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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第1部一章「百合葉の美少女集め」
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第05話「テスト返却」

「委員になった者はこの後の放課後にも集まりがあるから、配布したプリントを確認するように。以上、解散っ」



 生徒たちが席に座る中、最低限の連絡事項だけを伝え担任が教室を出ていく。



 まさか受けたその日返却されるなんて……。手元の点数に少しのショック。



 明後日の放課後には補習……そして赤点を取れば来週に再テスト――ということなんて、実は推薦入試満点でこの学校の推薦枠に収まった僕には関係のない話だったり。だって何度もテスト勉強とかめんどくさいんだもん。テスト中のピリピリした空気も苦手なんだよねー。いつも以上に物音立てられないから、お腹が鳴ったりしないか別の心配をしてしまう……。



「点数どうだったぁ~?」



 教師が居なくなり緩んだ空気に変わり始めると、先ほどの返却結果を問いかけてくる咲姫ちゃん。う~ん、僕が行動するまでもなく美少女が寄って来てくれるとか、イージー過ぎるなぁ……。これはもしや、本当に百合ハーレム作れちゃう?



「んー……見る?」



 しかし、もしどんなにイージー路線確定だとしても、会話の内容は相手を傷付けないように、気を利かせないといけない。嫌みにならないだろうかと少し戸惑う。



「見たい見たぁ~いっ!」



「そこまで言うなら」



 まあ仕方ないかな……ひらっとテストを渡す。



「すっごぉ~い! 50点って満点よねぇ!? 二つも完璧よぉ~!」



「いやぁ、でも英語はケアレスミスで5点も落としちゃってさ」



「それだけでしょ? やっぱり頭良かったのねぇ~!」



 やっぱり? 知的にでも見えるのだろうか。



「それより、僕のばっかり見てズルいよ。咲姫も見せて?」



「うゆぅ~ん……恥ずかしいなぁ~」



 と言いつつもチラッ、チラッと横目で僕を見る咲姫。なんなのそれ可愛いの? 可愛いよ?



「ええー。人のは見るくせに咲姫は見せてくれないんだぁー」



 なんて唇尖らせて煽ってみる。



「わ、分かったよぉ~っ」



 言うと咲姫は三枚のテストの点が見えるように両手でバーンと突き出したのだった。か、かわいぃ~。



 ええと? 国語、数学、英語の順で……。



「48、45……50っ!? 咲姫、英語満点じゃんっ!」



「でもぉ、百合ちゃんには負けちゃったぁ」



「合計たったの2点でしょ!? あぶなっ、負けるとこだった!」



「だけどわたしの方が下……百合ちゃん頭悪かったら教えてあげようと思ってたのにぃ~」



 唇をむぅ~っと尖らせつつ、ちょっぴり残念そうに、まぶたを伏せる咲姫。睫毛すごく長いな……メイク無しでこの長さ? 彼女の美人ポイントをまた一つ見つけてしまったなぁ~。



 ともかく、どうやらこの子は教えたがりのようす。その気持ち、汲み取らせていただこうじゃないか。



「それならさっ、僕は数学が自信あるから、その代わりに咲姫は英語教えてよっ」



「あっ、あぁ~っ! それ良いねぇ、名案っ! そうしよぉ~!」



 別に名案ではないと思うけどなぁ……。思い付かなかったのだろうか。お茶目な姫様である。



 そんな時、



「へいへいそこのお二人サーン? ポールスミスもケアレスミス! 頭のいいヒト教え合いっこ! お馬鹿なあたしも混ぜとくれいっ!」



「……」



 ラップ調にリズムを取る謎の美少女が現れた!

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