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【500万PV】織田勘十郎異伝〜自重しなかった結果、別家を立てて生き残ります。〜  作者: 八凪 柳一
第三章 三河の現状と東進準備

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第十話 自由奔放な二人

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。


※2022/10/23から20時更新になりました。

 天文十三年と言えば、駿河の河東を巡って今川と北条の間で第二次河東の乱が始まった年である。両軍の激突は十月、足利が仲介しようとして失敗したのが十月半ば、武田が横槍を入れて、北条が河東を奪った状態で中断したのが十二月頃と言われている。つまり、武田晴信が動いたのは十一月ではないかと予測できる。


 坊丸はそこを突く予定である。調略は九割終えている。遠江はほぼ確定した状態だが、まだ予断を許さない。理由は遠江には今川譜代の朝比奈が何家も城を構えていることだ。朝比奈が河東の乱に追随するかどうかが戦略の鍵となりそうなのだ。坊丸の予測では動かない。朝比奈と岡部は、今川の壁役なのだ。岡部が現状遠江駿河間の壁とするなら、朝比奈は三河遠江間の壁だ。と言っても国境沿いの壁ではないので、遠江入り自体は割とすんなりいける。


 遠江には今川庶流や準一門がいるが、あまり問題視していない。詳しくはあとで触れるが、準一門のうち二家がこちらに靡いている。


 先の三河侵攻後に義元は国割にやや失敗した感がある。妹婿の鵜殿に本貫地を早めに取り返してやりたいという思いから、飯尾氏から曳馬を取り上げ、鵜殿に渡した。しかし、現在に至っても鵜殿は三河織田家と敵対するつもりはない。また、飯尾は先々代氏親から恩賞として拝領した曳馬を奪われ、同等の金子を年間今川からもらってはいるものの、身内贔屓に不満を抱いている。このように三河侵攻の影響で、坊丸お得意の心を攻める調略が容易になっている。


 まだ、密やかに東進計画が進む中、遠江の準一門が靡いていると言い切ったのか。それには理由わけがある。坊丸としては困ったことに、準一門の鵜殿家と遠江小笠原家から義元の姉妹が頻繁に安祥の街に来ているのだ。時には街中で出会い、時には城内で出会う。二人は揃って坊丸に言うのだ。「いずれ住むのだから精通しておかないと。」と。


 近年坊丸は弓術・馬術を小笠原流で学んでいる。勘助が招いたので、何も考えずに教えを乞うていたが、師となってくれたおっちゃんは遠江小笠原の先代(坊丸は彦じいと呼んでいる)だった。そしてその奥さんは義元の姉。どうも鵜殿の奥さん繋がりで、こちらに興味を持ったらしい。当代の彦五郎さんとも仲良くさせて頂いている。


 尾張から帰り着いた本日、安祥の館で三つ指ついて出迎えた高嶋局(虎姫)と奥女中然とした小笠原 みやこ二十七歳と鵜殿 みやび二十三歳に、ゲンナリする坊丸であった。


「小笠原殿、鵜殿殿、早すぎやしませんか?」

「あら、みやこお姉さまと呼んでって言ってるじゃない。」

「そうよ。みやびお姉さまと呼んで欲しいわ。」

「はぁ。」

「「うふふ」」


 安祥に来る度、よく肉を食い肉づきの良くなった人妻二人は、私を揶揄からかってきて本当に困る。あんたら元服済みの子どもや元服前の子どもが複数人いるだろうがよ!子どもを揶揄って楽しいか!


〜小笠原都side〜


 織田家の三河侵攻後、夫の左京大夫春茂が城主を務める高天神城に妹 みやびが遊びに来るようになった。弟治部大輔も三河 上之郷かみのごうを取り戻す気概を早く回復して欲しいと、飯尾殿から曳馬城を預かり、妹婿の藤太郎殿にお渡しした。曳馬から高天神までは駕籠で二三にさん日。割と近いが頻繁に来る距離ではない。


 どうも妹雅を連れ出してくれる下男がいる様で、婿の藤太郎殿も文句は言わないらしい。なんと妹は敵である安祥に遊びに行った事があると言っている。それも下男が連れて行ってくれたらしい。流石に弟に知られるわけにはいかない内容だ。下手すると粛正される。弟が手を掛けなくても、庵原が動くだろう。


 その事を聞いた時には、つい妹の口を塞いでしまった。のほほんと妹は「大丈夫よ」と言う。何故かと問えば、今川の忍びは既に安祥方らしい。安祥と言っても、こちらに流れてきた松平某ではない。三河織田家の事だ。婿殿はもし三河と今川が争う事になれば、三河に付くらしい。準一門としてはあり得ない事だが、雅も納得の上だとか。


 どうなっているのだと思い、つい夫に話してしまった。夫も準一門だが、清和流河内源氏の流れをくむ当主。一度見ておこう。と言い出して、家督を彦五郎に譲って安祥に行ってくれた。


 次に戻って来た時には、三河織田家の弓術・馬術師範になっていた。驚いたものだ。そして、「彦じい」と呼ばれているのだと嬉しそうに語るではないか。これはますます大変だと思い、雅と一緒に下男に連れて行って貰った。


 国境で物語から出て来た様な美丈夫に出迎えられて納得した。当時六歳だった坊丸殿は元服直前のうちの息子より体格が良い。小笠原の御曹司だから、公家のような武家のような中途半端な息子が貧弱に思えてしまった。


 あれから二年と少し、何度も安祥に足を運んだ。何度見ても坊丸殿は凛々しい。初めの頃はとても丁寧に扱ってくれた。今では気を許したのか、ややぞんざいに扱ってくれる時もある。それが嬉しいと雅と話してしまった。だから密かに雅と話している。坊丸殿の初めては私たちでと。

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