第六話 便利な壁(万里の長城+ベルリンの壁)
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楽しんでいただけると幸いです。
また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)
なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。
今回は一夜城ならぬ、一夜長城を作ってしまった。どこぞの異世界転生にある自重を忘れた○○様(貴族)みたいなことをしてしまった。オタクなんだもの、出来るんだもの、やってみたくなるよね!誰しもあるでしょう!異世界に行ったら言ってみたい台詞五十項目とか、やってみたいこと三十項目とかあるよね。あるはず。あるべき!!
---はっ
---興奮しすぎた
ただ、残念ながら、編集の階級が上がってしまった。上級神らしいよ。うん。見てない。忘れよう。
今回、虎に北陸攻めを任せたけれども、本来の姉との取り決めでは、北陸要らないんだよ。尾張・美濃・飛騨・越中を一つの線として見立てた時、そこより西が姉で、そこより東が某がという取り決めを三つの時にした。「三子の魂百まで」と言って約束したのだ。
虎は姉とも仲が良かったはずだから、この約束のことは知っているかもしれないが、虎の亡き父の野望的には北陸必須だったはずだから、越後の国人たちが、北陸を諦めるかと言えば、無理じゃないかな?
ということはだよ?これ、諦めさせるには、分かりやすい壁とかが必要じゃないかね?ここで区切りですよー的な。
とは言え、虎さんよ。さすが史実の軍神だよ。早いわ。黒田が本願寺派を手取川以西に追いやったのに、もう手取川を渡って東に進もうとして、わらわらと蝗のように広がりつつあった本願寺派の農民兵を、虎たちが一当てして手取川以西に追い払ったよ。まさか、間に合わないとか思わなかったよ。でも、守備兵置かないんだね?もしかして近づいて来ているのに気づいた?まぁ、仕方ないから、手取川で区切るしかないよね。
※虎千代は、先に一向衆を追っ払って、能登方面へ向かいました。長勝の存在には気づいていませんが、感じたのかもしれません。
※別視点の柿崎の見たものは、北陸征伐後のものです。
壁とは言え、最初から長城を造るつもりなんてなかったのだよ?砦を手取川沿いに数ヶ所作って、幾つかの砦の並びを線として境目にするつもりだったのさ。でもね、砦を一ヶ所作るたびに、またわらわらと蝗のように湧いて出てくる一向衆に対して、最初は生かさず殺さずと、要は四肢のどこかを骨折させて、手取川以西に放置していたのだけれど、怪我人くらい治療してやれよ。怪我させてる立場で言うことではないけれど、痛がってる人を放置して砦に群がるな。ここ造ったばかりで、餌無いんだけど?
と言うのが、長城を造るきっかけとなった出来事。でもね。昼間に造ったら、また群がるわけよ。仕方ないので、日没から開始しましたよ。まずは、手取川に工作を。元は浅いところは、一応歩いて渡れなくはない深さだった。それを、どこもかしこも深く浚渫した。
そもそも、手取川は東海の天竜川並みの暴れ川なのだ。名前の由来も、倶利伽羅峠の戦いの後、平家軍を追う木曾義仲軍が篠原の戦いを前に、増水して濁流の川を渡るとき、多くの兵士が互いに手に手を取って流されないようにして渡ったからとも、氾濫のたびに渡るのに手(間)取ったからとも言われる。つまり、そういった川は流れを時代によって変えているわけで、過去に川があった場所は、それなりに広い。山裾はそこまでないが、河口はそれこそ町が一つ二つ入りそうなほど広い。ひとまず、今の流れを基準に川を浚渫、その横に川幅より少し高い壁を造る。壁は真っ直ぐではない。上部は少し反り返っており、登れない。というか、某自重忘却の大量加護持ち主人公がやったような、魔法のような土木スキルで一気に作っているので、表面に突起がないため、登れない。
壁の上部は、万里の長城と同じく欄干を作り、六町ごとに敵台を造る。欄干は兵たちの移動を考えて馬車がギリギリ二台すれ違う程度の幅。壁の中層には、兵士が数人入れる部屋と倉庫及び廊下や領地側に繋がる階段を造り、階下から荷物を昇降できるように滑車もついている。手取川に向けての壁には、窓があり、矢や鉄砲口となっている。敵台の真下に当たる部分は、やや広いため大砲が置ける部屋になっている。
手取川の全長は、距離にして六百六十町あるが、白山辺りでは山越え阻止のための壁となるだけだろうから、敵台(屋根と暖房設備付き)と中層の部屋(もちろん、矢窓・鉄砲窓はある)以外は作らず、山裾から河口までが、一向衆の移動阻止防壁となることを想定した。
手取川には伸縮折畳式跳ね橋をかけることを想定して、川の壁側中ほどまで水位ギリギリの高さで、橋の支柱となる部分を造る。水位が下がれば、分かるのだが、そこは今は気にしない。経済的な事を考えれば、移動不可とはしたくなかった。
これらを造るのに、使う技能は、編集・広域地図・河や山での行動・技能使用効果を上げるものなどを利用して、六十六町の距離を夜間に一気に造った。そしたら、なぜか一向衆らが膝をついて拝んでいる。黒田の北陸制圧軍が来る時に逃げなかった狂信者たちだが、今からなら改宗してくれないかな?あの名前を言いたくない宗教に。
大変申し訳ない。第五話が抜けておりました。別視点の前に追加してあります。