剣姫リオ
読んで頂き有り難うございます。
毎日投稿していきます。
1週間くらいで書き終わると思いますので一気読みしたい方は暫くお待ち下さい。
アキラの道具屋を出て、リオが隣町の下宿先に戻ると勇者パーティーのリーダー《勇者マイロ》がリオに声をかける。
「おい!リオ!どこ行ってたんだよ!明後日から大事な旅が始まるんだぞ!いっつも何も言わずにフラフラ消えるの止めろよ!」
「うるさい。マイロには関係無い」
リオが冷たくマイロに言葉を返す。
「いや!関係あるだろ!パーティーメンバーが勝手にどっかに消えたら…その……迷惑だろ!」
「今はプライベートの時間の筈だから関係無い。旅が始まったら勝手に消えたりしない」
「うっ…………わかったよ。明日は色々準備もあるから勝手にどっか行くなよ」
「わかってる。じゃあもう部屋に戻るね」
話を切り上げリオが自身の部屋へと戻って行く、、、
「……何をそんなに怒ってんだ?相変わらず意味がわかんねー」
マイロとリオは普通の家庭に産まれ、家が隣同士の幼なじみでよく二人で一緒に遊んでいた。
この世界では12歳になると神託の儀によって職業やスキルを神官に鑑定してもらう事になっている。
そして12歳になり神託の儀で鑑定してもらった二人の職業は、マイロは《勇者》でリオは《剣聖》であり、二人共にExスキルを所持していた。
そこからの二人の人生は一変する。国王に呼び出された二人は魔王討伐を言い渡され、厳しい訓練が始まり勇者パーティーを組み、世界平和の為に冒険をする事になり、世界中の人々の為に日々モンスター討伐を行っている。マイロは勇者としての使命感に燃える17歳のイケメンで人気もある。
「リオちゃん怒ってたの?いつも変わらないと思ったけど」
一緒にいた勇者パーティーの一人の23歳女性の《賢者ディニー》がマイロに声をかける。ディニーは勇者パーティーのお姉さん的な立ち位置でパーティーをまとめている。
「ん?明らかに怒ってましたよ?」
「へぇ~やっぱり幼なじみだけあってよく見てるのね」
「ま…まぁ……小さい時から一緒にいるんでわかりますよ」
「へぇ~リオちゃんの気持ちはわかるのに…………迷惑だろなんて言っちゃうのね。……心配だろって素直に言えば良いのに」
「うっ!…………いやそういう気持ちは別に無いですよ。幼なじみなだけです」
「リオちゃんはちゃんと言葉にしてあげないと分からないタイプの子だと思うけどな~」
「……いやぁ~~。…………言葉にする事なんて別に無いですよ。それに今は魔王討伐に集中したいので」
「本当にそれで大丈夫?リオちゃんは誰かに恋してると思うけどね」
「えっ!?!?そそ…そうなんですか?」
「ふふふ。そこは分からないのね。まぁ乙女の感ってやつよ!」
「……いや……ディニーさんはもう乙女では」
「あぁ?なんか言った?…………因みにリオちゃんの恋してる相手はマイロじゃ無いからね!」
「うっ!………べ…別に良いですよ」
「思いっきりクリティカル入ってんじゃない!素直になったほうが良いわよ。まぁ私は中立だからどっちの恋も応援してるわよ。マイロも頑張ってね~」
「……あの…………ディニーさん」
「ん?なに?」
「…………内緒でお願いします」
「あはは…………わかってるわよ」
話も程々にマイロとディニーは自身の部屋へと戻って行く。マイロは少し肩を落とし、そのマイロの後ろ姿をディニーはニヤニヤしながら見守っていた。
因みに勇者パーティーのメンバーは他に、19歳の自由奔放な女性の《武神テディア》16歳のリオに憧れている男性の《魔法剣士ピート》がおり、五人パーティーである。この五人が王の命令を受け魔王討伐を行っている。
一方その頃、先に部屋に戻ったリオはというと…………アキラの言葉を思い出しながらベッドに寝転がり枕に顔を埋めて足をバタバタしていた、、、
【ははは…また来て貰えるなら良かった。…………いつも怒ってるから嫌われてるのかと思ってた】
(う~~ん。何で怒ってると思ってたんだろ?何で嫌われると思ってたんだろ?…………う~~ん。わからない……)
リオの脳内ではいつもアキラに微笑んでいると思っているので理由は分からない。
【わたし店長の事嫌ってなんかいません!店長の事好きです!】
(どどどど…どうしよ…変な事言っちゃった!店長さんびっくりしてた……それはそうよね。あんまり話した事も無い人に突然好きなんて言われたら……わ…わたし顔赤く無かったかな?……恥ずかしい……次どんな顔して道具屋に行けばいいんだろう…)
アキラに『店長の事好きです!』と言った時にリオの脳内では、涙目になり顔が赤くなっていたと思っているが、実際は無表情だったとは分からない。
勇者パーティーは明後日から魔王軍幹部四大魔将の一角【誘惑の魔将メフィスト】討伐の旅へと向かうのだが、恋する乙女…剣姫リオはベッドの上で枕に顔を埋めて足をバタバタさせていた、、、
友人と何年かぶりにサッカーをしたらびっくりするくらい体が動かなかった、、、
悲しくなったので体絞って恋しよ、、、