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第七話 小競り合い

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 「戸部侍郎殿、以降はどうなさる?」


 勅の話も終わったが、話が重い。何を期待しているのか。天下についてか、朝廷についてか。御幸の話が出る時点で、足利に対する見切りはつけられていると見て良いが、依然として、京は織田以外の支配下にある。なんと答えるべきか。話を逸らすか。


「内相府様、上野・常陸・上総の件、内蔵頭様からお聞きでしょうか?」

「聞いておる。一部を献じて、公家の荘園とする話であろう?」

「さようにござりまする。この度、東をひとつにすること、認めてくだされば、さらに一歩進めてみてはと存ずるが、いかがでしょうか?」

「進めるとは?」

「東宮様のご舎弟様が、比叡山に入ると聞き及んでおりまする。また、東宮様に次子が出来れば、同じことが、起きましょう。であれば、こちらでついえを出しますので、宮家を立てては?と。」

「「「なんと」」」

内親王ひめ様も、門跡に入らぬよう、費えを出す所存。いかに?」

「「「むむむ」」」


 音もなく、何者かが近づき、障子に影がさした。影守や護衛体制が万全な状況であるので、注進だとは分かるが間が悪い。まだ、お三方がいらっしゃる状態だ。


「ご歓談のところ、申し訳ござりませぬ。」

「勘蔵か、控えよ。まだ、御成遊ばせておらるる。」

「よいよい、戸部侍郎。一度、右相府、内相府と退室いたそう。先ほどの話の続きはあとでの。」

「ははっ、ご配慮、痛み入ります。」


 そそと、お三方が退場なされた。やや遠めの控室にお送りし、へやに戻ってきた。同じ武家であれば、自身で見送りなどしないのだが、流石に勅使であり、最上級官職のお三方となれば、案内あないにも気を遣う。


 近臣の水窪孫九郎に、私室から脇息を持って来させて、やや寛ぐ。身分の高い方々を相手にすると肩が凝る。島津又四郎が肩を揉んでくれる。孫九郎でも良いのだが、強制的に矯正したせいか、元々の地力か、こいつが肩を揉むと逆に肩が凝る。


 脇息をわざわざ私室から?と思われるかもしれないが、時代劇などで、上座で偉そうに貴人(将軍や公家)が使うところを見たことがあるかもしれないが、あれは間違った認識によるものだ。本来は、私室で寛ぐ時や寝室で寛ぐ時に使われたものだ。決して、こんなところで使うものではない。ないのだが、ちょっと心を休めながら、話を聞きたいと思っても悪くはないだろう。それだけ精神的に疲れたのだ。


閑話休題(話を戻そう)


 勘蔵が持ってきた情報は、今一番欲していた大義名分である。まぁ、そうなるように、挑発はしていたし、そうなるように流言もしていた。どちらかでも良かったが、両方とも動いたようで、ありがたい。これでようやく、南部と伊達を滅ぼせるというものだ。


 族滅までは考えていないが、伊達は少なくとも稙宗も晴宗もいらぬ。喧嘩両成敗が妥当だろう。南部は現当主があの「三日月の 丸くなるまで 南部領」のあの人だ。有能だが、勇猛だからな。死んだら死んだで良いか。後継も今いないし。


 さぁ、北へ向かうとするか。

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