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01 差異

『リヴァイス 71 事案狩人と特殊な特使事情』の続きで、


『(ジゴロ)狩人』フォリスのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 巡回特使(仮)の、フォリスです。


 いえ、(笑)じゃありませんよ。



 巡回特使、未だによく分からんご身分ではありますが、


 特に今までと何かが違うってことも無く。



 まあ、女王様お墨付き(仮)というのは、


 常に何らかの監視対象なんだろな、


 っていうプレッシャーは無きにしもあらず。



 さほど世間様に認知されていない称号だってことが、不幸中の幸い、


 じゃなくて、救い、ですかね。



 ---



「おはようございます、フォリスさん」

「今日のご予定は?」


 ……おはようございます、レマリィさん。


 今日もまた、絶妙なタイミングでの来訪ですね。



 なんだか、日ごとに見つかる確率が上がってきたといいますか、


 逃亡準備が整う前の強襲、といいますか……



「栄誉ある巡回特使様の初代担当者として、全力でお供させていただきますっ」


 いや、べったりお供はご勘弁。


 そもそも、巡回特使って、特使候補があんまり調子に乗らないよう、わざと栄誉も特典も無しにしてるんですよね。



「そうです、これはあくまで私の主観と決め付けによる、ごく個人的な栄誉なのですっ」

「つまりは、これからもよろしくお願いしますね、フォリスさんっ」


 よろしくです、レマリィさん……




「なるほど、これがちまたで噂の"参戦乙女増量現象"」

「ある特定の状況下の男性に引き寄せられるかのように徐々に乙女たちが寄り集まっていく様は、さながら大灯台を目指す難破船の群れの如し」

「あのネルコさんが『フェミニン・フェノメノン・サブジェクト』と名付けて鋭意研究中の事案」

「比較観察のため数値化されたそれは」

「アランさんのお宅が60fps、カミスさんのお宅が120fps、だったはず」

「我が家のfpsがどの程度なのかは皆目見当も付かんが、まさか私自身がその現場を目撃する生き証人になろうとは」

「実に感慨深い……」


 もしもし、シュレディーケさん。


 長々とナニに気を取られているのかは存じませんが、


 どうして夫のピンチに行動を起こしてくれないのですかっ。



 おっともしかして、これがちまたで噂の"正妻の余裕"……



 ごつり


 いてぇっ、



「どうしましょう、私」

「レマリィさんの参戦は、ご主人様と奥様にはとても刺激的なイベントとなっているご様子ですが」

「このままだと私自身の立ち位置が危ういかも」

「もしや、これがちまたで噂の"妖怪キャラかぶり"……」


 もしもし、ルルナさん。


 その手の発言は慎重に、ですよ。


 そもそも、全然カブってなどいませんよ、おふたりは。



 アランさん直伝の健康優良男性必須技能、


"『鑑定』まなこ"なら、


 防具も着衣もお構いなし、重ね着だってなんのその、


 おふたりの乙女部分の詳細な差異だって一目瞭然、


 つまりは、僕がおふたりを見間違えるなどあり得ぬのです!



「……」×3



 えーと、3人の乙女たちからの、いつも以上にキッツいまなざしこそが、


 一家のあるじたる僕にとっての、


 欠かすことの出来ぬ試練にしてご褒美。



 ですよね、アランさん……



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