第十六話 天文13年春時点での甲斐攻略
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楽しんでいただけると幸いです。
また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)
なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。
※2022/10/23から20時更新になりました。
「次は甲斐か。どうする陸奥?残したい家とか、あるわけないか。」
「甲斐には使える家も多いですぞ?」
「追い出されたのだろう?従うかお主に?」
「統治は三河守様にお任せいたそう。」
「私は君臨すれども統治せずで良いと思うのだがの。まぁ、国を豊かにするのは楽しいから、五年くらいは内政に明け暮れたい。甲斐は開発しがいがある国だが・・・。」
「それで、その、甲斐泥被れはどうにかなりますか?」
「全ての民を一旦、信濃か駿河、もしくは遠江、三河に移せば、二三年でどうにかなろうが、それは不可能じゃろ?あれは甲斐釜無川と笛吹川、それと駿河浮島沼と沼川をなんとかすれば解決出来る。民が出ていかねば、百年はかかろう。勿論、加護を使えば早いが、お主らの生まれ故郷じゃろ?自分たちでして欲しいの。」
---他にも日ノ本には
---あと四箇所あるが
---今は良かろう
「加護を使うのはお嫌ですか?」
「あれを使うと、人外になりそうで嫌なんじゃよな。以前も『海神様の祟り』呼ばわれしたしの。」
「ああ〜」
「まぁ、良いわ。陸奥の親世代からもそうだが、穴山と小山田は信用ならん。そこは滅ぼせ。」
「はっ。儂もそう思っておりました。国衆はどうされます?」
「武川衆は武田庶流だったか?残りそうか?」
「栗原衆以外はこちらに靡くかと。栗原衆は、先代・先々代を儂が殺しました故、無理そうでござる。」
「戦か?」
「あ、いや、叔父に従いました故、謀殺でござる。」
「あー。そう言えば、家督相続でだいぶ揉めたの。武田家のお家芸かな?」
「たははは。」
たわいない話はこれくらいにして、小角衆からの感触も合わせて内応しそうな面子を確認した。国人というか甲斐の国衆は全家靡きそうだ。勿論、小山田や穴山もだがおめーらはダメだ。それにしても渡辺綱の末裔の聖地なのか、名前一文字の渡辺氏が多い。国衆だけで五家ある。まぁ、渡辺ってだけなら三河も多かったのでよくある苗字なのだろうが、一文字の名前を見るとどうしてもそう思えてしまう。
さて、信虎追放から四年。武田家は少しずつ領土を広げつつあるものの、甲斐の民は三河の民ほど武田への忠誠は高くない。この時代の農民の忠誠など、どれだけ自分たちを豊かにしてくれるかで変わるものだ。甲斐は、武田信玄が信濃を南北とも切り取り、駿河を取ってようやく貧困から脱したと聞く。本当なら、これから武田晴信がそれを培っていくところだったのだろうが、そうは問屋が卸さない。
しかしながら、約七割の四十家程度靡くとか想定外もいいところである。今の家だけで、調略はやめようかなとか思えてしまう。だが、損害を減らすには調略が一番なので、出陣までは続けるつもりだ。
四国の情報もだいたい揃った。現時点で見ても勝つだろう。だが、まだ十全ではない。貫高制では靡かない者もいる。直前に銭をばら撒き、名刀・名物・文物を与え、それでも駄目なら滅ぼせば良い。出陣は武田が動く頃。まだ、十ヶ月ほど先のことだ。十分に時間はある。




