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第四話 関東諸家の動き

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。

本日はほぼ会話文のみ。読みづらかったらごめんなさい。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 坊丸は勘助との研修参加の話を打ち切り、半三に話を振った。


「半三、どの国の誰が動きそうか。武家の名前だけで良い。」

「はっ、相模は宅間上杉兵庫助・左衛門佐親子。武蔵は深谷上杉・扇谷上杉。上総・安房は真里谷武田・庁南の両武田。下総は古河公方。上野は山内上杉。下野は宇都宮・皆川。常陸は佐竹。」

「佐竹が動く?佐竹は将軍家と同格の河内源氏。佐竹が古河公方の下に付くか?古河公方は将軍家の庶流。流石に古河公方の下には付けんのではないか?」

「嫡男次郎の確実なる家督相続の為、次郎の独断で動くようでございます。」

「しかし、佐竹は動けんだろう。右馬権頭が病に篤い。そして、そろそろ死ぬ。四月九日くらいか?」

「ほぅ。」

「あ、忘れてくれ。」

「はっ」

「あー。佐竹の東南北庶家は別として、山入系や石塚系の一門とは争っていたか?」

「東西南北の庶家(西家は小場氏)も万が一の際には、喪中に攻め入る不孝者となると反対しており、その事も家督不確かな理由となっております。」


---そんなに粗忽者だったっけ?

---全くイメージに無かった


「庶長子がいるとは言え、嫡長子であろう?家督相続に不安がある理由が分からん。」

「若さですな。」

「若さの一言で済まして良いのか?しかし、ふむ。ならば出陣まで、右馬権頭の死を隠せれば出陣するか。火鬼・因心、可能か?」

「「造作もなし」」

「その方らの幻術で次郎着陣まで隠し通せ。死体の状態保持に幾人か連れて行って構わん。」


---鬼義重誕生まで二年

---佐竹次郎が死ねば、生まれないか

---惜しいが、仕方あるまい

---生き残ったところで

---不孝者の子は宗家にはなれぬ


「名の上がらなかった、那須・結城・小田・鹿島・千葉・里見はこちら側か?」

「那須・結城・小田・千葉は臣従。里見は義兄である上野の長野様と義父土岐様からこちらに着くよう言われたようですが北条との事があるので中立。鹿島はこちら側とは言い切れませぬ。鹿島は内輪揉めに忙しく。」

「ほぉ?土佐守どうしたい?残した方が良いか?」

「同じ武芸者として、武芸に生きる者は救ってやりとうござりまする。」

「自領となった国には三河のような学校を作るから範師・教師は不足しておる。武芸者は出来る限り救おう。鹿島に残りたい者は諦めよ。」

「はっ、武家としての鹿島は不要かと存じます。」

「よし武家としての鹿島は滅ぼす。鹿島は海から焼き払えば良いか。両武田と鹿島は海軍にやらせよう。里見と千葉は狙わぬよう厳命せよ。」

「はっ。それと、桐生・佐野・岩松・渋川もこちらに就くと。」

「は?その四家は足利家の被官であろう?佐野家は桐生先代の次男が次期当主。さらに言えば、桐生先代は佐野家先代の弟であろう?」

「佐野家は先々代の、桐生・渋川は当代の判断、岩松は家老横瀬氏の判断にござりまする。」

「なるほどなぁ、佐野の先々代・桐生の当代は小領主とは言え明君故。渋川は足利に従って没落の一途。こちらにつきたくなったか。それにしても、北条の影響下にある千葉は分かるが、それ以外が臣従する理由が分からん。千葉もそうだが、那須・結城・小田は八屋形であろう?それぞれの当主(隠居も含む)が明君とも言うべき存在じゃ。言い方悪いが、ぽっと出の織田に従う理由が分からん。」

「那須は大田原備前守が決めましたが、他は明君故かと。」

「どうした段蔵。珍しいな。」

「はっ、某ら関東以北出身の小角衆は、関東から奥羽にかけての諜報売買を請け負っておりました。」

「小角衆には副収入を推奨しておったからの。律儀に経済方に申告して納税してくれていたらしいの。懐に入れたままでも良かったのだぞ?」

「いえ、今や小角衆は東海探題様の一翼を担う存在。ならば、副収入とは言え、申告し納税するのは義務。」

「その方らの忠誠に感謝しよう。して、話が逸れたが、明君たる所以とは?」

「はっ、四国攻めを開始した段階で、関東諸家には、諜報売買の終了を伝えました。大変困った様子でごねた家と、当主に報告して、数日ののちに進退を決めると仰る家がありました。」

「ふむ。進退を決めると言った家が、那須・結城・小田というわけか?」

「さようにござりまする。わざわざ、当主自ら小角衆に連絡をくださり、棟梁級の者たちが正式な使者としての手順を踏んで伺いましたところ、関東に進出された際には、東海探題様に臣従する旨を承っておりました。」

「なるほどな。諜報のやり取りだけで、それを見通すとは流石は明君と言ったところか。しかし、反対する者はいなかったのかな?」

「幾人かはいたようですが、それらは古河公方の出陣に併せて出兵させるようにございます。」

「強かよな。そこも明君たる所以か。」

「はっ」

「さて、関東各地の調略状況を聞こうか。」

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