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道具屋アキラ

読んで頂き有り難うございます


リオが何でアキラに恋をしたのかはもう少しだけ先のお話になります




「へぇ~やっぱりリオさんって凄いんだな…」


道具屋のカウンターで店長のアキラは号外を読んでいた『勇者パーティー魔王軍幹部四大魔将の一角メフィストを討伐する!!!』号外の見出しにはそう書いており、戦闘の内容も詳しく書いてあった。


要約すると〈メフィストの住まう古城へと乗り込んだ勇者パーティーは数々のモンスターを討ち滅ぼし、メフィストの元へと辿り着く。様々な魔術を操るメフィストと死闘を繰り広げボロボロになった勇者パーティーであったが、一瞬の隙をついて剣姫リオがメフィストの首を一閃。首を斬り落とされたメフィストは絶命し、見事討伐に成功した〉そう書いてあった。


長年なし得なかった四大魔将の討伐に世界中が沸き、勇者パーティーは王宮に呼ばれ豪華な晩餐会が催された。


「リオさん、また来ますとは言ってたけど、住む世界が違い過ぎるな。嫌われたらうちの店なんて簡単に潰されそうだな」


(…まぁ幸い…人としては、何故か好かれてるみたいだし助かった……)


アキラがそんな事を思っていると道具屋の扉が優しい呼び鈴を鳴らしながら開かれる。


「いらっしゃいませー」


入ってきたのはご近所に住む、よく日用品を買いに来る常連のご婦人。


「アキラさん。こんにちは。新しいフライパンが欲しいのですが、良いのありますか?」


「ん?ありますけど……この間フライパン買ったばかりじゃないですか?」


「ちょっとお料理に失敗して焦がしちゃって……」


「ははは……だったら新しいの買わなくて大丈夫です。フライパンを持って来て貰えればまた新品同様に綺麗にしますよ。簡単です!」


「本当に!ありがとう!」


「いえいえ。お構い無く。いつもうちの店使ってもらってますし気にしないで下さい」


「じゃあ!フライパンと古くなった他の物も色々持って来ますね!」


「……いや…………色々は…」


「すぐ持って来ますねーーー!」


そう言ってご婦人は道具屋を飛び出して家へと戻って行く、、、


「…まぁ…いいか……………おれには商才は無いな」


アキラがそんな事をぼやいていると道具屋の扉が優しい呼び鈴を鳴らしながら開かれる。


「いらっしゃいませー」


入ってきたのはご近所に住む、よく薬草を買いに来る常連のお婆さん。


「アキラちゃん。こんにちはぁ」


「お婆さん流石にちゃん付けは厳しい気がするんですが……」


「アキラちゃんはアキラちゃんよぉ」


「まぁいいですけど……あっ!いつもの薬草で宜しかったですか?」


「ええ。アキラちゃんの作ってくれる薬草を使ってから腰の調子も良くてねぇ。お爺さんも喜んでるのよぉ」


「畑仕事は大変ですからね。筋肉疲労に良く効く薬草をブレンドしてみたんですけど、効いて良かったです」


「いつもありがとうねぇ。助かってるよぉ」


「ははっ!こちらこそ美味しい野菜をいつも頂いて助かってますのでお構い無く」


「アキラちゃんは良い子だねぇ。今度うちの孫娘を紹介したいんだけど、どうだい?」


「はは……大丈夫ですよ。大事な孫娘さんをこんな一人で道具屋をしているおじさんに紹介しなくても……孫娘さんにはきっと良い出逢いがありますよ」


「……まだ忘れられないのかい?」


「……いえ…そういう訳では無いですけど。まぁ一人でいるほうが楽というか、一人でいる事に慣れたというか」


「無理にとは言わないけど、寂しくなったらいつでも言ってねぇ。アキラちゃんにならいくらでも紹介してあげるからねぇ」


そう言ってお婆さんは薬草を受けとり道具屋を出て行く、、、


「……まぁ…寂しいと言えば寂しいですけど…」


アキラがそんな事を呟いていると道具屋の扉が優しい呼び鈴を鳴らしながら開かれる。


「いらっしゃいませー」


入ってきたのはご近所に住む、よく遊びに来る常連の子供。


「よぉ!アキラ!相変わらず暇そうだな!」


「あ?忙しいから帰ってくれ」


「なっ!オレは客だぞ!そんな口聞いていいのか?」


「お前はうちの店で買い物をした事が無いから客じゃない」


「別に買い物しなくても客は客だろ?」


「買う気があれば買わなくても客だけど、お前は最初から買う気無いだろ」


「そ…そんな事無いよ…」


「はぁぁ。…………アイスでも食うか?」


「べ…別にいらねーよ!」


「別にお金はいらねーよ。新作アイスの試作するから食べて感想でも言え」


「新作食べれるのか!………あっ…でもやっぱりいいや…」


「お前って何人兄弟だっけ?」


「……ご…五人兄弟だよ…」


「じゃあ五人分アイス作るから全員にちゃんと感想もらって来いよ」


「……わかったよ。協力してやるよ」


「可愛くねーな。素直に有り難うございますが言え無いもんかね」


「うっ!……あ…りが…と」


「だははは!本当に言うなよ!キャラが違うだろ!頑張れよ!長男!だははは!」


「い…いいから!早くアイス作れよ!」


「わかった。わかった。あとアイスと一緒にパン食べたら美味しいから、そこら辺のパンも適当に持って帰れよ」


「わかった!」


そう言っては子供は兄弟の分のアイスと大量のパンを持って道具屋を出て行く、、、


「……大量に持っていけとは言って無いぞ……はぁぁ………まぁいいか。でかくなったらいつか返せよ…」


こうしてアキラの日常が過ぎてゆく、そんなアキラの日常を道具屋の窓の外から覗く一人の少女の姿があった。リオがじっとアキラを睨み付けていた。


(ふふふ。店長さん相変わらずな感じだな~……忙しくは無さそうだけど……入ろうかな?どうしようかな?……ちょっと久しぶりだし恥ずかしいな……なんて言って入ろうかな?……この間の事覚えてるかな?……何か聞かれたらどうしよう?……わたし顔赤くなってないかな?……普通の格好で来たけど変じゃないかな?……ドレスのほうが良かったかな?……う~ん……一回帰って着替えて来ようかな?……う~ん)


道具屋の外で目を瞑り、色々と思い悩んでいるリオにアキラが窓を開けて声をかける。


「……あのー」


「ひゃい!」


「いや…ずっと窓から覗いてたのでどうしたのかなと。すみません。急に声かけて驚かせてしまったみたいで……」


「あ…いや…そんな事無いですよ。お気付きになられてたんですね」


(そりゃあ……何だか窓の外からずっと殺気がすると思ってましたから……恐くて窓のほうは見れなかったですけど…)

「え…ええ。まぁ」


「す…すみません」


「いえ。謝るような事では無いんですが……あのー…中入りますか?」


「は…はい!入ります!」


(相変わらず無表情だ……怒ってんのかな………でも四大魔将の一つを倒したんだもんな。それはちゃんと人として感謝を伝え無いとな……)


「では…いらっしゃいませ」



魔王軍幹部四大魔将の一角メフィストと対峙した時以上の緊張感を持ってリオは道具屋へと入っていく、、、



学生時代の恋愛って忘れてしまった……

ドキドキしながら告白するってどんな感じだったっけな、、、

大事な告白シーンを上手く書ける気がしない…………

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