゃにゃいのかにゃ?」
「氷は元は水だからね。アリシアは水を一度凍らせる手順を踏んでから放つんだよ」
「詠唱の手間が掛かってるのに、間髪入れずに放ってるにゃ」
「血流と同じように流れる魔力を魔法文字に変換して詠唱を簡易にしてるらしいよ」
「はにゃー」
感心するように頷くトト。
それを聞いて驚いていたのは、ハーフェッドとフリジールであった。
「どうやってやるんですか? 魔力を魔法文字に変換って」
「魔力の姿を認識して……それから魔力一つ一つに集中する……魔力に指示を出して魔法文字に変換するんだって聞いたよ」
「はい???」
「やってる事は説明出来るけど。要は血の中にある赤血球や白血球の形を変化させるような事だからね」
「んん???」
アレクの説明にハーフェッドとフリジールは頭を抱え、アリシアの魔法技術が卓逸した物だと感心せざるを得なかった。
「元々アリシアにはエレメンタルは憑いていなかったんだけど、アリシアのお母さん、アイレン・ド・フォーレンに会うために冥界と現世の一本道を開いた事があったんだよ」
「昨夜のあれかにゃ。よくやるにゃー」
「アリシアのおじいちゃん、セブルス・ド・フォーレンが介入した事で開かれた道は閉じたんだけど、アリシアにはアイレンさんに憑いていたツヴァイが憑いたんだよ」
「現時点でもイカれた練度にゃのに、二つ目のエレメンタルが憑いたらどうなっちゃうのかにゃ」
アリシアの鍛錬の様子を眺める四人。
第五階位魔法である絶対零度はアリシアの必殺技である事は周知の事実だが、第十階位魔法となれば更に殺傷性の高い物になるとアレクたちは考えていた。
「さっきから絶対零度撃ちまくってるにゃけど、お師匠さんは涼しい顔して防護結界で防いでるにゃね」
「第十階位魔法を扱えるようになるのが今回の目標だからね。第五階位魔法じゃこの先通用しないって言いたいんじゃないかな」
「この前は段階を踏んで第九階位魔法まで使ったって聞いたにゃ。お師匠さんはもしかしてアリシアが体調を崩したのがトラウマになってるのかにゃ?」
「そうじゃないと思うよ」
アレクが見据えた先にいるアリシアは魔法を楽しんでいるように見え、カムイの表情が決して涼しいものではないと思っていた。
「どう言う事です? カムイさんは何か狙いでも?」
「師匠はアリシアの体調と魔法の擦り合わせをしてるんだと思う。第五階位魔法を使うときはツヴァイが視認出来るはずなんだけど、フリジールを除いて、僕らには見えていないからね」
「と言う事は更に魔力効率が良くなって、第五階位魔法を放つ事が容易になった訳ですね」
「そうだと思う。今のアリシアに戦いを挑むとなれば、勝てるビジョンが見えないな……」
「ポンポン放ってますけど、第五階位魔法ですもんね」
カムイはアリシアの必殺技を受け止めること早一時間が経ち、カムイはアリシアに魔法を放つのを止めるように言った。
一旦休憩でもするのかと思いきや、カムイが何も言わずに突然第五階位魔法を放ち、アリシアは瞬間的に防護結界を展開する。
その展開された防護結界を見て驚いていたのはハーフェッドやフリジールではなく、カムイであった。
「第五階位魔法をその程度の防護結界で防ぐとはな、エレメンタルを介してアイレンの経験を受け継いでおるな」
「私も内心ヒヤヒヤしたけど、防げるものなのね」
「よし、一旦休憩じゃ」
カムイとアリシアが帰って来ると、トトとフリジールがアリシアに近づく。
「なんにゃなんにゃ? 二つのエレメンタルで更にパワーアップしたのかにゃー?」
「今、すこぶる調子が良いの。アンタがあの馬鹿に一撃与えたって聞いたけど、それの比にならない程、私は気分が良いの」
「にゃはー、アタイの功績の比ににゃらにゃい程かにゃー」
瞬間的に張られた防護結界に感心を示していたフリジールはアリシアに問う。
「防護結界の技術って私の魔法盾に使えませんか?」
「使えるわ。けどあの馬鹿みたいに各属性の魔法が扱えないから、習うのはあの馬鹿にしなさい」
「なるほど……アリシアさんにも鍛錬がありますもんね」
カムイに近寄ったのはアレクであった。
「師匠、アリシアの事ですが」
「言っては悪いが、今のアリシアはハイになっておる。冷静を装ってはおるが……」
カムイとアレクはアリシアに顔を向ける。
アリシアの表情は活き活きとした物で、すこぶる調子が良いのは間違ってはいないようだが、アレクは微妙な変化に気づき、カムイに進言をする。
「師匠、今のアリシアに第十階位魔法を使わせるのは止めた方がいいと思います」
「ワシは早く使用感覚を体感して欲しいが……。アレクが言うのであれば鍛錬はやめじゃな」
カムイはトトとフリジールの間に入り、アリシアに鍛錬の中止を伝えたが、アリシアはいつになく感情を露わにして食いかかる。
「どうしてよ! 何がいけないの!」
「まぁまぁ落ち着くのじゃ。怒りの感情を抑えてワシの話を聞け」
「皆から一日鍛錬が遅れてるのは分かってるでしょう!? 鍛錬は前回と違って第五階位魔法しか使ってないし!」
「よく聞けアリシア、今お主には身体と魂にエレメンタルが憑いている状況じゃ。エレメンタルが後天的に憑いた事案は少ない、エレメンタル憑きは先天性の方が多いのじゃとお主は知っておるじゃろうに」
アリシアは苦虫を噛み潰したような顔をすると、食い掛かる姿勢を抑えてカムイから離れる。
「アリシア、お主の身体の状況が前例の無い事案である事を忘れるな。言った通り今日の鍛錬は以上じゃ、身体を休めるのも鍛錬の内じゃからな」
「……分かった」
アリシアはカムイに背を向けてそのまま離れへと向かう。
「アリシア、なんか微妙に変にゃね。気配って言うのかにゃ? アタイにはエレメンタルは見えにゃいけど、気配ぐらいなら分かるにゃ」
「私はアリシアさんとあまり付き合いが長く無いのでそう言うのは分からないんですけど。エレメンタルが増えた事で、アリシアさんの魔力の潮流が乱れています」
「そんな状態で第十階位魔法を使ったら大変な事になるにゃね」
「そもそも第十階位魔法は一人で扱う物ではないですよ」
トトはカムイの事を指さすが、フリジールは首を横に振り、トトに分かりやすく第十階位魔法の話をし始めた。
「アレクさん、普段と少し違うからカムイさんに進言したんですよね? 私からすれば普段と変わらない気がするんですが」
「アリシアは期待に応えようとして無理をする癖があるんだ。地道な努力も嫌がらずするし、あの若さで第五階位魔法を扱える魔法使いは指折り数える程度だからね。で、その癖が出るときは大体魔法の詠唱が雑になるんだ」
「言われてみれば少し雑だった気もしますけど。雑な詠唱でも第五階位魔法を扱えるのは凄い事ですよね」
「そう……なんだけど」
アレクは右腰に差した星導剣を触り、アリシアの鍛錬を眺めていた時に違和感を覚えた事を思い出す。
エレメンタルは元々アリシアに憑いてはおらず、後天性の物であるとアレクは知っていた。
しかし、二つのエレメンタルは元々、アリシアの母親であるアイレン・ド・フォーレンの物である。
星導剣を介して感じたのは、アリシアにアイレンの経験値が混じっている事であった。
アリシアが苦戦していた絶対零度の高速詠唱が突然出来るようになっていた上、連発してもバテないようにもなっていた。
エレメンタルが増えた結果ではあれど、アリシアは今、アイレンの経験を得た事により、感覚が鈍っていて、その状態で第十階位魔法を放つのは危険だと考え、アレクはカムイに進言をしたのだ。
「アリシアは遅れた分を取り戻すつもりで鍛錬に励んでたんだろうけど、以前出来なかった事が出来るようになってるのを成長と感じられないのは悲しいな」
「カムイさんが近くにいると、第五階位魔法でも未熟なのだと実感してしまいますよね」
ハーフェッドは小さなドラゴンを肩に乗せ、離れに入ったアリシアの姿を目で追うように眺める。
「師匠が焚き付けるならまだしも、これはアリシア自身の問題だから、頭を冷やす時間が必要だと僕は思うよ」
カムイはアレクたちに整列するように指示を出し、アレクたちは言われたように横に並ぶ。
「アリシアの鍛錬を見てどう感じたか一人ずつ感想を求む」
「僕は今のアリシアには敵わないと思いました」
「なるほど、次」
トトもアレクと同じような意見を述べ、ハーフェッドも同じ意見を述べた。
フリジールにカムイの視線が送られる。
「私は今のアリシアさんであれば、第十階位魔法を扱うのは容易だと思いました。けれど、カムイさんの存在が大きすぎて空回りしているようにも見えました」
「ほう、ワシが要因か。……確かにそうじゃな」
カムイはアレクたちから感想を聞いた後、その場から離れ、
「ワシにも考える時間が欲しい。お主らは自由行動しても良いぞ」
と言って、春夏秋冬から姿を消した。
「珍しい、師匠があんな事言うだなんて」
「気晴らしして来るだけにゃろうにゃ。気にせず今日はゆっくり休むにゃ」
トトが離れに帰ろうと渡り廊下に上がろうとすると、二つの影がヌッと現れた。
驚いたトトは、渡り廊下から落ちて尻餅をつき、その二つの影の姿を捉える。
「にゃんにゃ? 二人揃って」
渡り廊下に立っていたのはルナとフィソフィニアであった。
二人はムッとした表情で、トトは首を傾げる。
「なんか癪に触る事したかにゃ?」
「アリシアちゃんが離れの部屋で泣いてるの。誰が泣かせたか聞いてもよろしくって?」
「にゃ……!?」
トトはフィソフィニアに睨まれて縮こまると、すぐに首を振って否定する。
ハーフェッド、フリジールは共に否定をするが、アレクの表情は固くなり、フィソフィニアの前に立つ。
「僕が悪いのは分かってます。師匠がアリシアの鍛錬を止めたのは、僕の進言があったからです」
「勇み良く来たのは褒めてあげる。分かっているのなら、早くアリシアちゃんの所へ行きなさい」
アレクは渡り廊下に上がり、離れにすかさず向かう。
ルナはアレクを横目に視線を流し、フィソフィニアはトトたちを睨む。
「アタイらも行けって事かにゃ?」
「カムイを追いなさい。あの人、考え事をする時は無防備だから」
「にゃはー、お師匠さんにも弱点があったのかにゃ」
「弱点らしい弱点ではないのだけどね」
フィソフィニアはトトたちを焚きつける形でカムイの後を追わせる。
残ったフィソフィニアとルナは離れへと向かい、アレクとアリシアの様子を見に行くのであった。
アレクが離れの部屋に入ろうとすると、微かだがアリシアの泣き声が聞こえ、襖を開けるのを躊躇してしまう。
短い付き合いのトトたちだと、普段からアリシアが泣きべそをかく姿は湧かないが、アレクは人目につかない場所でアリシアが泣いていた事をよく知っている。
今回、アリシアが泣いている要因がアレク自身であるのは間違いなく、アレクは重い腰を上げて襖をゆっくりと開き、部屋に入った。
ちり紙がアリシアの周りに散乱しており、慟哭するように泣いていた様がひしひしと想像出来る。
ひとしきり泣いて、感情が落ち着いている様子であったが、そんなアリシアの背に向かってアレクが声を掛けるのは容易でなかった。
しばらくアレクはアリシアの後ろで声を掛けるのを戸惑っていたが、アリシアが気配に気づき、顔を向けず、声だけが口から溢れる。
「アレクなの……?」
「……」
アレクは応えはしなかったが、アリシアの後ろで正座をして、頭を下げる。
「ごめんアリシア。師匠に君の鍛錬を止めるよう言ったのは僕なんだ」
「……」
部屋に静寂が訪れ、備え付けられた振り子時計の音が嫌に強く聞こえる。
振り子時計から低く鈍い音が何度か鳴ると、再び静かになった。
アレクは頭を上げないままで、アリシアからの返事を待つ。
「アレク、私は別にあんたの進言があったから泣いていた訳じゃないの」
「……アリシア、もしかしてだけど、二つ目のエレメンタルが憑いた事で得た経験が辛いのかい」
「それが一番辛いわ。お母様の経験を継いで、第五階位魔法を簡単に放てるようになった、大いに進展したのは喜ばしいのだけど……」
互いに面を合わせず、重たい空気が肩にのしかかる。
「私の努力が無駄だと否定された気がしてね。……だから泣いてたの」
「……」
「アレクが気づいたんだもの、あの馬鹿もきっと勘付いてるわ」
アリシアはアレクに頭を上げるよう伝え、アレクが頭を上げるとアリシアはこちらに向いており、アリシアの目の周りが赤くなっているのが窺い知れた。
「アリシア、君なら第十階位魔法を扱えると思うかい」
「今の私なら十全に扱えるわ」
互いに笑みが溢れ、離れの部屋に笑い声が溢れ出すのであった。
次回は7月13日16時半に投稿します




