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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第1部一章「百合葉の美少女集め」
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第08話「マスコットキャラ」

「なんだ、おおとりさんじゃないの。名前は譲羽ゆずりはちゃんだっけ?」



「そうそうっ! あたしはゆずりんって呼んでるー。テストの点数悪っぽかったから、連れてきたー」



「そ、そっか……」



 人の許可無く点数悪いことを口外しちゃあいけないと思うなぁ……。脳天気に告げるアホの仄香ほのかちゃんに少しの不安。



 とりあえず、話題のその子に視線を向けてみる。



「どう? この二人に勉強教えてもらうんだよー」



 仄香が顔を覗き込み優しく肩をスリスリ……ってそれ幼稚園に通わすお母さんみたいに見えるけど?



「アタシ、鳳譲羽……。一緒に、勉強……した、い……デス」



 途切れ途切れにたどたどしく言うゆずりん……かわゆすっ。僕が一生面倒見てあげたい。



「僕は百合葉ゆりはだよ。それじゃあユズ、一緒に勉強しよっか」



 僕がそう言うと視線を逸らし何かいいたげにわなわなと口を動かす譲羽。子供扱いが過ぎたかな……?



「どうしたの?」



「あーそれ、あたしん時もなったんだよねー! 愛称とか呼ばれるの慣れないっぽい?」



 仄香の言葉になるほどと頷く。



「ユズって呼び方、嫌だった?」



「いや……じゃない、嬉しぃ……デス」



 うっはぁ~! なぁに~このマスコットキャラはぁ~っ! モジモジしてめっちゃ可愛いんですけれどっ!?



 などと考えていれば……。



「あわぁ……っ」



「あっ、ごめん」



 ついうっかり譲羽の頭をポンポンと撫でてしまっていた僕……。いや違うんです! 可愛すぎる彼女が悪いんです! 手を出さない方が罪なんです! 僕は無実ですッ!



 とまあ脳内で弁論しても仕方がない。自己フォローしないと。



「いやぁ、ユズって妹系だよね。つい可愛がりたくなっちゃうよ」



 初対面に何言ってるんだ僕は……。まあなるようになれとしか。



 しかし、僕の不安とは裏腹に嬉しそうな……ニヘラァという怪しい笑みを浮かべる譲羽。



 んっ? それは好感触なの? トマトみたいに赤面しだす愛らしい彼女の顔。モジモジ妹系とか萌えキャラでしかないんですけれど?



 そんなことを思っている内に、



「あぁ~ゆずちゃん可愛い~いぃ! うちで飼いたぁ~い!」



 自分の自己紹介もままならないまま、もはや奇襲とも言える猛攻でユズに抱きつき全力頬ずりスリスリする咲姫さき



「なんてこった! あたしも負けてらんないぜっ!」



 そして当然かのような自然さでまた、抱き付き頬ずりする便乗びんじょう仄香ちゃん。咲姫もだけれど、彼女らのフレンドリーさは一体何なのだろう……。 僕も混ざりたいぞ?



「ゆずりんの肌モチモチだなー」



「だよねだよね~」



「う、うぅ……っ」



 仄香と咲姫、二人して困惑するゆずりんほっぺをムニムニしている。ああ、天使同士のいちゃいちゃ百合、煩悩が全て消え去りそうだ……。ここは天国かな……。いや、お嬢様学校か……いやそれは実質天国だね……。



 ……はっ!? 自身の行動理念を忘れ、浄化されるところだった……。あの中心が僕でないといけないんだ。いかに彼女等を同性愛に目覚めさせて、僕の百合ハーレムへと引き込むか。それだけが僕の全てなのだ。



 とりあえず、あいだにはーいろっ。



「ホントに触り心地の良い肌だね」



 真正面から彼女の頬をさする。……ああ、ほっぺただけじゃなくて唇もかわいいなぁ。



 あごをくいと持ち上げ、親指で彼女の唇をそっと撫でる……んっ? なんだか熱くなって……彼女のようすが?



「ああああわわぁ……」



 彼女は完熟トマトになった。

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