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第十一話 やられた!

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 毛利元就と言えば、家族・配下・領民に対して愛情の深い人物としての逸話や挿話などに事欠かない。例えば、天文十四年に正室が亡くなるまでの約三十年間側室を持たなかったとか、大永四年に別腹の弟相合元綱が謀反を起こした際、主犯坂広秀の一族だからと桂広澄も責任をとって自刃したが、元就は大反対していたという。そして、隙を見て自刃されたとも。広澄の子たちも自刃しようとしていたが、それについては止めることが出来たらしい。他に、その手の有名な話では、「百万一心」を刻んだ石碑を生贄の代わりにつつみを作る際に沈めたとかあるが、これは創作の可能性があると、先述した通りだ。ただ、創作された理由は領民に対する愛情が深かったからと思われる。


 つまり、毛利陸奥守元就という人はそれだけ身内に対する愛が深い人ではある。現在、長勝らはその陸奥守次女の婿宍戸左衛門尉の居城、五龍城を囲んでいる。この城にいる陸奥守の娘も、長女の悲劇もあってかだいぶ深い愛情の下で育てられた子である。とは言え、風前の灯火である。約二十万の兵が囲んでいるのだ。


 水窪軍により、ほぼ終了した石見攻略に一時的に向かっていた尼子軍もこちらに合流した。いやいや、なぜ遠回りする。多治比猿掛城を攻めるとか、それを無視するにしても、吉田郡山城に迫るとか方法はあるだろうに。やはり父出雲守晴久と違い、右衛門督義久は戦略眼に乏しいのだろうか。結構優れた人物だと歴史的には言われていたが、まだ若いからか?そうか、まだ十五だもんな。あ、石見攻略出来なかったから、嫌がらせか?二つ目の大義名分にするぞ?朝敵討伐後の尼子攻めの。


 そんなイライラは無視しよう。それよりも、五龍城を取り囲むくらいから、吉田郡山城を出て近づいてくる集団が気にかかる。小角衆が取り囲んだ状態で、ゆるゆると近づいてくる。最後のお勤めと元座頭衆筆頭の角都かくずに降伏勧告をさせたのが不味かったか?


 本来、城を取り囲む際、大軍の総大将のいる本陣は、取り囲む兵の外側の外敵が攻めてこない後方に本陣が置かれる。だから、先に落とした銀山城と頭崎城との間辺りに置くのが安全なのだが、この集団の中には、陸奥守はもちろん、嫡子備中守隆元も嫡孫幸鶴丸(三歳)も四男と言われる虎法丸(十歳)も五男の螻法丸(五歳)も六男の亀法丸(二歳)も七男の鶴法丸(零歳)もいる。八男は生まれていないのでいなくても当然たが、編集画面からは陸奥守負傷(致命傷)が見える。詰腹でもしているのか。致命傷を押すと「まだ間に合う」と出やがる。


 非常に迷うが、当主としての責任は取ったとして早急に本陣を離れて、包囲外で会うように場を整えるべきか、北伐に際して足利家にやったようにのらりくらりと躱して死亡を待つべきか。どちらを選択しても後悔しそうだ。歴史好きとしては、会って後悔した方が良かろう。そして、おそらく、陸奥守を助けてしまうだろう。そうなると役職は軍略方か。もう天下統一に近い。そんなに高い地位につけるのは大いに迷うが、役職はおいおい考えよう。


 そうと決めれば、行動は早い。側近八人と勘蔵・勘内・勘四郎を連れて行く。他の小角衆たちに場を整えるよう指示して、八人は馬で長勝と新三忍は走る。本多肥後守も走りたがったが蜻蛉切(もどき。銭屋で購入)と銃を抱えてどうやって走るのかと、軽く叱責して馬に乗せた。相変わらずアホの子である。


 とは言え、五龍城の北側から西側に移動するだけなので、大した時間はかからない。仕方ないじゃないか。走った方が馬より速いのだから。見栄えは大事だが、これは密談。目立つわけにはいかない。その辺りを考慮して、近づいて来ているのだろうし。


 それにしても、翠光院寿桂が曳馬城に来た時と状況が似ている。翠光院の方が歳は上だが、あの年代の方々の考えることは似通っているのだろうか?整えられた場に着く。一応、一刻も経っていないが、編集画面を確認。「まだ大丈夫だが、そろそろ」とか出やがる。話し合いよりも治療が先だ。


角都かくず、勘内。陸奥守殿の治療を優先しろ。血を止め、縫いあわせよ。話し合いはそれからだ。勘蔵、勘四郎は結界を。誰も近づけさせるな。」

「民部大輔様、それには。」

「詰腹を召されたことは承知しておる。それにて、毛利家は筋を通したとする。家督は備中守に譲ってもらうが、陸奥守には遠江にて何かしらの仕事をしてもらう。幸鶴丸は嫡男の側近候補に育てよう。それでどうだ?」

「ひ、人質では?」

「東海探題領に人質はおらん。外から見たらそうかもしれんが、優秀なら娘も嫁がせる。正室の子ではないかもしれんが、某の義子では不満か?」

「いえ、決してそのようなことは・・・うう。」

「まずは治療だ。そして、体を休まれよ。備中守。」

「はっ」

「そなた使者となり、五龍城に赴け!無血開城させよ。」

「ははっ。」

「肥後守!そなたは副使だ。全員死なせるな。」

「はっ、承って候。」


 一人でも死んだら、どうやって弄ろうかな。

仕事の合間に書いたから、多分だいぶ粗がありそう。


あ、次で200話では無いので、ご注意を。注意事項とかあるんで、あと二週間くらい先ですよ〜。

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