表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/219

第八話 大寧寺の変への布石

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 東海探題領の家臣団は貫高制を採用している。故に、誰が第一功となっても、貫高が上がるだけで、土地が与えられるわけではない。新しく東海探題領になった土地は、東海探題家の有する組織によって、農政・商政などの改革が行われ、最高の経済状況になって、貫高という形で、家臣に分配されている。


 これが、今までの武家とは大きく違うところだ。実際に、本貫地という名目で、令和の時代で言うところの、知事のような役職としての○○国守目代とはなっても、政を行うのは、その人本人ではなく、農協のような組織と商工会のような組織が、ガンガン進めてくれる。これらを決定しているのは、遠江にある曳馬城での大評定であり、評定衆である。


 長勝の最終的に目指すところは、中央集権と地方分権の政治体制であり、朝廷は解体しないまでも、まつりごとの一部として組み込むことを考えている。天皇に絶対的な権力を与えないまでも、日ノ本の象徴的な、いわゆる太平洋戦争後の天皇家の在り方を求めるつもりではある。その背景に、武力という野蛮な力関係があったとしても、政治家としての武家も政治家としての公家も残すつもりだ。


 もちろん、三大臣の密談は耳に届いているが、どうなるか分からない不安は誰しもあるものとして、聞き流した。そのせいなのか、朝廷からこられた三人はややぎこちない態度である。借りだと思っているなら、ちょうどいいから、駿府に造る外内裏の設計顧問という名目で、大内に向かうはずの人員を全員、こちらに寄越してもらおうか。


「ひとつ、きな臭い話がございます。」


 三大臣ともに、ビクっと、波打ったのが、面白い。あんたらを責めるつもりはないから、安心して。


「周防のあたりで、よくない兆候があるようです。方違かたたがえとして、今年は駿河で外内裏設計の監修をしてくださらんか?」


 あからさまに、ホッとするな。大寧寺の変が起きたらきっと、震え上がるから。借りを返したつもりが、取り返しの効かない大きな借りになると・・・ね。


 その後、三人の密談などに触れず、宮家創設の話を詰めて、大量の土産も渡して、お帰りいただいた。なお、九条家再興は左相府の弟君が、鷹司家再興は内相府の弟君が還俗して当主となってもらう。


 さすがに、大内との繋がりを考え、誰も行かないわけにはとか言ったので、来年でも良くないか?と提案して受け入れてもらった。まぁ、来年には大内義隆はいないので、さらに震え上がってもらおう。


 その大寧寺の変だが、間違いなく起こりそうだ。まぁ、こちらも起こるように手は打ってあるし、問題はない。こちらに引き込みたい武将は天野兄弟くらいだが、兄貴の方が陶の協力者だし、元就の重臣の甥で、元就の重臣(桂元澄)の義兄(妹が正室)なので、無理だろう。弟だけでも救うか。あとは名前しか残ってない武将だし、いつものように拉致る必要はなかろう。大寧寺自害の直前の夜半くらいにしか、接近出来る機会は無いし、大内さんたちには諦めて頂こう。


 ただし、毛利元就の台頭はさせるつもりはない。すでに、日ノ本全ての海賊衆は織田海軍の一員となっている。三好と大友とか河野こうのとかのもともと大名家の軍配で創設された海賊衆は残っていても、村上水軍とか熊野水軍とか十市水軍とか宇多津水軍とか松浦水軍とか坊津水軍とかはすでに配下になっている。だから、厳島の戦いは起こらない。


 まぁ、起こさせても良いが、その場合、史実のような毛利元就の台頭にはなるまい。史実を知るという知識チートも活用しだいと言えるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ