表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

10 騒乱


 今回、ヒューネちゃんの隠し固有スキルが巻き起こした騒動は、


 この世界に住む全ての者たちの思考への『騒乱』という、かなりとんでもないモノだったそうです。


 なんといいますか、『騒乱』させられてる本人は意識できぬままに、テンションだけが妙ちきりんになっちゃうという、凄くハタ迷惑な思考操作だったそうで。



 特に言語能力方面に影響大だったようです。


 シュレディーケさん、普段とキャラ変わってたし、


 サイリさんも、本当におかしくなってたもん、妙なことわざ連発してたっけ。


 ちなみに、モルガナさんは、いつもあんな感じが平常運転だそうで……



 実は、ヒューネちゃんの『ストレス反射』の効果は『騒乱』だけではないのだとか。


 けんちゃんにも何が起こるかは予測不能で、今回対処が遅れたのもそれが原因とのこと。


 うん、次は絶対に阻止しなくちゃね、『ストレス反射』




 そして、精霊乙女たちの処遇について。



 ヒューネちゃんは、当然お咎めなし。


 めっちゃ被害者ですもん。



 今後は周りのみんなが、できるだけストレスを感じさせないよう、


 優しく見守りましょうってことに。



 で、なぜか僕も見守り隊に編入されまして、時々ヒューネ湖に見回りに行くことに。


 まあ、遊びに行くってことなんですけどね。



 なにせ、僕やサイリさん以上に、静かな生活を望んでいる娘さんなのです。


 事情を理解してくれた皆さんは、騒がしくしないよう訪問を極力遠慮してくれているのですが、


 それでも、お友達は必要じゃないかなって。



 お友達候補として白羽の矢が立ったのは、アシュトさんの娘さん、マリモちゃん。


 瓜二つと言っても過言ではないほどの、おとなしくて優しいそっくりさんな性格。



 実は、あのちっちゃな4人の女の子たちが相談して決めてくれたのです。


 一度にみんなで遊びに行くんじゃなくて、驚かせないようにちょっとずつ友達を増やそうねって。


 フォリス先生、ちょっと泣いちゃう……



 もちろん、ふたりはすぐに大の仲良しに。


 えーと、ほとんどが湖畔でのお昼寝タイムみたいですけど。


 これからどんどん仲良しさんを増やしてくれるとうれしいですね。




 当然ながらロージュさんの謹慎は、延長処分に。


 と言いたいのは山々なのですが、


 まことに遺憾ながら謹慎解除されちゃいましたよ。



 なにせ、あんなんでもあの周辺一帯のまとめ役ですので、


 変にロージュさんに制限をかけると、


 かえってヒューネちゃんの負担が増えちゃうのです。



 かといって、まともなまとめ役として新たな精霊さんを派遣するのは、


 あそこに住んでる大勢の精霊さんや妖精さんから反対されちゃったわけで。


 ああ見えて結構慕われているのですよ、あのロージュさんなのに、



 つまりは、現状維持的な人員配置のままで問題を解決せにゃならぬ、と。



 で、ロージュさんには、今まで以上にしっかりとまとめ役を務め上げなさいっていう"精霊王"様の厳命が。


 とはいうものの、ちゃんと舵取りできるお目付役が絶対に必要なわけで。



 だからって、なんでそれが僕なんですかっ。


 本当、勘弁してくださいよぅ……



「ロージュちゃんもヒューネちゃんも、あんなに懐いとることだし」

「これこそが適材適所じゃよ、フォリスちゃん」

「まさに両手に華でウハウハじゃのっ」

「憎いのう、この精霊乙女ジゴロ!」


 ぐぬぅ、この丸投げ精霊王めっ。


 とりあえず、なんか問題が起きそうになったら、


 真っ先に呼び出しますからねっ。



「もちのろんじゃよ、望むところのところてんじゃっ」

「これからもよろしくたのむぞい、マブダチ!」



 どうやら、言語能力『騒乱』効果、未だ影響継続中……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ