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別視点 そろそろ終いか

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

〜織田弾正大弼side〜


 父から弾上忠家を受け継ぎ、嫡男が生まれた頃に見た夢は、尾張統一であった。もちろん、主家斯波家は傀儡のまま、大和守家も伊勢守家も追い落とし、尾張守護代となるのが夢であった。そのために、財を蓄え、策を巡らし、大和守家や伊勢守家を手伝い戦に連れ出し、摩耗させて、すり潰す予定であった。


 そのために、西三河や美濃に小競り合いを仕掛け、その都度、武衛様にお伺いをたて、二守護代家を引っ張り出して、兵力と財力を削るつもりであった。


 そのため、最初の正室を側室に降りてもらい、六角家から正室を迎え、幼い五郎太郎の名から「郎」を外し、五郎太と改め、嫡男ではなくした。


 六角家との約束で、最初の子を嫡男とする約束であったが、初めに生まれた子がむすめでガッカリしたものよ。ん?花は笑っていたような。いや、記憶違いであろう。


 しかし、二年後に生まれた坊丸が成長するにつれ、吉法師を嫡男として良かったわ。女子おなごとして育てても良いように法師を幼通字のあとにつけておいたが、一応、男の子としても通じる名ではあるからの。まぁ、坊丸が生まれた時は、父と争うように会いに行ったがの。懐かしい。


 子の成長は早いもので、あっという間に三歳になり、吉と坊を会わせてからは、坊の成長が怖かったわ。あっという間に、饗談を掌握し、他から忍びを呼び込み配下にしおった。織田家も周辺もその手の内よ。


 本当は権六と美作を傅役にするつもりが、権六は畏れ、大学をつける羽目になった。大学も畏れておったのであろうな。年の功で見せなかっただけで。坊が見つけて来た剣豪に傅役の座をあっさり渡しおった。勘助が来てからは、美作もあっさり傅役を渡す始末。尾張統一のため、嫡子同士を競わせて、不忠者を炙り出す策が崩れたわ。まぁ、坊が怖すぎて、吉のもとに忠義者が集まったから良かったが。


 しかしのぉ。西三河だけに手を出し、大和守家をすり減らすつもりが、三河全土を手に入れ、大和守家を壊滅させたのは、すごかったのぉ。ふふ。「寝た子を起こしてどうなさる」か。確かに、儂のや五郎の才覚では、九英承菊は抑えられんかったろうな。外交においてだいぶ、煮え湯を飲まされたからの。あのような鬼才には本物を当てがうに限る。あやつの優先事項は弟子であった。権力掌握と勘違いしておった儂であれば、あっという間に西三河も手放すことになったであろう。そうなると、不遇の長男も死んだか虜囚であったろう。


 坊には救われたが、怖くもあったわ。儂の夢であった尾張統一もあっさりとやりおった。傀儡とするはずの武衛様もあっさり坊のもとに行って、尾張守となったが、美濃に目を向ければ、そちらにも鬼才がおった。鬼才と鬼才に挟まれた儂のなんと運の悪いことか。まぁ、本物の鬼が生まれたことは、運が良かったと思うしかあるまいの。


 ふむ。もう、起き上がれぬか。そろそろかの。尾張統一してからは、儂は何を目指して良いか分からなくなっておった。仕方ないから、尻を追ったがの。仕方ないことなのじゃ。良い尻が有れば追いかけるのが、男のさがよ。


 気がつけば、尾張は豊かになり、女子おなごの尻も綺麗になった。北伊勢には手は出したが、本願寺も北畠もおって、桑名もあるから、手こずったが、まぁまぁの戦果であろう。まぁ、あの鬼は東海探題とかいう聞いたこともない役職について、本当に東海道を制しおったがの。


 子の成果で、上がる官位も官職も空いものよ。弾上台の最上官位まで昇ったが、そんなもの夢にも思わんかったわ。行って少忠だと思っておったのに。


 越前の本貫地?そんなもん、考えたことも無いわ。美濃の鬼才ですら梃子摺る照葉宗滴がまだ生きておるのだぞ?儂より三十四も年上なのに。あれが生きておる限り、無理じゃろう?


 ふぅ。眠くなってきた。もう、目が開かん。しばらく、寝るかの。

織田信秀に死には諸説ありますが、本小説では、Sex依存症による早死にを採用しております。種馬種馬と散々いじり倒した理由も、実はこの死因に導くための伏線でした。

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