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第九話 三公一蔵六民

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


いつも応援ありがとうございます。

残念ながら、第三回一二三書房大賞は一次止まりで二次は落選しました。まぁ、今後も書いていくので、よろしくお願いします。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 東海探題家の年貢米税率の変遷を見ていくと、三河統治の初めの頃は、五公五民とほかの国と比べても大して差のない税率であった。それが一年後には四公一蔵五民に変わる。この一蔵というのは、一年ほど年貢米などの税を蓄えておき、有事の際に、民に使おうと長勝が考案したものだ。この一蔵の中身は、年が明けて三月くらいに半分を種籾にする。そして、次の年貢の徴収後に、中身を新しいものと入れ替えて、残り半分を兵糧米としてさらに一年備蓄され、その後、清酒作り・味醂作りなどに利用される。


 小氷河期と呼ばれた戦国時代でも、虫は湧くし、かびも生えるが、適切な温度管理と適切な処置さえすれば、古米でも食える。さすがに、収穫後の十日程度は縁起物として新米を振る舞ったりはするが、東海探題家の武家は古米を食すのが通例となった。これは江戸時代の貧困武士のことばであるが、「武士は食わねど高楊枝」を例に出して、武家の生き様を刷り込んだ結果だが、どうしても新米が食いたければ、領民に頭を下げて買えと言ってある。


 そもそも、東海探題家は、肉食を推奨しており、米も野菜も魚も肉も食卓に上がる。米だけ食べて腹いっぱいにする必要はないのだ。そのためか、脚気も随分と減った。まぁ、通風は若干増えたが。


閑話休題(話を戻そう)


 東海探題家の税率の話に戻る。四公一蔵五民は翌年には、三公一蔵六民になった。東海探題家が湊を占有し鉱山などを直轄しているからである。つまり、年貢以外からの税収が大きくなったからである。だからと言って、これ以上、税を下げるつもりはない。


 しかし、領民に残るのは六割だ。この時代だとありえないほど税が安い。ひどい税率のところだと、六公四民や七公三民はざらだ。そういうところは、合戦を仕掛ける大名が多い。領民を食わせる為、合戦で略奪したり奴隷狩りをしたりして他国から利益を持ってきていた。まぁ、それをよくやっていたのが、甲斐武田や越後長尾(上杉)なのだが。戦国時代だけかと言えば違う。統一政権を築いた豊臣政権下の税率は二公一民だ。元が農民なので、一揆の起きないギリギリの数値らしい。


 そういう税率の高い国からは流民が多かった。三河時代は近隣だと甲斐・武田に攻められた後の信濃だろうか。そうなると、甲斐からも信濃からも流民が増える。民が減るということは、税収が減るということだ。そういう意味でも、甲斐武田からは敵対視されていたに違いない。


 流民勧誘は、以前にも述べたが、ほかでもやっていたので、甲斐・信濃・越後出身者が多かったわけではない。ただ、南蛮交易が始まったのか、最近は九州の民が多い。民だけなら良いが、あ、いや、これは別の機会に話そう。


 南蛮交易で奴隷になった者も多い。それらは、小角衆から奴隷売買があった場合はその情報を得て、奴隷売買した南蛮船団だけを掠奪させている。こちらの南蛮船(ガレオン級)と黒船でも沈められるとのことで、良い実践経験が積めていると報告を受けている。もちろん、偽装工作はしているし、旗艦に掲げている旗はステュアート朝の国章を掲げた船とモスクワ大公国を掲げた船を用意してある。モスクワ大公国はそろそろ国名がロシア・ツァーリに変わる頃なので、天文十六年までモスクワ大公国、天文十七年からロシア・ツァーリ国の国章を使う。


 ポルトガルやスペインが騙されて、そちらの国々と戦争になるかも?そんなのは知らん。そもそも襲われた者たちは海の藻屑だし、なるだけ日が沈んでから襲う訓練をせよと通達してあるので、たぶん大丈夫ではなかろうか?

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