表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/219

第十四話 側近も教材、父も教材

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 父親が突然、史実にないことを始めた。斉藤家との同盟を重視してか、甲斐信濃からの侵略がなくなったからか、遠山家との縁戚を切りやがった。斉藤家は重視しなきゃいかんのかね?東海探題家で加賀の手取川まで押さえたから、美濃→飛騨→越前に抜けてもそこまで被害は出ないだろうに。


 あ、あれか。斉藤山城守の毒殺とかを警戒してるのか?うーん。それなら納得か?織田家で大垣を押さえているが、北近江を通って、越前に入る道筋は今は無い。天文十一年に浅井備前守が亡くなり下野守が後を継ぎ、それこそ東海探題家の甲斐信濃遠江駿河攻めの直前に六角に下野守が正妻の小野殿を質に出して従属したことで、北近江を取って越前に迫る道筋が消えた。


 それなら、信濃路を通って飛騨に入って、越前を目指せば良いが、飛騨三木氏と斉藤家は婚姻同盟。つまり、飛騨攻めをすれば、斉藤が動かないなら良いが、敵に回ったらたまらないから、遠山家との縁戚を切ってお好きにどうぞ。という感じか?


 平和主義的な考え方なら、そんなことをするくらいなら、大垣を割譲して、貸しを作ればとか言われそうだが、父も自分も戦国に生きる者。そうは問屋が卸さない。自身の部下や兵をすり減らして、手に入れた土地を同盟強化のためだけに土地を譲るなんてできはしない。それこそ、土地を譲るなら別の土地が手に入る前提だ。今回の関東攻めにおける長勝の武蔵割譲はそれに当たる。


 ならば、自分の土地ではないところを譲るしかないが、そんな都合の良い土地があるはずもなく、婚姻解消で都合よく敵でも味方でもない国人を作ったというところか?


 でも、そんなことをしたら求心力は無くなるだろ?それとも、もう狂い始めたかね?史実でも信秀は晩年に色々とおかしくなる。これは、さまざまな陰謀説があるが、死の翌年まで子どもが生まれた種馬さんだ。信長の敵を釣り出すための擬態だったんじゃないかと思っている。


閑話休題(話を戻そう)


 どんなに理由を考えようが、遠山家と織田家の縁は切られた。これを知ったのは、親父からの情けない手紙からだ。内容を要約すると「かわいいかわいい妹のお艶から嫌われた。たぶん、そっちに行くから、なんとかしてくれ」というものだ。自分を棚に上げるが、織田(うち)の人間はシスコンが多い気がするのだ。まだ生まれたばかりだが、姉信長はお市を溺愛しているらしい。


 さて、目の前には艶おば・・・ねーさんがいて、真横には、一目惚れしたと思われる小五郎がいる。お前もロリコンか!とかは思わない。史実じゃ、家康の命令とはいえ、桶狭間の戦いで未亡人になった家康の叔母を三年の喪が明けてから妻にして嫡子を含めた子どもを数人産ませた人だ。


 さて、どうしようかね。親父にはなんとかしてくれと言われている。はぁ、ため息が出る。ただ、出戻り(戻された場合も)の女性は、家臣に嫁ぐことが多いし、小五郎でも良いんだが、さすがに陪臣とか考えてないだろうから、有力家臣となると、最近妻が亡くなった柴田権六郎か。あそこ子どもいねーし、ちょうど良いのかもしれないが、なぁ。


 ふむ。なんとかしてくれか。許してもらえるよう取り計らってくれとだけ解釈したことにするか。親父としては、お艶に許してもらえるよう取り計らってくれ、そして、可能な限り早めに尾張に戻るよう言ってくれってことなんだろうが、具体的に言わない方が悪い。きちんと言わないと伝わらないんだという、姉信長の教材になってもらおう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ