第五話 一時的な平和
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
楽しんでいただけると幸いです。
また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)
なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。
観音寺城を落城させて、論功行賞などを済ませた。数日ののち予定通り、三男四郎丸の傅役に三雲新左衛門と蒲生・目加田をつけた。三雲以外は六角家六宿老の生き残りは似たような若年なので、年齢順につけた感じだ。三雲が筆頭になったのは、東海探題家が情報を重要視する為であるが、これまでの六角家ではあり得ない仕置きと言って良いだろう。彼らも研修を終えたら、不満は皆無となるはずだ。
四郎丸は嫡流とは言え三男なので、まだ元服させていなかったが、天文十八年生なので数え年十一歳、六角を名乗る意味合いでこれを機に元服する事となった。ちなみに、嫡長男の坊丸(天文十六年生)、嫡次男の虎千代(天文十八年生)はすでに元服済みで、それぞれ織田遠江守七兵衛尉勝澄、長尾越後守平三郎勝景を名乗っている。四郎丸は今後、六角近江守新四郎勝賢と名乗ることになる。
史実では、長勝の子は三人だけだが、他にも高嶋局(お虎)との子は、天文十七年生の華・天文十九年生の蝶・天文二十一年生の雪・天文二十二年生の丑太郎・天文二十三年生の祥・天文二十四年生の鶴太郎・弘治元年生の天・弘治二年生の辰太郎がいる。娘は別にして、丑太郎・鶴太郎・辰太郎には津田姓を名乗らせて、東海探題家・長尾家・六角家を徳川政権における初期の御三家のような存在にする予定だ。
閑話休題
六角征伐(そんなことは報告しないが、織田家内部ではこう呼ばれている)の論功行賞ののち、富城と今川を室町第に送った。そこで六角家滅亡と事変による嫡流男子族滅並びに主犯格の討死を報告させた。どうやら、将軍家としては、六角家の誰かが助けを求めてくるのを待っていたらしい。今後の三好戦のためにも、恩を盛大に着せて、いいように使いたかったと見えて、ものすごく落ち込んでいたようだ。三好と織田どちらに対して兵を起こすにしても、畠山か六角の手を借りていたから、名実ともに出せる兵がなくなった。まぁ、これで黙っているような義昭ではないが、今後騒いだところで何も出来ない。
三好家にも使者を出した。三好日向守が代理で対応してくれ、それはそれは高待遇で使者を饗してくれたそうだ。六角家滅亡についても、今後四郎丸が六角を名乗ることについても受け入れてくれた。
足利家への対応は今まで通りということらしいことも聞けた。まだ相手にしない三好筑前守が当主のままであれば問題ないが、あの足利義昭は分からんだろうな。もちろん、織田家は金で解決する。兵を起こせ?出来ませんので、このお金で兵を集めてください。織田討伐軍を興す?すいません、このお金で気持ちを鎮めてくれませんか?そんな感じで対応する。その後、そのお金でどう使おうが知らん。
さて、三好嫡男が死ぬのも時間の問題となったが、さりとて、すぐ死ぬわけでもなし、各地を巡って内政する。と言っても、織田本家、東海探題家領内に鉄道を張り巡らせるだけで終わりそうだ。鉄道で繋がったところは二ないし三日で着くが、それ以外は馬か徒歩。馬より早く走れるが、側近たちに嫌がられるので、途中までは曳馬車、途中からは馬でゆく。
内政は楽しい。豊かになる国が結果として見えるからだ。すでに朝敵討伐の頃までに下した国々は明治の頃くらいの石高に達しているし、それ以前から織田領となっている国々は、大正の頃くらいの経済力を有している。その上で、織田両家の領内には鉄道が通っている。近年では、貨物車両だが山間部をひたすら進む曳馬車両もある。馬の疲労を考えて宿場は作ってあるが、基本的に山窩の民しか住んでいない土地を物資だけを載せて動いている。
もちろん、有事の際には兵も運ぶが、今のところ南蛮が大挙して攻めてこない限り、有事は有り得ない。その南蛮も高砂・琉球・種子島の海軍基地を抜かないと九州には辿り着けず、薩摩・大隈に辿り着いたとしても、それぞれの半島の先にある海軍基地からの出撃で海の藻屑となろう。あ、いや、高砂すら抜けていないので、あくまで仮定の話だ。
もう、この海域の海賊たちは、傘下に治めているので、逆らうことはないが、よくわかっていない南蛮商船の護衛艦とは小競り合いをして、沈めていると聞いている。長勝自身、鎖国をするつもりはないものの、渡航してまで中国や南蛮に攻め入る気はないので、賠償金を払ってくれるなら、追い返すだけにしている。賠償金が払えなければ、研修所に放り込まれるそうな。奴隷とかではない。金も飯も出るし家も風呂もあるが、鬼のような量の教育と軍事訓練が待ち受けている。
その後は、こちら側で通訳として働く者が多いとか。もちろん、賠償金が届いて一度戻る者もいるのだが、戻ってくるらしい。令和の頃の食事とサービスの再現はやりすぎただろうか?
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