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【500万PV】織田勘十郎異伝〜自重しなかった結果、別家を立てて生き残ります。〜  作者: 八凪 柳一
第二章 三河侵攻

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別視点 謀議の裏側で

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

〜勘助side〜


 早朝に坊丸様は城に向かわれた。三河を奪るための話し合いであろう。儂が尾張に来て二年か。傅役を任されておるが、勤めを出来ておるのかどうか。快川和尚の書籍は既に理解されておる。それどころかご自身の解釈もお持ちだ。諸国漫遊して様々な知識を身につけたつもりが、こちらから教える事は少ない。逆に教えられる事も多い。手札の使い方などはまさにそれだ。自身のお言葉までお持ちでおられる。思えば庵原いはら家での事も、辛酸しんさんめるには短すぎたのではないか?もっと長ければ、もっとえげつない策を坊丸様より先に献じてあげられるのではないか?坊丸様は、あれでも数えで五歳なのだ。もっと天真爛漫でも良い気がする。吉法師様ほどとは言わないが。


「勘助殿、何を考え込まれておる?」

「おお、駿河守殿。坊丸様の事を少々な。それよりもどうされた。」

「坊丸様がお帰りになられたら、三河戦への布石確認であろう?その為よ。」

「早くはござらんか?まだ一刻は先でござろう?」

「今から考えておかんと、追いつかんと思わんか?」

「あゝ、追加があると?まぁ、あるでしょうな。昨夜も五郎三郎様の元服式の事を面白く話しておられた。あの方は親族が大好きであられる。」

「五郎三郎様の元には、謀臣が少ないと聞く。三河は良くとも、今川が出張って来ては、庵原いはら左衛門尉さえもんのじょうが抑えられまい。」

「あゝ、凄まじいらしいですな、九英きゅうえい承菊しょうぎく殿は。別の庵原家におったおり、会う事はありませんでしたが、噂は予々(かねがね)。」

「会わんで良かったと思うぞ。会っておったらここに来れたかどうか。」

「それほどですか?」

「それほどよ。」

「ならば、抑えられんでしょうな。一度や二度は良くても、織田家が動けないような謀略が広域的に仕掛けられたら、五郎三郎様は良くて捕らえられましょう。」

「坊丸様は嫌がるであろうの。」

「さようですな。」


〜半三side〜


 坊丸様が、城より戻られる時刻となった。橘内殿も弥四郎殿もおられる。勘助様や宇駿様もだ。美作守様はそろそろ来るだろうが、佐久間様や津々木様はご養子様を除き、謀議にはあまり顔を出されない。話についていけないから、決まった事に従うだけで良いとか。坊丸様は自身で考える事を良しとされておる。分からなくても聞くだけでも参加して欲しいようだが、如何ともし難い。逆に虎姫様や吉法師様には参加してほしくない様子。お二人は土佐守様にお守りをしてもらうようだ。


 坊丸様がお帰りになられた。館のそこかしこに気配が増える。最近、静原しずはら様や八瀬やせ之君のきみは姿を現さなくなった。忍び衆の頭目だけでも四十を数える。手を引かれたのであろうか?しかしまぁ、天井と床下に十二名ずつ、庭に十名おっては些か密に過ぎないか?しかし壁の中の六名も気になる、壁の中にはどうやって入っておるのかのぉ。少しでも坊丸様のお声を聞きたいのは分かるが。坊丸様も表に出てきて良いと言っておるのだから、それこそ名の通った忍び衆は見える形で参加しても良いと思うのだ。多羅尾たらおとか望月もちづきとか音羽おとわとか出浦いでうらとか風間とか横目とか柳原やなぎはらとか各地を代表しても差し障りの無い忍び衆ばかりであろうに。本家じゃないからとか本流じゃないからとか気にせんと思うぞ?坊丸様は。坊丸様の作られた村では普通に挨拶しておるであろう?何故、謀議の場には出てこん。


 坊丸様に褒められてしもうた。身悶えするほど嬉しいのぉ、そのような醜態はさらさんが。天井やら床下やら壁の中やら庭やらから嫉妬の念が凄い事になっておる。だから出てくれば良いではないか。儂らを代表にして報告させんでも、自分たちの成果を生で報告せよ。特に壁の中から発せられる加藤殿、因心いんしん殿や四鬼しき衆の嫉みは粘着質よ。儂、この後死ぬんじゃなかろうか?


 「泰平の世が来た時にお主らの子孫がつまらんそしりを受けん為」か。相変わらず坊丸様は甘い。が、それが心地よい。儂らはこれまで手を血で汚しておる。他の皆もそうじゃろう。坊丸様の為ならば、幾らでも汚して構わない。それなのに、それを許してはくれん。それでいてご自身は、おそらく何かあれば、自らの手を汚す覚悟が出来ておられる。まだ五歳児ぞ。そんな事許されるか、いや、許されない。儂らの誰もが身代わりになってでも阻止してみせようとするじゃろうな。そして怒られるじゃろう。餓死寸前の河原者の子を拾った時は泣いておられたな。もしかして泣かれる?それは嫌じゃのぉ。

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