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第九話 出陣は三月

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 常備軍の利点として、いつでも戦が起こせると言うものがある。この時代の兵力は基本的に農民兵なので、田植えや稲刈りの時期に合戦が起きても、思うように兵は集まらないし、集まったところで田畑が気になって士気が上がらない。


 小氷河期と呼ばれる戦国時代の田植え時期は、令和の早場米とは違い、だいたい五月中旬から六月で、稲刈りは九月から十月だ。つまりは、ほとんどの大名の合戦時期は六月末から八月いっぱいと、十月末から雪が降るまでの時期になる。


 田植え前に戦を起こすことは可能だが、田畑が荒らされることを嫌う為、その時期にはしないという固定概念がある。しかし、東海探題軍は、戦後荒れた田畑を復興するところまでが、軍事行動にしてあるので、相手が何と言おうと、出陣をする。


 まぁ、いきなり、攻めたりはしないが、小競り合いの責任を求めて、宣戦布告する。謝罪とか要らない。謝罪の使者が来たところで、遠江に来てもらって、しばらく会わず、その間に合戦が始まって終わるというかたちになる。


 その為、今回、長勝は遠江から動かない。幕府から調停の使者が現地に行っても同じ対応だ。謝罪の使者とは違い、のらりくらりと会わないということはしないが、現地に行って、「決定権はこちらにはありませんから、遠江の殿に聞いてください」と促して、幕府の使者が遠江に向かっている間には、合戦は終わっているだろう。


 姑息と言う勿れ。こちとら、伊達・南部を滅ぼすまで、合戦は終わらない。途中で止めようとする輩を相手にしないだけだ。北海道にいる建設業関係者である常備軍予備兵は動かさないが、関東・北陸の国守軍と海軍は動くので、徳川の関ヶ原とか豊臣の北条征伐とかの比ではないくらいの兵力が伊達と南部に向かう。おそらくもって一ヶ月だろう。


 謀略はほどほどにしている。伊達・南部の影響力は出来るだけ削りたいのと、今までの武家の在り方である一所懸命を消す為、国人の取り込みだけは積極的に行ったが、これまでのような小角衆中心の内応・返り忠は多くない。まぁ、すでに臣従している蘆名・最上・佐竹・岩城・相馬からの同族救出に関する内応があるので、半分は行かなくても三、四割がこちらにつく。これだけでも十分に多いと言えよう。


 それが終われば、再び、内政期間になる。親父が亡くなったら、しばらく喪に服するとしよう。その後、どうするかはまだ決めていない。


 織田本家がこれ以上、侵攻出来ないのであれば、こちらが主体となって動くが良かろう。もともとは姉信長の影武者として生きるつもりだったのだ。姉には面白おかしく生きてもらって、対外的には、織田信長を名乗るのも良い。その場合、役立たずな柴田とか佐久間とかは先頭に立って削るがな。林本家も役立たずではあるが、東海探題家には分家があるので、内政官として本家分家交代して生きてもらおう。


 東海探題家が主体となるなら、まずは飛騨・越前か。飛騨は昔の大義名分を掘り起こして攻めよう。越前は、本願寺派の駆逐か織田家本貫地の奪還かを大義名分にできる。美濃は、道三親子をどうにか内輪揉めさせて、道三復権を名目に侵攻し、親子ともども死んでもらって、娘婿名義で美濃支配というのが妥当だろうか。


 夢はますます広がるが、まずは、北に集中しよう。とはいえ、長勝自身は遠江で、山積みな書類仕事に明け暮れるだけだが。

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