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05 困っちゃう


 はい、目的地ジコハ山に到着。


 今回は、爺ちゃんの『転移』にて現場へと直行。


 この調子で、帰りもスムーズに直帰できますように……




「ご無沙汰しております、"精霊王"リスト様、"精霊乙女ハンター"フォリス様」


「こんちは、ロージュちゃん」

「相変わらずのべっぴんさんじゃの」


「ありがとうございます、リスト様」

「リスト様も、相も変わらぬ御壮健な御姿」

「このローガンフージュ、お慕いする想いが濡れっと溢れ出してきちゃって」

「ロージュ困っちゃうっ、なのですよ」


 確かに相変わらずですね、ローガンフージュさん。


 困りごとに巻き込まれてるようには、全然全く微塵も見えないんですけど。



「いえいえ、精霊乙女ジゴロなフォリス様」

「こう見えて心底困り果てているがゆえに、無理して明るく振る舞おうとする複雑な精霊乙女心」

「つまり、ナウなヤングちっくにトレンディーな表現をいたしますと」

「ロージュ困っちゃうっ、なのですよ」


 僕も困っちゃうんですけど、そのノリ……



「それと、せっかくこんなにのっぴきならない深い仲となれたことですし」

「"ロージュ"って呼んでくれなきゃ」

「ロージュ困っちゃうっ、なのですよ」


 ……帰っても良いかな、爺ちゃん。




 えーと、ようやく詳しいお話しを聞き出せましたよ。


 どうやら、精霊乙女同士の、


 なんと言いますか、


 乙女のプライドバトル?



 ---



 このジコハ山は、ロージュさんのナワバリ。


 頂上付近に生えてる『老願封樹』の樹は結構な古木にして霊験あらたかな、御神体ちっくなロージュさんの本体。


 昔からこの辺り一帯の精霊さんや妖精さんたちのまとめ役だったのです。



 ところが、あのやらかしの影響かどうかは定かではありませんが、


 これまで慕ってくれていた精霊さんたちを、


 よその精霊乙女さんから大量スカウトされちゃった、と。



 まあ、謹慎処分ですし、


 それもまた処分の一環ってことでは。



「ちょっと、フォリスちゃん」

「それ、一番言っちゃダメなヤツ」

「精霊って寂しがりやさんばかりだし、友達が減っちゃうとチカラを失うだけじゃなく、キレて大暴れしちゃうかも」

「そんだけ大事なの、精霊同士の繋がりって」



 むう、爺ちゃんからの小声のアドバイス、


 ちょっと胸が痛むかな。


 確かに、長命種であればこそ、長いこといっしょにいてくれる友達って大切なのかも。


 ところで、競争相手の精霊乙女さんって、どんな方なんですか。



「ヒューネルミネアさんっていう、可愛らしいお嬢さんですよ」

「そりゃあもう、ほっぺぷにぷにをやめられなくなっちゃうほどの、ロージュ困っちゃうってくらいの可愛らしさ」


 ほう、ほっぺぷにぷに……



「おほっ、フォリスちゃんのヤル気が、べらぼうにアップしたぞいっ」


 いや、否定はしませんが……



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