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シュレーディンガーと時空  作者: 桜木良
ようこそリドルチームへ
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秘めた能力

  第1章 ようこそリドルチームへ

  第7話 秘めた能力


  俺と永愛(えま)は何も事件の収穫を得られず、1度オフィスに戻って出直すことにした。

「なあ掛橋、1つ聞いてもいいか? オフィスのドアにかけてあったリドルチームってなんなんだ? 今思い出したけど掛橋が俺の家に来た時もそんなこと言ってたよな?」

  帰りの電車、やはり俺は囚人服を着て手錠をしっかりかけている。

「もう永愛でいいよ。この名前気に入ってるし。リドルって言うのは特殊能力みたいな普通じゃありえない力のことをそう呼んでるの。で、その力が関わってると思われる事件をリドル事件って呼んでる。これは警察とか普通の人間が対処できるものじゃないから、リドルを持った私たちが解決してる。それがリドルチーム」

「なるほど。じゃ永愛も他のオフィスにいた人たちもそのリドルを持ってるのか?」

  名前を呼ぶ時少し照れくさかったが永愛の表情は何一つ変わらない。

「そう、みんな持ってる。きっと時空(ときそら)も持ってるよ。時間が止まった時動けたのはたぶんそういうこと」

「永愛も俺のこと遥翔(はると)って呼んでいいぞ」

  俺は少し照れ気味に言う。

「いや、それはいい」

  え? なんで? そういう流れじゃなかったのか?できる男ならこう返すだろう? いや、俺ができる男になろうとしたのが間違いか。

  俺は気持ちを切りかえてリドルについて深く質問する。

「じゃ、その時間が止まったのも誰かが能力を使ったのか?」

「そう。そしてその能力者は......いや、いい。まだ時空が仲間と確定した訳でもないから」

  俺はその言葉の先が気になったが敵視されている俺に容易に重要な情報を渡すのは得策じゃない。後で俺が裏切りなどでもしたら鳴滝(なるたき)さんからお叱りを受けるだろう。永愛のリドルなども聞きたいところだったが信用を得てからの方がもっと深くリドルチームについて知れると思い、言葉を呑んだ。


  オフィスに戻ると鳴滝さんともう1人男の人が話していた。昨日、みなみちゃんの隣に座っていた人だろう。身長は高くて、イケメン。見るのも辛い。

「お、永愛ちゃんと新入りくんだね。時空くんでいいのかな? なかなかに面白い格好だね」

  昨日は何も話して来なかったので話すのがあまり好きじゃないか、俺がまだ信用出来ていないのかなど色々考えたが、しっかり高いコミュニケーション能力を持っている。これが勝ち組と言うやつか。

「はい。はじめまして、時空遥翔です」

 俺は眩しすぎる相手に質素な自己紹介しか出来なかった。

「僕は旅川蒼空(たびかわそら)。よろしくね」

 そう言って旅川さんは自分の席へと戻った。あー、眩しすぎて危うく失明するところだった。今後またここに来るならそれまでに保険に入っておこう。


 旅川さんとの自己紹介を終え、俺たちは鳴滝さんに事件の報告に行く。

「ということで、何も手がかりを掴めませんでした」

「そうか。こちらでも少し調べたが恐らく能力は消滅だろうな。ほらここ、421番」


  421番 「消滅」 対象をこの世から消滅させ、無へと送る。


  単純明快のその1行の中にその場を凍らせるような力があった。永愛の表情を横目で見ると、真剣な表情でその1行を何度か読んでいる。

  リドルとはじめましての俺にはショッキングなものだ。

「421番って能力の番号ですよね? そんなにいっぱいあるんですか?」

  俺は単純な疑問を聞く。こんな恐ろしいものが世の中に何百も潜んでいるなんて。考えただけでも頭痛がする。

「全部でちょうど1000個あるのよ。そしてそれぞれ1人ずつが持っている。つまり、この消滅というリドルは必ずこの世に同時に1人しか持てない」

「そいつが死んだらどうなるんだ?」

「そのときは生まれる前の赤ちゃんに継承される。例外はあるが。リドルもある意味生きている。輪廻(りんね)思想というものがあるがほぼそれと言っていい」

  話を横で聞いていた鳴滝さんが解説してくれる。つまり俺がリドルを持っているとすれば赤ん坊の頃からずっと持っていたということ。

「さぁ、ヒントは与えたはずだ。あとはリドル事件の原因の人物を捕まえる。そこからは時空くんが何とかしてくれるだろう」

  え? 俺が? 何をできるというのだ。こんな恐ろしい相手に少し前までただの一般ピーポーのつもりだった俺に何が出来る?しかし鳴滝さんは俺を真っ直ぐ見つめる。


 俺の体を通り抜け、その能力そのものを見つめるように。


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