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別視点 婿探しと立候補

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

〜織田艶side〜


 はぁ。あのくそ甥(二歳年下)とくそ兄貴め!甥っ子が信濃を取ったからって、遠山家と離縁させなくても良いじゃない。私は兄貴の駒じゃないのよ?元旦那も元旦那よ!「はい分かりました!」じゃないわ!それじゃ、早晩裏切ります!って言ってるようなもんでしょ!父か甥に滅ぼされるわ!馬鹿みたい。


 あ、でもその原因となった甥っ子に文句を言ってもバチは当たらないわよね?甥っ子は遠江にいるのね。行ってやるわ!文句言ってやるわ!なんで、あんなところに砦なんか造ったのよ。元旦那がめっちゃ怖がってたじゃない。


 はぁ、なんで、あの元旦那はなよっちいのかしら?姪っ子のお吉とか甥っ子の嫁のお虎のほうがよっぽどおとこらしいわ。女より漢らしからぬ旦那って本当に男なの?


 はぁ、ダメね。兄貴はあれで、男らしかったから、婚姻に憧れてたけど、兄貴と比べたら他国の男なんてつまらないわ。


 でもね。出戻りって、汚点なのよ?主家のために嫁いだとは言え、兄貴にそんな汚点つける権利はないと思わない?ねぇ?まぁ、でも、兄貴にも次期当主の姪っ子(同い年)にも文句は言えないから、言うなら分家当主で年下の甥っ子よね?


 ということで、遠江に来たけれど、なんだろう。兄貴頑張れって応援したくなったわ。こんなに豊かな国を造れて、こんなに兵力持ってて、こんなに民に慕われてるのに、本家当主になりたくないって、兄貴かわいそうなんだね。


 ごめんね。めっちゃ、罵ってたけど、曳馬の城、マヂなの?那古野より大きくない?兄貴、姪っ子ちゃん、あなたの息子やあなたの弟くんは、どうして当主になりたがらないの?君たちかわいそうなんだね。本当に、色々ごめんね?


「たのもー」

「いや、道場に来たんじゃないんだから、それ、やめてもらえませんか?お艶お・・・ねーさん」


 あら?叔母さんと言いかけたかしら?お仕置きよ?この子は家族大好きな良い子だから、兄貴似で、姪っ子と瓜二つな私に強く出られないのよね。だから、昔から色々わがまま聞いてもらってたから、色々許してたけど、おばさん呼びは許さないわ。


「おばさんと言いかけた?」

「いえ、そのようなことは!」

「言いかけたよね」

「違いますよ?違いますから!」

「ふーん。あなたのせいで、離縁することになったけど、それについては?」

「すいません」

「責任は取ってくれるの?」

「・・・。できる限りの優待はしますが、その・・・。」

「まぁ、それで良いわ。できれば、婿を見つけて欲しいの。」

「ぐぬぬ。」


 ぐぬぬじゃないわ。そんなこと、現実で言う人見たことないわ。少し年上とかで側近の未婚の誰かを選びなさいよ。最悪、若ければバツイチ子持ちでも良いわ。そしたら、許してあげる。この子、織田家の中でも断然に突出した男前なのよね。もちろん、この子の周りの子も。将来有望で、この子の役に立ちそうな家の子でいいわ。


 あら、だめね。この子は女でも自立している子にしたいみたいな、夢みがちなことを言う子なのよね。そんな甥っ子の役に立ちたいじゃない?どうせ、兄貴の用意する次の婿候補は、ジジイか子どもでしょ?そんなの嫌よ。まだ若いんだから。少し年上くらいの人が良いわ。せめて五郎三郎より年下が良いわね。そんな人いるかしら?いたら、私にちょうだいよ。


〜酒井左衛門尉side〜


 殿が部屋から突然駆け出し、城の外まで飛び出したかと思えば、女性にょしょうと話しておられる。やや?!織田三郎様か?!と思いきや、違うようだ。そうそう、我らはついに坊丸様を「殿」と呼べるようになった。まぁ、心の中では「神」と呼んでおるが。


 殿はすごいお方よ。三河を五年で六十三万四千七百七十四石にされた。統治され始めた頃は二十万石ほどじゃったのに。目標の百万石までは少し遠いが、米以外の収入を入れれば、とうに百万石など超えておる。


 目標は八年じゃった。それを五年とは、まさに・・・、ぐぬぬ、殿がこちらを睨んでおる。何故じゃろうな、我らが心の中で「神」と呼ぼうとすると、いつも睨まれる。じゃから、おらんところで呼ばねばならぬ、心の中でも。


 それにしても、三郎様もそうじゃが、このお艶殿もたいそうお美しい。三郎様は対外的に男として扱わねばならぬし、言えないことばではあるが、本当にお美しい。


 ぬ?婿取りじゃと?!わしではダメですか?殿。某の弟や将監の叔父上には弟君(長勝が育てている庶弟)を養子にせよと仰られていますよね?無精子症とかいう子どもができない病だからと言って、わしはそうではないから頑張れとも言われましたが。わし本家の後継なのに、肩身が狭いんです。せめて機会だけでもくれませんか?ダメなら諦めますから、思いを告げさせてくださいよ!


 殿?なぜため息を?そして、何故睨むし。ぐぬぬ。押さば押せ、引かば押せで行こうか。うむ。それで行こう。

本文中の「バツイチ」について

本来なら出戻りという時代に沿った表現が正しいのでしょうが、バツイチとは、戸籍に離婚したことを示す×が1つ付いているという状態を単語化したのが始まりです。尾張・東海探題領では、バツイチという言葉が生まれる程度には、戸籍が浸透していると思ってください。


「ダントツ」の「断然に突出した」の差し替えについて

ダントツは断然トップが元なので、この差し替えは間違えなんですが、元々このことばを使おうとした理由は別にあって、本章後の幕間(4/19・4/22更新分)が、坊丸教信者中心の話となっており、坊丸教は坊丸語録が経典となっている宗教なのですが、もしかしたらこの人も信者なのでは?という伏線だったのです。しかし、違和感を感じると誤字報告されたので、坊丸語録に書かれているダントツの意味を使って差し替えさせていただきました。

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