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別視点 こんなはずではなかった

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

〜黒田和泉守side〜


 信濃守様の頃は良かった。何度も負けたが最終的に勝ちを導いてくれた信濃守様はもういない。戦いに明け暮れる日々が懐かしく、栄光の日々が今はない。


 それもこれもあの弱腰左衛門尉が長尾を継いだせいよ。確かに、領内の整備は必要だし、民を豊かにすることで、強い国力に繋がることは理解しておる。が、しかし!敵対者に手を差し伸べ、宥和政策を行う事は違うのではないか?


 隣国となった東海探題家を見よ。敵対者は滅ぼし、忠義を尽くす者だけを家臣として生かしておるではないか。まさに、儂の理想とする国主の在り方よ!


「ならば、和泉守様が国主となって、信濃守様の頃の越後を取り戻せば良いではないですか!」


 ふむ。家臣の言うことはもっともよ。我らの手で、左衛門尉を駆逐し、信濃守様の頃の長尾を取り戻そう!


 ちぃ。腰巾着の弟二人はおったが、左衛門尉がいないとは。まぁ良い。腰巾着は殺せた。あとは左衛門尉だけよ。


 な、なんだと?!なぜ、守護様が左衛門尉ごときを庇う!ええい!ならば諸共に死ねぇい!


 はっ?!違う、違うのだ。守護様まで殺すつもりはなかったのだ。


「しかしこれで、信濃守様に並びましたな。」


 ふむ?確かに信濃守様は、守護様を二人殺したの。しかし、信濃守様と違うのは、家臣が離れたことよ。中条も大川も本庄も鮎川も色部も黒川も小島も柿崎も甘粕も飯盛も唐崎も斉藤も鴨山も神藤も永井も安田も金津も新津も新発田も長沢も加地も神余も竹俣も山本寺も千坂も小国も山岸も直江も吉江も志駄も北條も登坂も越前守も安田も水原も平子も全員いなくなりよった。


「北が無理なら西に行けば良いではないですか。信濃守様の影響力が残る越中に、能登に、加賀に。」


 ふむ。越中か。はて?能登や加賀もか?いや、この臣が間違えているはずなどない。左衛門尉も守護様もこの者の言う通りに倒せたのだ。さぁこう!


 な、な、な、なぜじゃー!信濃守様の春日山城が、直江どもに奪われてしもうた!これから、どうすれば良い?雪が積もって戻れはしないが、春に取り返せば良いか?のぉ、どこへ行った、我が忠臣よ。いつものように答えてくれんか。のぉ、のぉ、のぉー!


〜畠山左衛門佐side〜


 ようやく、目の上のたんこぶが死んでくれたというのに、黒田某に越中を奪われた。寵愛する家臣たちを次々と送り出したのに、帰ってくるのは首ばかりじゃ。許さんぞ、黒田ぁ。仕方ないから、たんこぶの重臣たちを使うしかあるまい。


 内政?馬鹿言え、まずは黒田を倒して・・・攻めて来ただとぉ?早くないか?勢いで攻めるなぞ、蛮族か何かか、黒田は。くぅ、たんこぶの作った城なぞ信用できるか。どこに逃げよう?加賀には駿河の叔父上がおる。あっちに逃げれば、当主の座を奪われる。仕方ない北に逃げるか。


 どうした?たんこぶの重臣たちよ。なんだ七尾で黒田を食い止めてくれるのか、思ったより役に立つではないか。良いぞ良いぞ。ともに滅びてしまえ、このくたばり損ないどもが。


 そもそも、たんこぶの忠臣を謳うなら、殉死してしまえば良かったのじゃ。うん?どうした。肩を掴んで、痛いのじゃ、離せ、離さぬかぁ!いやいやいや!刀を向けるな。は、話せば分かる。主君じゃぞ?お前らがわしを嫌うていようとも、主君じゃぞ?殺しては悪名を背負うぞ!


 そ、そうじゃ、離してくれたか。うん?なんじゃこの行李は?え?舟を用意した?その舟で若狭を通って、京へ行け?ほ、本気か?わし、死んでまうやろ?ん?大丈夫?なんでじゃ?痛い痛い掴むな!肩から手を離せ。いやいやいや?!押すな!!こんな人がひとり乗れるかどうかの小舟で海を渡れと?!馬鹿も休み休み言え。だから!死んでまうやろー!


 なんでこうなったぁー!

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