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第一話 天文十四年正月織田本家での事

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


新年明けましておめでとうございます。

本年も完結を目指して頑張っていこうと思いますので、引き続きの応援を宜しくお願い致します。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 東海四国攻めの論功行賞より前の話ではあるが、天文十四年正月に織田信長が元服した。織田尾張守三郎信長が今後の名であり、尾張守または三郎と呼ばれることになる。ちなみに父は織田弾正大忠信秀。通称はどうしたよ?と言いたいが、同じ三郎では締まりが悪いと考え中らしい。


---戦国あるあるの

---三郎大夫とか五郎大夫とかで良いのでは?

---あの方法で通称変えるのは家督を譲った時か?


 通称について織田家の系図を辿っていけば、ほぼ三郎で、織田敏定まで遡っても五郎しか出てこない。さらに遡ると藤原北家利仁流(魚名流庶流)に行きつくが、公家になると武家通称は消えてしまう。


 なお、坊丸としては、利仁流である事を公家に認めさせる為の動きを開始している。先々の事になるが、三好長慶死後に起こるある事変に際して、とある官位を取得するためだ。征夷大将軍と同位で、両立出来ない将軍位を。藤原利仁はその官位にあった。官位を拝命する事に関して、過去にその氏族が受けた官位でないと受けられない。という通例が存在する。全く無視するなら将軍家と懇意にしていれば通例は今回のように無視してくれるが、ほどほどの関係が良い。あと二十年ある。藤原北家に伝は出来た。曳馬に滞在している中御門侍従は、藤原北家勧修寺流だし、三河時代からちょくちょく来ている山科内蔵頭も藤原北家四条流だ。あとは、五摂家の伝だが、武田を滅ぼした際、陸奥守が三条殿を保護し、現在子ども五人(男三、女二)とともに曳馬に滞在している。彼女は叔母が伏見宮夫人である関係から菊花紋と桐紋が彫られた鏡を皇室から所持する事を許された存在。無碍にして良いものではない。そのうち、彼女の父三条右大臣か祖父三条諦空様に曳馬に来てもらい、もてなすつもりだ。特に、三条右大臣には天文二十年には領地にいて欲しい。大寧寺の変に巻き込まれて亡くなってもらっては困る。


閑話休題それはさておき


 天文十四年の織田本家大評定で、坊丸が東海探題となった事、来年元服する事が通達された。これは大和守家を継いでいる五郎三郎信広も、伊勢守家を継承した叔父信康も承認している。家老連中は、坊丸を畏怖している為、なし崩しに決定事項となった。


 また、織田本家としては斉藤家を助けつつ、引き続き北伊勢攻略と飛騨進出を考えているようだ。飛騨進出には大義名分もある。大垣を押さえているのだが、北近江に行くには、大義名分が弱すぎる。ただ、飛騨を押さえ切ってしまうと斉藤利政がどう動くか見えない。裏切るようなら潰せば良いが、どのような被害を被るか見えない為、手探り状態となっていた。


「さて、坊丸。」

「はっ」

「どうする?」


---いやいやいや!

---十年くらい弟してるから分かるけれども

---普通の人には分からんからね?

---「これからどうするか」と聞いて


「はっ、関東では古河公方が関東管領四家を鳩合し、北条の河越を落とすつもりのようでございまする。よって、三河守家は関東に出まする。」

「ほお?」


---だから、

---普通の人にも分かるように質問して!

---「内政を放って?」と聞いて


「いえ、内政を疎かにするつもりはございませぬ。東海を平げたあと、内政に従事いたしまする。」

「それで?」


---何度も言うが

---それじゃ伝わらないからね!

---「関東の後は?」と聞いて


「はっ、関東の後は、北へ向かう所存。」

「ほう?」


---だから!

---「いつ向かうのか?」ですね。


「内政期間は五年から十年を予定しておりますが、状況に応じて動く所存。」

「うむ。」


---うむ。じゃねーよ?


「お前ら、よく会話が成り立つな。」

「何を?」

「兄上?言葉が足りなすぎます。他の者がついてきていません。」

「え?」

「分かりませんよ。」

「ふむ。」

「だから、私は通訳しませんよ?三河の頃もそうですが、これからは遠江にいますからね?」

「え?」

「確かに、呼ばれればいつでも来ますけれども。」

「だから、なんで会話になる?」

「「あ」」


 呆れた父信秀には、通じていたようだが、他の家臣は置いてけぼりだったようだ。これは早めに東を統一して、側に戻らねばならぬか?

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