表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/219

第七話 藤吉郎と勘右衛門

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 西征軍が出陣し、数時間ののち、長勝は曳馬に帰ってきた。この時代の交通手段は馬か徒歩だが、出陣式の帰りなので、長勝や将は馬でもほかは徒歩である。加賀手取川付近から遠江曳馬城であれば、徒歩であれば数日はかかるが、曳馬車であれば夕刻には帰り着く。まぁ、時間帯によるが。


 このあと、小姓らを伴い、あの宗教の者たちと長島に向かう。完全なお忍びなのだが、内容がものすごく重い。三河の時も思ったが、浄土真宗からの改宗とは何事か?という事情だ。まだ、浄土真宗内部の宗派に改宗と言うなら分かる。


 この時代、浄土真宗の宗派は、本願寺派・高田派・佛光寺派・錦織寺派・毫摂寺派・證誠寺派とあり、宗派も幅広い。ちなみに、史実に基づくなら、本来あるはずの三門徒派は、三河にあったが今は無い。理由は聞かないで欲しい。


 連れて行く小姓の中に、木下勘右衛門がいるが、こいつは木下弥右衛門の実子だ。史実のように早死にしなかったからか、木下家の次男として生まれた。ちなみに、長男は武家にならず宗教家として生きるらしい。


 今回一緒にいるが、小姓ではない。織田家を滅ぼす脅威の一人のはずなんだが、どこをどう間違えたか、あの宗教の次代総帥の予定だ。初代総帥が弥右衛門なので、仕方ないと言えばそうなんだが、藤吉郎が総帥になった方が縁起が良いらしい。現総帥の嫡子で、長勝に赤子の頃に抱っこされた次代総帥として、すでに信徒からは崇拝されているとか。聞きたくない情報を得たことがある。


---赤子の頃に抱っこされたって

---そんなん言うたら結構いるからな


 色んな思いに蓋をして、豊臣秀吉が生まれないことに安堵することにした。これにより、織田家に脅威となる三人はいなくなった。徳川家康は生まれなかった。明智光秀は妹ツマキを除く一族もろとも死んだ。豊臣秀吉は武士にならなかった。まぁ、第三の明智光秀や豊臣秀吉が今後生まれないとは限らないので、教育(せんのう)は怠らないように注意しなければ。


 なお、武家としての木下家は存続する。先に述べた勘右衛門(史実の小一郎長秀)が後継者だ。名前は高吉。祖父と同じ名前らしい。父親の名前を長勝がつけたように装ったが、あの名前は史実に基づいたものだ。たまたまあの時名前がなかったからつけただけで、豊臣秀吉が天下を取ったあとに作った系図には名前が出てくるし、『尾張群書系図部集』にもそうあった。なお、史実の名前は秀長なのか長秀なのかの論争があるが、織田家臣時代は長秀で、豊臣政権下では秀長のようだ。織田信長の偏諱を下には出来ないだろうということらしい。


 閑話休題それはさておき


 数日後、長島城に来ていた。すごい大歓迎だ。織田木瓜とともに、あの宗教の紋が旗になってたなびいている。十芒星かぁ。格好も相まって、黒魔術師の集団みたいなんだよな。南蛮人がギョッとする様を面白おかしく伝え聞いたことを思い出す。


 ちなみに南海への出兵は南蛮人が、奴らに食ってかかったことが原因である。見た目で勝手に魔術師と勘違いしたらしい。ちょうど、欧州では魔女狩りの全盛期でもある。仕方ないと言えば仕方ない。


 喧嘩した連中には、通訳をつけて宗教の内容を説明したら、神道系の宗教だと分かってくれたが、あの宗教の奴らは各地で起こるその手の諍いに立腹し、日ノ本に南蛮人を上陸させないと立ち上がった。南蛮貿易は有用であると説得したが、貿易は続けるものの、宗教は立ち入らせないつもりで、どこか防波堤になりそうなところを聞かれたので、高砂国たかさくんを教えた。世界征服とか考えてもいないから。琉球まで抑えたとしても、それ以上どこかに出征するつもりはなかったのだが、どうしてこうなった。まぁ、仕方ない。奴らの勢いが恐かったとかでは、きっとない。


 それにしてもだ。本願寺派の城だからだろうか。下間何某が何人かいる。ほかにも七里、円山、寺内、八尾、平井、川那部、八木、松井などの本願寺家臣団が勢ぞろいだ。まぁ、それは良い。何故、お前がいる?茶々さんよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ