第40話「視線を感じる」
自習の時間。僕は前の席の蘭子を見ながら考え事をしていた。
すると突然、蘭子が振り向いてくる。流石の僕もビックリして、表情に出てしまったかもしれない。
「ど、どうしたの?」
「いやな? なんだか視姦を感じたもので」
「視線ねっ!?」
「ほら、やっぱり見てたんじゃないか。私を。イヤらしい目で」
「イヤらしい目では見てないよ……」
「どうだかな。四股クソレズハーレム女の考える事は分からんからな」
「ひ、酷い言われようだ……。分かったよ。白状するよ」
「視姦してた事を?」
「ちげーわっ!」
流石の僕も、そんな目で美少女を見るなんて事はない……。クソレズとはいえ、二重に傷ついた……。
「蘭子の髪が綺麗だなーって。顔も整ってて、美人だよなーって。思ってただけだよ」
「充分イヤらしい目だと思うが」
「どこがっ!?」
もう、人の見た目を脳内で褒めるだけでもイヤらしい判定になるのだろうか。オッサンなら逮捕だけど、僕は女なので、どうか見逃して欲しい。レズだけど。レズだけれども。
「例えばな? ああ、今日も百合葉かわいいなー。えっちしたいなー。百合葉の睫毛綺麗だなー。えっちしたいなー。ってなるのが普通だが」
「普通じゃない! 煩悩にまみれ過ぎだこのクソレズ!」
もうどっちがクソレズなのかよく分からないよ! いやどっちも充分クソレズかー。はははー!
「例えばの話だ。例えばの」
「じゃあえっちな事は考えて無かったんだね?」
「いや、考えてはいた」
「アウトじゃねかーか!」
「うるさいわよアナタたち……」
と、そこで隣の席の学級委員長かつ、僕の嫁、間違えた。彼女、咲姫ちゃんに注意される。ジト目で注意されるだけでも、かわいいオーラを味わえて、ゾクゾクするのであった。いや違う僕はMじゃない。美少女のジト目に国宝級の価値がある事を、皆わかって欲しい。
「ごめんごめん。蘭子のセクハラが大変でさ」
「それはアナタにも原因があると思うのだけれど?」
あ~ん! もう美少女この冷たい視線! 蘭子ちゃん関係だから妬いてるんだねっ! ゾクゾクしちゃう!
「そうだ、百合葉が私を視姦してきたんだ」
「だから違うって」
「へぇ~。自習とは言え、授業中に大した度胸ねぇ~。今度、移動教室の時には視るだけじゃなくて強姦してあげようかしら?」
「咲姫……かわいい顔でとんでもない事を言わないで……」
「あらやだ。一応は? 付き合ってるんだから、授業中に襲おうとも合意の上よねぇ?」
「合意してない! 強姦と変わんない!」
そういうのちょっとえっちな本を読み過ぎだと思うなぁ!
「じゃあ、合意だったらいいのね?」
「学校ではダメだけど……」
「よぉし。言質とったわ。おうちに帰ったら覚悟しててね?」
「そ、その合意は……してないなぁ……?」
「は? 今日するのは私とだが? 先に視姦されたのは私だから、先に百合葉と合意したのも実質私だ」
「もうめちゃめちゃだよぉ!」
百合漫画を読んで居て突然思い浮かんだネタでした。
だけど、百合漫画の内容とは全く関係ない。視線を感じたって単語だけでここまて広げてしまった……。これは蘭子ちゃんが悪いんだきっと。
視姦って一発で変換できず。でもわざわざ一文字ずつ変換して履歴に残るのはめっちゃイヤなので(リアルだと下ネタ嫌い)
視線+強姦って打ち込んでました。なんて回りくどい……。
しかし、百合の為なら下ネタ嫌いも超えてしまう……こりゃもう百合葉ちゃんが悪いね。百合葉が悪いんだよ。




