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別視点 史実と違う一門たち

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

〜織田能登守side〜


 某は、織田弾正忠家の流れを汲む一門衆だ。織田家には鬼がおる。どうも、某は鬼に睨まれておるらしい。某がまだ五つの頃、「(父が早死にすれば)間違いを起こす」と思われていたらしい。そのせいで、厳しい教育の中で育つことになった。九つの頃には、その鬼の膝下で学校に通わされた。修練場では鬼の手ほどきを受けた。


 鬼の名は、織田民部大輔勘十郎長勝。二つ年下の東海探題家当主。分家が本家を上回ることなどこの戦国乱世ではよくあること。だが、頑なに本家に取って代わろうとはせず、日ノ本の東側を統一してしまった。もう天下人でも良い気がする。


 東側統一後は、本家の手伝い戦と称して、美濃・飛騨と国を次々と落としていき、もう残す大名家は少なくなっている。昔言ってたな。「数は力だよ従兄あにき」と。某は従兄であって兄ではないと言い聞かせることになった。てか、奴の兄はおらんだろ。あ、五郎殿がいたか。


 しかし、今回の呼び出しはなんじゃろうな。本家に呼び出されたが。鬼を敵に回して、尾張を奪る気なぞ無いぞ?いやというほど、思い知らされたからの。親父(信康)も早々に隠居しおって、悠々自適に過ごしておる。何かあったら、復活させよう。しかし、何があるんじゃ?


 は?能登?国守になれと?あぁ、鬼の方策と同じく目代ね。ということはあれか、鬼の建策ですね。分かります。しかも周りは加賀に鬼の目代がおり、越中には掃部頭叔父上がいると。ちょっと離れても飛騨に四郎二郎叔父上がいて、越前には鬼の次男が養子に入って長尾継ぐんでしょ?そんなに優秀?某そこまで怖い?


 んふふ。なんだか、良い気分。


〜雲林院殿白巌仍叟side〜


 息子がにへらと笑っておる。あれは、邪なこと考えて策謀を巡らせているのではなく、純粋に喜んでおるな。民部大輔殿に伝えておこう。うちの子はまだ警戒されていると思っているようだし、おそらく周辺諸国が弟や民部大輔殿の一族で囲まれて、警戒対象のままで自分を優秀と勘違いしているのだろう。民部大輔殿に良いように転がされておるわ。まぁ、良いけども。


「して、能登のまつりごとには、参加してくれんのか?」

「民部大輔殿、こちらはすでに隠居した身ゆえ、これまで通り、自由気ままに過ごしとう存じます。」

「息子を助けようとか・・・。」

「息子は不甲斐ないと?」

「いや、武芸にも将才にも文治にも優れておる。はぁー。仕方ないか。息子から言われたら、致し方なしと諦めよ。」

「そこまで言われれば致し方ないとは存じますが、長老として席を置く程度には手伝いましょう。」


 ふふ。兄もそうじゃったが、この子も相当血縁者に甘い。甘露、甘露。


「しからば、引き続き各地の特産品を書にまとめて報告をお願いする。一度回った地でも新しいものがあれば、再度報告を。」

「承った。」


〜織田飛騨守side〜


 秀兄ぃも光兄ぃも死んでしもうて、抜け殻のようになっておったら、岐阜に呼び出された。さすがに康兄ぃのように隠居する気はないが・・・というか、康兄ぃは隠居が早すぎる。きっと、東海探題殿が五つの頃に話していた頃から息子が元服したらと決めておったのであろうな。昔から康兄ぃは、切れる人であったからのぉ。今は東海探題領を旅しながら何か書を書いているようだが。


 は?飛騨目代?ずっと、光兄ぃの下で、家老はしていたが、わしの戦功は北伊勢の戦い以降ないぞ?何ゆえ?しかも、飛騨守任官?血縁とはいえ、わしらは大丈夫でも、息子らの代で・・・、あ、東海探題殿が預かると。ふむ。東海探題殿に預けられた子らは、総じて優秀になって帰ってくるが、基本的に長勝教信者になって、織田家への忠誠は絶対という状況になりますな。下野守、いや、今は能登守に任官されたのか?康兄ぃの嫡男を見れば分かりますな。


 まぁ、良いか。光兄ぃの次男坊を養子に迎えられたし、甥っ子に国守のなんたるかを伝えねばの。


〜織田越中守side〜


 秀兄者が亡くなり、康兄者が隠居し、光兄者も亡くなった。康兄者は早すぎる隠居だが、昔に公子こうししょうにならぬようにとかうそぶいておられたから、本家にも東海探題家にも顔を立てて隠居しただけであろう。ざね兄者や某、弟のつぐみつ兄者の下で家老をしておったから、康兄者のように隠居せんでもよかろう。


 さて、岐阜に呼ばれた。何用かの?光兄者の嫡男東市佐の下でまだ家老でもしておこうかと三人(信実・信正・信次)で話し合っていたのに。三人と甥の下野守が呼ばれているようだ。


 なんと!越中目代に?東市佐は?当主三郎様の補佐に?え?任官も?!なぬ?!実兄者は北加賀目代を辞退?任官は避けられぬから、のちのち加賀目代にならざる得んようじゃが。


 あれよあれよと、色々決まったが、ええのかのぉ。わしら血縁とは言え、秀兄者の北伊勢攻略以降、戦功も勲功も無いのじゃが。


 〜織田加賀守side〜


 弟や甥が能登・越中・飛騨の目代に任じられ、慌てておるわ。わしは事前に聞いておったから知っておった。しかも、南加賀は甥の民部大輔殿が目代を置くから、本来なら加賀目代になるわしには数年お預けとなるとも聞いておった。


 わしら当主三郎様の叔父とは言え、光兄上の家老をしておったに、甥の三郎様も東海探題家当主の民部大輔殿もだいぶ恐縮しながら、お願いされたわ。身内に甘すぎじゃろ。まぁ、裏切る気はないがの。このままいけば、問題なく次の天下人は織田三郎様じゃろうし、史上初の織田単独支配もあり得るか?すでに織田本家と東海探題家合わせて七千万石を超えておるというし、阿呆の足利家以外、敵対したいと思う勢力はおるまいて。


 ふふ、天下統一か。秀兄上には悪いが、秀兄上ではこうはならんかったろうな。天才と思っておった秀兄上も、晩年は猿のように腰を振るしか脳の無い凡人であったからの。

別視点が多いと言われましたが、物語を作ったことのある方なら、登場人物が増えれば増えるほど、たくさんの視点が出来るものだと思います。私の作品は、簡単なプロット(年表程度)のあとは、登場人物の動きを文章化しているだけなので、めっちゃ視点が出てくるんですよね。それを厳選してUPしているような状況のため、1話の後に別視点が出来る勢いで書いては削除し書いては削除しを繰り返しています。別視点多い!本編はよ!とお思いになるのは分かりますが、今回は別にして、だいたい話が繋がっているので、我慢してお読み頂くか、読むのをお辞めになるとよろしいかと存じます(ハードルは下げていくスタイル)

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