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13/23

ループ

その日の夜、郵便受けに一通の手紙が届いていた。差出人の名前はなかった。不思議に思いながらも部屋に戻って、手紙を読んだ。

『前略

この前はとても楽しかったよ!ありがとう! それと、謝ってくれて嬉しかった!私の方こそごめんね! また遊ぼうね! 敬具』


読み終えてから少し考えてみた。あの時、羅美が入れたのではないとすると誰が入れたのだろう。羅美が嘘をつくとは思えない。では一体誰が――

その時、私はある可能性に気付いた。いや、考えないようにしていたが、気付いてしまった。

私は急いで家の中を探し回った。そしてあるものを見つけた。それは写真立てだった。その中に一枚の写真が入っていた。私はそれを裏返した。

そこには小さな文字でメッセージが書かれていた。

『いつまでも一緒だよ?大好きだよ?』

「なんで……」

私はその場に座り込んだ。全身から力が抜けていくような感覚に襲われた。

「どうして……」

視界が滲んだ。頬を涙が流れた。

「なんでお前なんだよ……」

私は声を上げて泣いた。


それから数日経っても、羅美と話す事はなかった。彼女はいつも通り明るく振る舞っていたが、どこか無理をしているように感じられた。二人はお互いに避け合っているようだった。目が合うと、決まって彼女は目を逸らす。そんな日々が続き、ある日のことだった。

「ちょっと良い?」

「ん?」

廊下に出た瞬間、羅美に声をかけられて驚いた。

「何?」

彼女は真剣な表情をしていた。何か重要な話があるのだろうと察した。彼女は俺の手を掴んで歩き出した。

「おい、どこ行くんだよ?」

「いいから」

そのまま引っ張られて行くと、建物の裏に連れて来られた。

「こんな所まで来てどうした?」

「……」

彼女は何も言わずに俺を見つめていた。

「言いたい事があるなら言えよ」

「うん……」

彼女は大きく息を吸った後、口を開いた。

「私達別れましょ」

「……は?」

突然の言葉に頭が混乱した。

「どういう意味だ?説明しろ」

羅美は俯いて首を振った。

「嫌だ。ふざけるな」

「だって……」

私は彼女の両肩を掴んだ。

「ちゃんと説明しろ!」

羅美は泣きそうな顔になった。

「だって……もう疲れたんだもん」

「……っ!」

私は言葉が出なかった。

「私……あなたの事が嫌いなわけじゃないよ?でも、やっぱり無理なんだと思う。あなたと一緒にいても楽しくないし、ドキドキしないの。一緒にいたら自然体で居られないっていうか……。それにさ、私が好きなのって、こういう風になる前の君なのよね。今の君はなんか違う気がするの」

「なんだよそれ……」

「私は君の事を好きだけど、今はただの友達としてしか見れない。だから付き合えない。ごめんね」

そう言って彼女は走り去って行った。私はその場に立ち尽くしていた。

それから私はどうやって家に帰ってきたのか覚えていない。気が付いたらベッドの上で仰向けになっていた。天井を見ながらぼんやりと考えた。

(羅美にフラれたか)

ショックではなかった。むしろホッとしていた。これでやっと解放されたと思ったからだ。だが、胸の奥にはぽっかりと穴が空いたような喪失感があった。


次の日、彼女が話しかけてきた。

「おはよう」

その笑顔を見てドキッとした。今までと変わらないように見えた。

「あぁ、おはよ」

私は平静を装って挨拶をした。その後も普通に会話ができた。

「ねえ、この後暇?」

「ん?別に用事は無いけど」

すると彼女は笑みを浮かべて言った。

「じゃあさ、これから遊びに行かない?」

「ああ、分かった」


羅美と駅前のショッピングセンターに行くことになった。道中は特に何を喋る事もなく歩いた。しばらく歩いていると、不意に立ち止まった。

「ここで良いかな?」

「ん?ああ」

そして彼女は振り向いて言った。

「私ね、君の事が好きだったの」

「……」

私は驚いて何も言えなかった。

「いつからか分からないんだけど、気付いた時には好きだった。最初は自分でもよく分からなかったんだ。でも最近になってようやく気付けたの。それでね、昨日の事で思ったんだ。私の気持ちは偽物だったんじゃないかなって。本当の気持ちはきっと―――」



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