04 かゆかゆ
さすがは我が家の優しき乙女ふたり、
即、全面的に快諾了承。
ではなくて、しぶしぶ、です……
まあ、しゃあなし、ですよね。
おふたりとも、ローガンフージュさんからがっつり拉致監禁されちゃいましたし。
それに、リスト爺ちゃんご本人は、うちの乙女たちから好かれておりますが、
いかんせん、持ち込んでくるのが毎回アレな厄介ごとばかり……
「気をつけて、な」
「何かあったら、即『Gふなずし』、だぞ」
はい、シュレディーケさん。
なにもなくても声が聞きたくなったら、いっぱい『Gふ』しちゃいますから。
「馬鹿もの……」
よしっ、お出かけ前に、照れディーケさん成分を補充っと。
「もう、おふたりを見てると、なんだか身体中がぽかぽかのかゆかゆになっちゃいますっ」
「帰ってきたら、いっぱいぽりぽりしてもらいますからねっ」
承りました、ルルナさん。
狩人必須技能のかゆみ止めマッサージで、
念入りに、ぽりぽりすりすりもみもみと。
「かゆみ止めマッサージって、初耳なんですけど」
森の中にはイヤな葉っぱとか虫とか、アブないかゆみの素がいっぱいなんですよ。
夜営の際の安眠のため、我が家で代々受け継がれてきたスペシャルマッサージなのです。
おやぁ、もしかして、変な想像しちゃってます?
「もうやだっ、ご主人様ったら……」
よしっ、お出かけ前に、照れナさん成分を補充っと。
「ちょっと、フォリスちゃん」
「わし、もう帰っていい?」
えーと、ごめんなさい、爺ちゃん。
置いてきぼりにしちゃったけど、
置いてけぼりはご勘弁……