第48話「サイコロの旅ごっこ」
「さあこちら! 新千歳を出まして朝十時の羽田空港でございます! あらあらさっそく飛行機酔いで顔色悪そうですね百合葉さん」
「飛行機酔いじゃないんだけどさぁ。仄香……なにこれ?」
「何これって。サイコロの旅ごっこ」
「どうでしょうごっこの話は聞いてない!」
また金曜どうでしょうごっこのノリだった……!
「ちょっと旅行いこう言われてさ? チケットもらったと思ったら? 羽田? これは本当にちょっと?」
「ゆーちゃん、またしても何も知らない百合葉ちゃん枠でよろしくねー」
「やだよぉ!? こんな毎回ドタバタしてさぁ! 体力も脳みそも使わない予定調和の百合百合させてよぉ!」
「大丈夫だ、夜には百合百合できるから」
「あれはもはやハードレズだよ! 僕はねぇ、寝たいんだよぉ? 寝れないんだよぉ!」
レズレズし過ぎて寝不足続きの日々はもうおさらばしたいよぉ! 四股だからね! 仕方ないんだけどね!
「ところで今さらなんだけど、他2人は?」
「んー。行き先案を言ったらさぁ。ゆずりんは体力的に移動ばかりは心配だからで、咲姫ちゃんは女子力下がりそうだからパスだってさ」
「女子力どころじゃないもんなぁこれ」
実はこの旅、仄香と僕と蘭子の三人編成なのであった。薄情者めと言いたいけど、こんな旅なら仕方がない……。
それよりも、行き先案を教えてもらうとは? 僕は?
「さてさてそれではお待ちかね! サイコロの旅の出番です! 行き先はこちら!」
仄香がボードを掲げて、サイコロの目の数字と行き先が書いてある。よく準備したねぇ……。
「なになに、1、新千歳直行。2、東京で一泊。3、新幹線で宮城。4、新幹線で京都。5、飛行機で福岡。6……船で八丈島……」
「1から5までは楽しめそうだな。宮城なら少し近づけるし、直行便で帰られる所ばかりだ」
「そして6……八丈島はいいけど、これ帰るのが泥沼になるやつじゃない?」
「それがいいんだよぉ! それじゃ! サイコロターイムッ! 何が出るかなっ! 何が出るかなっ!」
踊りながら仄香がサイコロを高く振るう。そしてアスファルトの上を転がるサイコロ。出る目は……。
「あああぁぁああああ!!! 6! よりによって6ゥ!」
「なんでよりによって6なの!? イカサマしてない!?」
「イカサマもタコサマもしてないですぅ! めちゃめちゃ遠ざかっちゃいましたよ! 月曜の授業に間に合うんでしょうかっ!? さい先が悪いですねぇ!」
「この企画提案は仄香なのに運が悪いのが悪い!」
第2話に……続かない。
どうでしょう見てたら沸いちゃって思いついたやつです。
あと前回の投稿で、現実恋愛の日計ランキング73位くらいに乗ってまして。やる気が出ちゃったんですねぇ……。
どうでしょうも旅行もにわか知識なんですが、今後もどこかで書くかもしれません。




