第九話 紀伊もいけちゃう?
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
楽しんでいただけると幸いです。
また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)
なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。
出陣から十日あまり、九州勢は無事全軍が上陸、戦線が移動し始めたようだ。海軍は琉球に向かい、向かう島々を占拠しつつ、琉球本島にせまりつつある。ところ変わって北陸は南加賀の坊官どもをあっさり鏖殺し、領民たちはすぐさま降伏。兵一万と城代を残して、越前へ。全く予想していなかったのか、照葉宗滴の意を汲む者たちがうまく隠したかは分からないが、まさか十日で越前を落とすとは思わなかった。
朝倉側で死亡したのは、一門衆では朝倉式部大輔・朝倉右兵衛尉・北庄土佐守・鳥羽与三郎・敦賀修理亮・青蓮華近江守・向駿河守。家臣衆では魚住備後守・富田弥六郎・斉藤兵部少輔・鳥居兵庫助・高橋甚三郎・印巻弥六左衛門・青木上野介・堀江中務丞・小林三郎二郎・三段崎勘右衛門・山内弥六左衛門尉。当主朝倉孫次郎は虜囚。降伏は朝倉孫九郎左衛門尉・朝倉玄蕃助・山﨑新左衛門尉・山崎七郎左衛門・小泉藤左衛門尉・河合安芸守・前波左衛門五郎・溝江大炊助。国人代表の真柄十郎左衛門は最初からこちら側だった。まぁ、国人衆はいつも通り先に内応させていただけのことだ。
思ったよりも早く、越前が落ちたので、五日ほど休憩して、北近江と若狭に別れる。残す兵力は三万。二国を落としたら、三万のうち二万が若狭に向かう。京・丹波の状況次第では、ここで終わりだが、おそらく大丈夫。
意外にも味方になった本願寺が、畿内を荒らしてくれるらしい。公家衆の守りは担ってくれるが、三好足利にもつかないで、ただ畿内を荒らすだけ。まぁ、三好筑前守からしたら本願寺は親の仇だし、足利義昭からしても今は憎い相手でしかない。本願寺のおかげで、畿内は膠着するだろう。その後、因幡まで落とした織田軍が引き上げたら、公家衆を使って和睦。足利義昭を京に留め置く予定だ。
本願寺への褒美は、金子で良かろう。まだ、大谷に関する交渉は始まってもいないし、延暦寺が邪魔だ。しかし、宮家創設で、延暦寺座主は弟宮様ではなくなっている。文句を言ってくるなら、こんがりすればいい。まぁ、非公認だがこちらも宗教を抱えている身だ。不滅の法灯やら法典やらは全て、別の場所に移動させてやろう。小角衆が無理でも銭屋や大峰衆がいる。どうにかなるはずだ。
本願寺への金子は二万貫くらいで良いか?味方になるんだ。こちらに先に来た鈴木らと同等に研修の機会をやろう。そう言えば、大峰衆が高野山を手中に治めたとか意味不明なことを言っていたな。紀伊は飛地だから、兵を出すつもりは無かったのだが、高野山がこちらなら飛地でも兵を送っても大丈夫か?
まずは鬼平太に話を聞いてからにしよう。まさかと思うが、あの宗教じゃないよな?高野山が落とせるなら同じ山だし、比叡山も落としてくれんかね?無理かな?あの宗教の一部門として、本願寺・真言宗・天台宗があると言うのも・・・いや、考えるのはよそう。泥沼だ。
閑話休題
北近江には、美濃からも兵を出してもらおう。どうせ、因幡まで手に入れたら、織田本家に割譲するんだし。今回割譲予定は、因幡・丹後・但馬・若狭・北近江・越前・加賀・能登・越中になる。元々、織田本家と東海探題家の境界線は尾張と三河、美濃・飛騨と信濃、越中と越後の国境だ。紀伊や九州は飛地だから今のところ東海探題領だけれども、いずれ繋がったらそちらも本家のものだ。
島津や龍造寺らがどうするかはその時までに決めれば良い。今、龍造寺と言ったが、当主本人は、肥前にこだわらないと言っている。まぁ、本家の方の左衛門大夫や大和守が従兄弟の孫九郎に史実と同様に本家も譲ってしまったので、左衛門大夫か大和守かを肥前に残すかどうかだが、たぶん、孫九郎を立てて肥前にこだわらないだろうと予測している。
さて、大峰鬼平太を呼び出して、話を聞くか。しかし、どうすっかねー。一応、三河・遠江・駿河に幾許かの守備兵はいるけれども、紀伊に出るかどうかだが、話次第で評定衆やら軍略方の幾人かを連れて出るしかないよな。あ、教来石彦左衛門(史実の馬場信春)とか飯富源四郎とか工藤源左衛門(史実の内藤昌豊)とか春日源五郎(史実の高坂昌信)とかいたなぁ。他にも北条の義父やら今川の義父やらいるからなんとかなるか?すごく豪華な人員だけれども。塚原土佐守とか大胡武蔵守(史実の上泉信綱)とかもいるし、白兵戦力も十分か。
あれ?やっぱり紀伊もいけちゃう?
一行目の戦線は戦闘線の略なので、誤字じゃないです。今回は薩摩と肥前の二点なので、その点と点を結ぶという意味で、戦線と表現しております。
【戦線の意味】戦場で敵を前にした戦闘部隊の配置されている地点を連ねた仮想の線。戦闘の第一線。交戦の区域。戦場。戦闘線。