深まる絆と膨らむ妄想
読んで頂き有り難うございます。
友達から恋人になるパターンが一番難しいですよね~。
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宜しくお願い致します。
アキラの道具屋を出て、リオが隣町の下宿先に戻ると勇者パーティーのリーダー《勇者マイロ》がリオに声をかける。
「おい!リオ!どこ行ってたんだ?……ん?なんだか…えらい上機嫌みたいだけど……」
「ふふっ。マイロには秘密」
「なっ!リオが笑っただと………年に一回くらいしか笑わないのに…………な…何があったんだよ!」
「だから秘密!」
「パーティー内で秘密主義は……その…良くないと思うぞ!……ほら!あの…連携とかに色々と支障が出るだろ?……その…新しいスキルが発現したとかなら、ちゃんと伝えてくれないと……困るというか…」
「戦闘ではちゃんと連携する!戦い方で秘密事なんて無いよ!皆が危なくなるでしょ!」
「じゃあ……一体何を秘密に?」
「それは秘密!マイロには関係無い事だから気にしなくてもいいの」
「うっ!…………わかったよ。…また…大事な旅があるから気を抜くなよ」
「それはわかってる。じゃあわたしちょっとテディアの所に用事があるから行くね!」
(……テディアに用事とは一体……)
「あ…ああ。わかったよ」
リオはマイロとの会話を早々に切り上げて、足早にテディアの元へと向かう、、、
「あ~~あれは完全に恋する乙女の歩き方ね…」
パーティーのお姉さん的立ち位置の《賢者ディニー》がリオの後ろ姿を見送りながら、マイロに声をかける。
「そ…そうなんですか?」
「マイロって社交性もあって、女性からもモテるのにそういうの分からないのね…」
「いや…別にモテたいと思って無いですし」
「色々な貴族の女性に声かけられても興味無さそうだしね。……でも…リオちゃんにはモテたいと思ってるんでしょ?」
「ぐっ!……からかうのは止めて下さい」
「え~~!だってパーティー内で秘密主義は駄目なんでしょ?」
「いや別に秘密にしてるとかそういう訳では……」
「まぁバレバレだしね。私もテディアもマイロの気持ちには最初から気付いたしね」
「さ…最初からですか?」
「うん。初めて会ったその日から……バレバレだったわよ」
「えっ!……じゃあ…もしかしてリオにもバレて」
「ううん。リオちゃんは何も気付いて無いというか…マイロの恋心に関心が無いわよ。完全に只の幼なじみとしてしかマイロを見て無いわよ」
「ぐっ!……べ…別に良いですよ。今は魔王討伐が一番大事ですから…」
「ふ~~ん。それならそれで良いけど、私はマイロの事もリオちゃんの事も好きだからどっちの恋も応援するけど。頑張ってね!」
「……魔王討伐をしたら……ちゃんと自分から気持ちを伝えるので…リオに勝手に言わないで下さいね…」
「大丈夫よ。マイロの大事な気持ちで遊んだりしないわよ。…………まぁフラれたら慰めてあげるわよ」
「うっ!…………その時はお酒付き合って下さい」
「あははは!勇者様が随分弱腰ね~」
一方その頃、テディアに会いに行ったリオはというと…………
「どうしたのリオ?」
「…その…テディアに相談したい事があって…」
「何?何?珍しいわねー!リオが私に相談なんて?」
「…明日ね…デートする事になったんだけど…」
「えーーーー!リオ!デートするの?!!?!」
「う…うん。今日頑張って約束してきたの」
リオが少し恥ずかしそうに顔を伏せ、頬を赤らめる。
「やだっ!リオ可愛い~!えへへ~。リオのそんないじらしい顔が見れるなんて。私は幸せだな~」
「わたしお洒落とか疎くて……デートってどんな格好で行けばいいのか…よくわからなくて…」
「よし!じゃあ私の服を色々貸してあげる!てかリオに似合うと思って買った服もいっぱいあるから!こういう日がくるなんて、何だか嬉しい~!」
「あ…ありがとう…テディア」
テディアは早速クローゼットから大量の服を出してリオを着せ替えていく、、、
「ねぇねぇリオ!因みに明日って何デートなの?」
「何デート???………お昼前から一緒に買い物に行って、お昼を一緒に食べたいと思ってる」
「なるほど…なるほど…じゃあドレスとかはおかしいわね………因みにデートの相手ってどこの王子様なのよ~?リオを射止めるなんて、どんなイケメンよ!」
「…王子様って言うか……おじさま…」
「え?おじさま???……年上なの?」
「う…うん。だいぶ…」
「だいぶって30歳くらい?」
「もう少し上かな……」
「えっ?30後半?」
「いや……40歳くらい…」
「……リオ……それ大丈夫?……リオっておじさん好きだっけ?」
「おじさん好きなんて事は無いよ!ドキドキするのその人にだけだもん!」
「う~ん。……リオその人ってどこぞの有力な貴族のおじさん?」
「ううん。普通の小さな道具屋の店長してる人…」
「変に脅されたりしてる訳じゃないんだね……良かった。……………因みにその人に変な事されたりして無い?」
「変な事なんてされて無いよ!お話しかした事無いよ!誰にでも優しくて…その…お話してると楽しくて…」
「なるほど。優しい人なんだ?」
「う…うん」
「なるほど。本当にその人の事が好きなんだ?」
「……う…うん」
リオが顔を真っ赤にしてテディアの質問に答える…
「やだー!リオ可愛い~!そんな顔出来るのね~!いっつも無表情のお姫様にこんな顔させるなんて!どんな人よ~!気になる~!いつか紹介してよね~!」
「……やだ…テディアに取られたく無いから嫌…」
「いや…取らないわよ!………あっ!その人…結婚って?」
「し…して無いよ!」
「よし。安心した。……もし相手が遊びでリオを傷つけるような事があったら私に言ってね!」
「そ…そんな人じゃ無いよ…」
「もしの話よ!リオは傷つけられても好きだったら何も反撃出来ないと思うし、もしリオを傷つけたその時は、この《武神テディア》が変わりに、その人の全身の骨を砕いてから頭を蹴り潰してあげるわよ!」
「だ…大丈夫だよテディア。変な人じゃ無いから…」
「わかった!リオの信じる人を信じる事にする!よし!じゃあ早速おじさんを落とすコーディネートをしよう!」
「う…うん。宜しくお願いします」
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「う~ん。やっぱり清楚系かな~」
「ど…どうかな?」
「……リオって本当に綺麗ね~」
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「う~ん。でも相手が大人なら…こういうクールな感じのほうが良いかな」
「どうかな?」
「…リオって本当にカッコいいね~」
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「こういうちょっと露出あるのは…………駄目ね…エロ過ぎて犯罪者が大量に出るわね…」
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「不味いわね……リオは目立ちすぎるわね。剣姫が普通のおじさんとデートなんてしてるのバレたら完全に記事になるわね…」
「えっ!……テディア…どうしよう?どうしよう?せっかくのデートが出来ないなんて…嫌だよ」
「ふふっ。リオは本当に可愛いわね~。大丈夫よ!任せなさい!落とすコーディネートは難しいけど………ちゃんと可愛い服でデートはさせてあげるから!」
「うん。お願いします」
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こうして女子二人でキャッキャッと盛り上がり、パーティー内の絆も深まった、、、
──
デート服とデートコースも決まり、テディアに服を貰ったリオは自身の部屋へと戻り、アキラとのデートを想像しながらお風呂に入り髪を乾かしベッドに寝転がり枕に顔を埋める……
【まぁ普通の女の子ですもんね】
(ふふふ。店長変わらないなー。明日楽しみだなー)
【こんなに綺麗な方がお店に居てくれると店内が明るくなりますから】
(本当に綺麗って思ってくれてるのかな……店長からしたらわたしなんて全然子供だし……やっぱりお世辞かな?…………でも本当だったらいいな)
勇者パーティーは魔王軍幹部四大魔将の一角【誘惑の魔将メフィスト】を討伐した勢いそのままに、1週間後には四大魔将の一角【暴虐の魔将アマイモン】の討伐に向けて騎士団を率いて進軍し、大規模戦闘を行う事になっている為、《勇者マイロ》と《魔法剣士ピート》の男性陣はかなり緊張感を持って生活をしている。
そんな中で《剣姫リオ》は明日のデートに向けて緊張感を持って、今日もベッドの上で枕に顔を埋めて、足をバタバタしている、、、
恋愛映画って本当に良いですよね。
【50回目のファーストキス(洋画の字幕のみ)】
アダムサンドラーが本当にカッコいいんだ。声がセクシーなんだ。
【ラブ・アクチュアリー】
コリンファースの話が本当に最高に好き。ヒューグラントも最高!アキラのイメージはヒューグラントです。