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第七話 編集以外も実はチートなのですよ

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 播磨に引き続き、浦上と交戦中だ。本来なら、播磨の浦上は尼子派なので、戦う理由はなかったのだが、何の行き違いか知らない(ことになっている)が、尼子の合流前に、攻撃を仕掛けてきたのだから仕方ない。


 京を出る頃の予定では、備中の浦上遠江守と戦うことから、討伐軍の戦は始まるかな?くらいに考えていたのだが、赤松の阿呆が悪い。播磨の浦上の件は、尼子から抗議が来て、尼子とも合戦になるかもと少し期待(日本海側の海軍は待機中)したのだが、『雲陽軍実記』にあった「短慮で大将の器に乏しく、血気にはやって仁義に欠けている」という大叔父尼子下野守のことばは尼子修理大夫に“臆病野州”と揶揄されたことを根に持っての私情によるものだったのだろう。そもそも、朝敵討伐がなければ、いつでも尼子とは戦える状態だったのだ。尼子民部少輔の薫陶を受けた、毛利陸奥守と尼子修理大夫はやはり、警戒せざるを得ない敵と言えよう。


 それはさておき、浦上遠江守との戦端は、播磨にいる間に開かれている。動いたのは宇喜多和泉守だが、さすがは天下の梟雄。浦上帯刀左衛門尉が倒れたあと、何人かの家臣を吸収したが、そのうち、火縄銃に取り扱いに長けた、遠藤三兄弟を使って、長勝らの狙撃をしようと近づいてきた。が、長勝の察知力(と思われている)により逆狙撃し、事無きを得た。


 察知力と述べたが、なんてことはない長勝の固有技能「広域地図」に敵対者として表示されたから、馬上装備していた最新式の連射式無音銃で、こちらの射程範囲から狙撃しただけだ。異世界転生物でよくあるマップと同じ固有技能だ。敵対・味方・中立・無関心で色分けされた「広域地図」は、その人物に意識を向ければ、所属は分かるのだ。


 実際の遺体は、装備こそ浦上帯刀左衛門尉配下の家紋が入った物だったが、装備品の裏から、宇喜多和泉守の書状が出てきた。遠藤たちからすれば言った言わないの水掛け論にならないための、功績に繋がる書状だったのだろうが、戦場に持ってきてどうするのか。失敗するはずが無いとでも思っていたのか。こちらとは射程距離が違うことを知らなかったに違いない。東海探題軍が使用する銃器は交易品に入っていないからな。使用しない銃器は交易品にある。銃器の型番からして、東海探題領の製品だった。どこかで買った物だったのだろうが、軍備品と交易品が同じであるはずが無いではないか。残念だったなとしか言えない。


 もちろん、その書状は、小角衆の筆跡を真似ることが上手な者たちによって、大量に模写され、浦上遠江守には朝敵の大義名分として、浦上配下には調略の手立てとして大いに活用させてもらおう。浦上遠江守としては不本意だろうが、宇喜多和泉守を重用している方が悪い。元々、兄浦上帯刀左衛門尉に反旗を翻し独立勢力であったのだ。攻められる理由が変わっただけで、朝敵になることは既定路線だったのだ。そういう運命だったと諦めてもらおう。


 宇喜多和泉守直家、宇喜多和泉守家の現当主である彼は、歴史的に見ても梟雄と呼ばれるに相応しい謀略家だろう。本家大和守家を追い落とす行為と、主君浦上遠江守から独立した行為とを合わせて、歴史的に下剋上を二度成功させたその野心家っぷりは、賞賛に値すると思う者もいるだろうが、長勝自身はそうは思わない。


 下剋上の代名詞、今は亡き斎藤山城守も毒殺・暗殺なんでもござれの人物だったし、その対象は娘婿だろうが関係ないって人物だった。それと全く同じことを宇喜多和泉守はやっている。史実だと、成功しているが狙撃による暗殺もしていたか。だが、斉藤山城守と違うのは、まだ二十六歳の若武者なところだ。だから、これから討ち滅ぼす予定の武将たちはまだまだ残っている。大和守家だけは、浦上帯刀左衛門尉とともに滅びたが。


 なお、全く関係ない話だが、これから備前を攻めようという段階で、三好家から来た三人はほどよく前に止まったのに、あれだけきゃんきゃん煩かった大舘はまた最後尾に下がって行った。一体何をしに来たのやら?

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