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6.カレンSide


「私のシェリーが最近おかしいのよね」

「毎回訂正しているけど、シェリーは君の所有物ではないからね」

「わかってるわよ!」


 城内の離れにある魔術研究塔の一室で幼馴染でもあり婚約者であるモルトンの背中に遠慮なくモヤモヤした気持ちをぶちまける。


「あぁ、私達の可愛い幼馴染が何故氷の騎士なんかを好きになるのよ!しかも、なんかあの男の方が熱量半端ないのよ。って聞いてる?」

「聞いてるよ。ふぅ、こんなものかな。ほら、君とシェリーにあげる」


 やっと此方を向いた婚約者は、私の前にキラキラした色石が付いた鎖を二つ差し出してきた。


「これってブレスレット?悪いけど普段は邪魔になってしまうわ」

「違うよ、足首にだよ。それなら訓練の時に邪魔にならないし、シェリーも付けられるだろ? 青いのは君ので、防御として二回くらい使える」

「ありがとう!あら、でもシェリーのは」


私は、討伐に出るから分かるけど。


「上手く説明出来ないんだけど、安定剤みたいな役割になるかなって。今は必要ないと思うけどね。あ、君の力をその石に込めれるかい?」

「それをすれば、シェリーの役に立つの?」

「ああ、きっとね」


 なんだか良くわからないけど、親友にとってプラスなのなら魔力くらい喜んで差し出すわよ。


「生命に必要な量を除いて全部だよ」

「え?」


自慢じゃないけど、氷の騎士や魔術師のモルトンには劣るものの、なかなかの魔力量を保持する私に出し切れって言うわけ?


「明日、休みだよね?僕も休みだから、今日は家に来なよ。動けなくなっても食事も作るしさ」


 のんびり会話をしているけれど、モルトンの眼鏡越しの新緑を思わせる瞳は真剣だった。


「また、何か嫌な予感がするの?」

「うーん、なんとなく備えておきたいっていう気持ちなんだよね」


 私とシェリーの幼馴染であるモルトンは、数十年ぶりの天才だと言われている魔術師である。ただ、それだけではなく、先見と呼ばれる特技を持っていた。ただし、その能力は、酷く曖昧だった。



でも、外れた事はない。



「わかったわ」

「僕も力を入れるから、明日は、二人で日が傾くまでベッドの上かなぁ。それもたまには良いよね?」


 魔力を使いすぎて寝込んでいるというだけではなない含んだ言い方に、カレンは顔を赤くした。


「カレンは、相変わらず可愛いなぁ」

「うるさいっ!!」


 モルトンにかかれば優秀な騎士であるカレンも、ただの照れ屋な婚約者であった。





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