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【500万PV】織田勘十郎異伝〜自重しなかった結果、別家を立てて生き残ります。〜  作者: 八凪 柳一
第一章 幼少期

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第十話 さぁ、忍者を配下にしよう

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


9/13 16時頃のランキング

【歴史(文芸)】

日間1位、週間1位、月間4位、四半期13位、年間78位

【総合】

日間127位、週間121位


年間はポイント的に金曜日くらいにはBest100にはいたんですけどね。毎週火曜日更新なので、いきなり80位以上のランクインとなりました。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 さて、そろそろ日付が変わりそうだ。気配察知では徐々に近づいているのが分かる。数人、宿直番の方に向かったか。宿直番たちは、深い眠りにつかされたようだ。死んでいないことにホッとする。寝てしまった事を恥じて切腹せっぷくさせないようにしないといけないだろう。スッと部屋の中に気配が生じた。見事なものだ。気配察知が無ければ気づきもしまい。


「見事なものだな」


 部屋に入った者たちが動揺している。饗談を使うか。


岩室いわむろ殿、説明してやれ」

「はぁ、若殿。仕方ありやせんね」


 おかしい。岩室殿が気落ちしている。以前から影守かげもりをしてくれていたはずだから、いつものことだろうに。静かに、しかし、熱気を帯びた感じで、話し合いがされている。話しているはずが、声も聞こえない。忍びのわざというものだろうか。


 しばらくすると動きが止まった、話し合いは終わったようだ。しかし、誰も話しかけて来ない。どういう事なの?西洋の貴族社会みたいに身分の高い者から話しかけないといけないとか?まぁ、良いか。とりあえず、当たり障りの無い忍び衆から行くか。


「話し合いは終わったか?そうだな、まずは甲賀者はどなたかな?」


 また動揺が走ったが、何か諦めたようなどこか納得したような気配がする。


「若殿、ワシらは良いのですかな?」

「饗談の者たちは、それがしの影守であろう?信頼しておるから良い」

「「「「「ぐぬぬ」」」」」


---ぐぬぬじゃねーよ

---早く自己紹介せんかい!

---こちとら幼児なんだ、眠いんだよ。


「では、甲賀と言われましたので、拙者から。山中やまなか橘内きつない為俊ためとしと申します。どうぞ手足としてお使いください。」


---え?

---橘内って柏木かしわぎ三家の山中氏じゃねーの?

---山中為俊って、のちの近江六人衆のほうだよね?

---六角家はいーの?


「あい分かった。父と相談の上、直臣じきしんと致す。一族や手下てかでこちらに来て良い者が居れば、連れて参れ。人数にもよるが全て受け入れる。」


 橘内を含む六人が固まった。この時代、忍び衆は人間として扱われていない。だが、前世の記憶を持つ私には関係ない。人は人だ。


「わ、若殿?そ、その、よろしいので?」

「どうされた岩室殿、忍び衆とは言え、人は人であろう?すぐにろくは出せぬし、銭による家禄かろくになるだろうが、それでも良ければ構わぬが?」


 橘内ほか忍びたちが泣き始めた。今日はよくおっさんたちを泣かす日だな。次は、伊賀者かな?


「さて、続いては伊賀者に頼みたい」

「ずびっ、ばっ(はっ)ぞれ゛がじ()ぜん゛がぢ(千賀地)ばん゛ぞゔ(半三)や゛ずな゛が(保長)ども゛ゔじま゛ず(と申します)

「しばし待たれよ、半三殿。岡崎松平家はどうされた?」

「な゛?!」

「あ、まずは落ち着かれよ」

も゛う゛じわ゛げ(申し訳)あ゛り゛ま゛ぜぬ゛(ありませぬ)


閑話休題しばしのち


「失礼致した。」

「よいよい。それで?岡崎殿(松平清康)が横死したとは言え、嫡子がおろう?解雇されたか?」

「お恥ずかしながら、父君の死を防げなかった事とご世子せいしさまの追放劇を防げなかったとして、信用を無くし、一族を養えそうになく・・・」

「腰掛け・・・、信用を取り戻せたら戻るか?」

滅相めっそうもありませぬ。可能なら永代えいたい的に臣従しんじゅう致したく存じます。」

「ふむ。岡崎(安祥家)も終わったかの。情報を重視せねば、戦国の世は渡っていけまいに。あい分かった。橘内殿と同じ扱いとなるが良いか」

「はーっ、ありがたき幸せ」

「若殿、某に殿は不要。橘内と呼び捨て下され」

「すまぬ。年上の優れたる者を呼び捨てには今すぐできそうにない。慣れるまで待ってはくれぬか?」

「差し出口、申し訳ありませぬ」


 次は鉢屋か。他の二家に声をかけるには、まだ心の準備が足りない。しかし、鉢屋なぁ。前世の知識が足りないのか?間違い無ければ、流石に尾張は遠いぞ。


「鉢屋の者に問いたい。尼子は何用で、こちらの情報を探りたいのだ」

「あ、拙者らは尼子の者ではござらぬ」


---え?どこの鉢屋さん?


「すまぬ。鉢屋といえば、尼子伊予守(経久のこと)が月山富田城を取り返した時の鉢屋 弥之三郎やのさぶろうしか知らぬ。許せ。」

「いえ、弥之三郎伯父上を知っているだけでも、十分でござろう。某の一族は、弥之三郎伯父上から見れば庶流。元は京極きょうごく付だったのでござる。出雲京極家が敗れたのち、近江京極家に身を寄せておりましたが、先年、浅井家との和睦によりお役御免となりました。」


---え?そっち?

---浅井に使われていた忍び衆だよね?

---あれ?認識が違う?


「その鉢屋衆であれば、浅井家に雇われているのだと思っていたのだが?」

「それは、京極家を監視する為、弥之三郎伯父上に派遣された者たちでござる。」


---ああ、そういう事なの


「なるほど知らぬ事とは言え、悪い事を聞いた。謝る。」

「いえいえ、鉢屋衆を知って頂けただけでも嬉しゅうございます。改めまして鉢屋弥四郎と申します。どうぞ手足としてお使いください。」

「うむ。弥四郎殿も橘内殿や半三殿と同じ待遇よ。家禄は一番多い手下に統一するつもりだ。仕事料は別途払うがの。ま、それも父に相談してからよ。三人ともしばらく回答出来ぬし、手持ちから出すだけで満足させられるかいささか不安があるが、それで良いか?」

「「「ははっ」」」

「若殿、ワシらは?」

「そなたらは、父の手下であろ?父から奪えと?殺される」

「そんな事はないかと思いますが?」

「父の手下は、吉法師さまの手下となる。敬愛する兄上の情報網は崩せぬ」

「はあー、残念」


 楽しそうに言うな。ちっとも残念とは思ってないだろ。

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