表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

09 ジゴロ


 ……申し訳ないです、僕のせい、ですよね。


 ヒューネルミネアさん、大丈夫でしょうか。



「アヤさんが見てくれていますから、今はお任せしましょう」

「それと、あまり気に病まないでくださいね」

「あのちっちゃな精霊さんも、フォリスさんのことをちゃんと知ってくれたら、仲良くなれますって」


 ありがとうございます、けんちゃん……



「ロージュちゃんに、お仕置きとかしちゃうのかのう……」


「いいえ、今回はお仕置きはナシですよ」

「でも、みんなに迷惑をかけたことは、しっかりと反省してもらわないとね」



「いつも済まんのう、けんちゃん」


 いつもってことは、そんなにしょっちゅうけんちゃんにご迷惑を……



「いえいえ、自由に暮らして、良いことも悪いことも自己責任」

「そんな感じでみんなが成長すれば、この世界はもっと楽しくなる」

「ですよね、リストさん」


「けんちゃんにはかなわんのう」

「ほっほっほ」


「ふふふ」



 もしもし、おふたりとも、


 なんだか良い感じでまとめちゃおうとしてますけど、


 結局ロージュさんはどうなっちゃうんでしょ。


 ヒューネルミネアさんのこれからのことも、気になりますし。



 ---



 アヤさんに連れられてテントから出てきたヒューネルミネアさん。


 よくよく見れば、マクラちゃんと同い歳くらいにしか見えない幼い女の子。


 こんな子にストレスさせちゃったらダメでしょっ、ロージュさんっ。




「……ごめんなさい……フォリスさん……」


 こっちこそ怖がらせちゃってごめんね、ヒューネルミネアさん。



「……ヒューネ……名前長いし……」


 はい、これからよろしくね、ヒューネさん。



「……ヒューネ……ちゃん……」


 はい、ヒューネちゃんがこの湖で静かに暮らせるよう、お手伝いさせてくださいね。



 ぎゅっ



「さすがはフォリスさん」

「ヒューネルミネアさんの方からハグしてくれるなんて、僕も初めて見ました」

「お噂どおりの精霊乙女ジゴロさんですね」


 ちょっと、けんちゃんっ。


 そんなガセな噂を垂れ流してるお姉さんには、


 しっかり釘を刺してきてくださいねっ。



「ええのう、フォリスちゃん」

「わしもヒューネちゃんと仲良しさんしたいのう」



「……精霊王さま……怖い……」


 ほらぁ、爺ちゃんも普段の行い、もっとちゃんと自重してくださいね。


 それこそがまさに"自己責任"ですよ。



「酷いのう、フォリスちゃん」

「なぐさめとくれ、アヤさん」


 うわっ、全然自重しないし。


 ってか、アヤさんはちゃん付けしないんですね。



「だって……アヤさん、時々おっかないんじゃよ……」


 なおさら自重すべきでしょ、もう。




 ってな感じで、今回の珍妙な事件も一件落着。


 例の隠しスキルの影響は、ヒューネちゃんが落ち着いたおかげで解消されたそうです。


 本当に、僕への誤解が解けて良かった……



 でも、けんちゃんのお説教もロージュさんにはあまり効いてないようだし、


 まだまだ油断禁物ですよね。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ