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【500万PV】織田勘十郎異伝〜自重しなかった結果、別家を立てて生き残ります。〜  作者: 八凪 柳一
第二章 三河侵攻

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別視点 三河侵攻、終わり間近

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

〜信秀side〜


 松平広忠を大久保の上和田城に追い詰め、それを攻めること三日目の朝、尾張方面に山が一つ増えていた。


 坊丸め、やりおったな。今まで、いくつかの砦といくつかの城の増築を手伝わせてきた。どうやるのかはとんと見当がつかんが、熱田明神の神力か、一晩で規模を変えていた。砦は城に、城は大城に。おそらく、昨夜、安祥城に入ってその場でやらかしたのだろう。噂に聞く、後北条氏の小田原よりデカいのではなかろうか。巨城と言って差し支えなかろう。


 近くで見上げている大和守広信が怯えておる。上和田を落としたら、今川との前哨戦で散ってもらわねば、坊丸の策は完成しない。この怯えを奮起に変えて、今川どもに突撃してもらわねばのぉ。


 しかし、坊丸も無茶を言うものよ。先に怯えさせてどうするのだ。だが上和田の者たちは次々と心折られ囚われていく。先に捕らえた本多某と長坂某も纏めて安祥城に送るとしよう。家臣団を引き剥がして、今後の今川戦での大義名分として広忠を駿河に流さねばならん。そのくらいは、坊丸でも出来よう。こちらは大和守をどうにかせねばの。


〜広忠side〜


 今年二月に予定しておった尾張鳴海村の砦への侵攻が頓挫して以来、運がない。此度こたびも運悪く安祥・岡崎を奪われた。それなのにだ。二月の一件が頓挫したくらいで、庶家全てが離れよった。当主以外ではこちらに残る者もいたが、兵が無いのでは役に立たんではないか。穀潰ごくつぶしが何人いようと意味がないのだ。仕方なく、側近の誰かに言われた罰を与えて領地を奪えば、さらに譜代どもが離れおった。罰なのだから、功を挙げて取り戻せば良いものを、なんと不甲斐ない。それでも三河武士か!と言いたい。いや、言っているけれども。


 安祥に残した家長大叔父らが打って出たのに合わせて野戦に出れば、岡崎に残した者どもが大草の奴輩やつばらが近づくと松平の旗を捨て織田弾正忠家の旗に変えて迎え入れ、生まれ育った岡崎を捨てねばならんかった。なんと運の悪いことか。


 そして、今朝おかしなものが目に入る。あれは、安祥城のあった方向。なんだあれは!なんなんじゃあれは!誰ぞ答えよ!祈るな!ええい、逃げるしかあるまいぞ。ええい、祈るな邪魔するな。逃げるのだ。もう、敵が来たではないか。あゝ捕まってしまったではないか。


 我は上野こうづけ源氏の末裔ぞ。新田流世良田家の当主ぞ!まだ、十四なのだ。子をなしてもいないのに死ねるか。剣神社の神官の末裔なんぞに捕まっていい身分ではないのだ!!なんと運の悪いことか。熱田明神と同じ世代に生きる事になるとは。


〜広信side〜


 弾正左衛門尉の息子は鬼か魔か。あんな幼児に睨まれただけで、足腰が立たなくなるなぞ、ありえん。今ですら弾正左衛門尉に圧迫され、武衛さまは収入に見合わない買い物をする。儂ら大和守家は、儂の代で終わりではないだろうか。


 う、うむ。養祖父の言う通りじゃ、次代はうつけなのじゃ、優れた次男なんぞ邪魔じゃろう。二虎競食でも仕掛ければ・・・、食われるのは大和守家ではなかろうな!あゝ伊勢守家か。それは良いな。


 なんじゃアレは!あんなもん一晩で造れるとか聞いてないぞ。なんじゃ弾正左衛門尉、息子自慢か?大和守家は、もっと凄いぞ!そうじゃ、次の今川戦が本番じゃ。儂に続けぇ〜。


〜氏勝side〜


 伊勢守家からこの戦に出たのは、面目の為だけの儂しかおらん。これは、策謀ではないかと思う。おそらく、あの鬼子の策じゃろう。そして、伊勢守家は無くなるか、与次郎殿に乗っ取られる。乗っ取られるなら我が丹羽家は生き残れるだろうが、無くなるなら、進退を考えねばのぉ。しかし、大和守の戦下手加減はどうだ。作為さえ感じる。なんで突撃する。手柄を欲しがる者の首が一番取りやすいなんて戦場の常識じゃろうに。


 一時は大和守家全滅のせいで、負け戦かと思ったが、木下弥右衛門とかいう郷侍の働きがすごかったのぉ。一気に場の雰囲気を変えて、勝ち戦に転じさせよった。津々木次郎介なども元服したてだろうに凄い槍捌きだった。次郎介は血鑓九郎も捕獲しておった。あれらあの鬼子の身内らしいの。他にも鬼大学とか夜叉柴田とかおった。弾正忠家は安泰だのぉ。


 それにしてもあんな郷侍を見つけてくるとは、鬼子には神の目でもあるのか?あゝ聞いたことあるな。熱田明神は神力をもって人を見ると。眉唾であったが、本当かもしれん。帰る前に、あの巨城に寄って挨拶しておこう。なんなら、人質でも入れようかの。

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