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【500万PV】織田勘十郎異伝〜自重しなかった結果、別家を立てて生き残ります。〜  作者: 八凪 柳一
第二章 三河侵攻

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第十二話 安祥城編集

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 鳴海の軍議から一月経った。史実では、安城ヶ原(あんじょうがはら)あたりで一進一退を毎年のように繰り返していたはずだが、あの辺りの城持ちはもう安祥家しか勢力は無い。安祥家と残り少ない譜代だけの兵力では領民をかき集めても三千が限界であろう。そもそも史実での今年二月の安祥方からの尾張侵攻は半三たちの働きで頓挫とんざさせている。今川本体は動けない。東駿河で戦の気配を起こして、北条との小競り合いを繰り返している。だから、三河で今川方についたのは、今川が来ない事を知らない国人か事情を知っていて三河の抑えに回された哀れな家臣どもしかいないのだ。


 坊丸は今川方として倒す若しくは追い払うと決めた家臣・国人など以外には商人や僧侶や旅人に扮した忍び衆を使って、今川方の情報が流れるようにし、倒す若しくは追い払う者の領地には情報遮断を行った。


 安祥城の守将松平左馬介長家と広忠の岳父・広忠の従兄弟いとこ再従兄弟はとこら一門衆九百五十が戦場に引きずり出されると、岡崎からも広忠勢も挟み撃ちにしようと出撃した。岡崎の守りは石川安芸守(あきのかみ)・鳥居伊賀守(いがのかみ)・平岩九郎右衛門(くろうえもん)・阿部四郎五郎の千。これらは大草昌久・三光かずみつら親子の軍勢が近づくと旗色を変えた。それを皮切りに、内応武将全員が近くにいた内応以外の武将を捕縛ないし討ち取っていく。その間に、五郎三郎兄上がたった五十騎で、安祥城を落としてしまった。さらに、広忠の曽祖父長親が討ち取られると進退極まったと見たのか、長坂彦五郎信政(血鑓九郎)と本多平八郎忠豊を殿軍しんがりにし、撤退戦を開始した。


 岡崎城・安祥城を確保し、広忠勢が撤退した頃合いで、私は安祥城に入るよう言われ、古渡を発った。数日を経て安祥城に入った。入城の刻限は夜半であった。ちょうど良いと編集を使う。編集に使う材料はこの地の森林や土壌にあるもの。不足分は蔵から補う。城の編集は那古野・古渡と続いて三度目だ。前二つは斯波・大和守家に遠慮して規模を抑えたが、今回は必要無い。三河の民を畏怖させねばならぬ。


---謂わば、限界突破だな。


《特殊特性「限界突破」が発動しました。》

《併せて、特殊特性「百万石礎ひゃくまんごくのいしずえ」が発動しました。》

《さらに、特殊特性「君臣豊楽」が発動しました。》


---えー?


 特殊特性【限界突破】は、「限界点は突破出来る。ただし努力は必要。」という能力。特殊特性【百万石礎】は「自身が治める領地での収益が三倍になる。」という能力で、【君臣豊楽】は、「国守、領主から下人・賎民に至るまで全ての人民が、他の国より三倍豊かになる。」という能力だった。


---一つ一つがチートだよなぁ


 編集画面を開く。三倍と三倍。流石に九倍はないだろうとは思っていたが、規模を九段階上に上げられそうだ。元々最大で八段階だった。しかし、八段階目は選択不可グレーアウトだった。おそらく、戦国時代最大規模の城は小田原城か安土城か大坂城。どれかなら選択可能だったのだろう。それがどうだ。十七段階まで選べる。城内の用地(施設に必要な土地)は一段階目で五用地。一段階上がる毎に二ずつ増えていた。その為、今まで通りの最大七段階では、快川和尚のための寺院を取ると色々、例えば城内の強度など諦めねばならなかった。ところが今回の規模の限界突破で、規模を最大にすると用地を三十九作れる。


---とんでもないな

---整合性ガン無視のチートだよ

---編集は


 整合性ガン無視だと思った理由は、今まで成長させてきた三つの村を住民ごと配置出来た。流石に用地二つ分取られた。つまり、用地六つで三村とも収まった。欲しい施設をガンガン編集で選択してゆく。


 天守閣は先に述べた巨城のうち安土城が縦に七層構造だ。天守は「安土風巨城」を選択、五用地必要だ。矢倉はまだ開発中だが、「鉄砲櫓」と「大砲櫓」と普通の「物見櫓」を各方面に配置、なお鉄砲蔵・大砲蔵・矢蔵はそれぞれに付随してある。これは四用地。城の周りに百戸の武家屋敷、その周りに「兵糧庫群」「大金蔵群」「大湯殿(武家用)」「鋳造所」「大仏堂」「大茶庵」を配置、これで六用地。武家屋敷は大規模な民家扱いなのか用地消費にならなかったのはありがたい。


 城の周りに城壁を設置、武家屋敷の周りにも城壁を置き、施設群全体をぐるっと囲うように城壁を置く。施設群の城壁の外側に、三村と同規模の村予定地を作り八用地。それと「大湯殿(民間用)」を置く。元の「大湯殿」に用地換算されているようで、用地消費は無し。この周りにも城壁を置く。


 城壁には「東・西・南・北」或いは「北東・北西・南東・南西」の位置に門を置く。門の選択は一種類ひとしゅるいしか選択出来なかったが、全二十門を一つの扱いとして用地消費が抑えられた。選ぶは「鉄城門」、これが三用地。


 おっと忘れていた。城壁と城壁の間に曲輪を追加。曲輪は何個追加してもその性質で、一つ扱いのようだ。本丸・二ノ丸・三ノ丸・北ノ丸・西ノ丸と作り、他に十三の曲輪を作る。十三曲輪には政務部署(農政方・経済方・作事方・中務方・礼務方・治部方・財務方・兵部方・刑部方・軍略方・情報方)などを入れる予定だ。部署名の曲輪になるか代表一族の曲輪名になるかは今のところ未定である。これに四用地を費やした。


 城壁だが、城の下部は石垣である。壁は鉄筋コンクリートをイメージする。可能だった。厚さは五尺、割と分厚い。鉄筋コンクリートをイメージしたせいか厚さのせいか五用地も要した。


 最後に出丸だ。この安祥城が戦場になるという事は、三河織田氏の滅亡を意味するが、作らないという手は無い。石橋は叩き割って鉄橋を作って渡る(ツッコミ待ち)くらいでちょうど良い。真田丸とかが良いのだが、今のところ、真田氏につてはない。


 出丸とは、本来なら曲輪の一種であった。本来の城門とは違うところに城門を作り、その外側を曲輪作って攻撃にも防衛にも使える付城の役割を果たすからだ。しかし中世後期となると、曲輪とは別物という扱いになる。編集でも、そのように考慮されて別項目なのだろう。四ヶ所作れるので、丸型の所謂「出城」と方型の所謂「搦手馬出」を二つずつ作る。これで四用地。


 ここに超巨大城安祥城が誕生した。

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