表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第3部一章「百合葉たちの繰り返す春」
477/493

第35話「仄香とパンツ」

 それはいつもの放課後の部室でのこと。



「ゆーちゃん……。あたし今日の下着……めっちゃ気合い入ってんねん……」



「ああ、そう」



 突然の仄香のアピールだが、いつも通り呆れる僕。他の子たちは宿題やらスマホやらやりつつも、アンテナはこっちに向いてる感じ。



「ああそうってなにー!? ゆーちゃんも女好きの癖に、あたしの下着に興味無いと申すかーっ!」



「いやいや、大事なのは中身だからね」



「えっ……? そんな、あたしの体が好きだなんて……ダ、イ、タ、ン……!」



「体も外見なんだよなぁ……」



 まあ、彼女のガリガリに細い体も好きと言えば好きだけど。



「仄香はいつも元気で僕たちを楽しませてくれるから良いよね。飽きないよ」



「へ、へぇーん! いきなりデレたってパンツはただで見せないからねーっ!」



「気合い入ってるとか言ってアピールしてたのは誰さ……」



 と呆れていたら、突然蘭子が咳払い。



「下着の中身? つまり仄香の胸の話か。津軽海峡だよな」



「そうそう! ホッカイドーとアオモリの間の大事な海で……って海じゃん! それっ! 平らですらない! あっ、もしかして谷間って言いたいのかなぁー?」



「崖から急に抉れてるというワケだ」



「みぞおち! みぞおち深い!」



「間違った。仄香の胸は太平洋だ。君の胸には大きな希望が詰まってるぞ?」



「そうそう! 太平洋のように大きさがあたしの胸に……ってそれもだだっ広いだけなんだけど!」



「大丈夫だぞ? 大昔の太平洋には、ムー大陸という大きな大陸が沈んでいるという伝説もある。希望があるな?」



「はーなんだー! それは夢が広がるねー……って! 沈んでるじゃん! あたしの胸の希望膨らむどころが沈んじゃったよっ!」



「まあまあ。可能性はゼロじゃないんだから……」



 と慰めておく。何故かいつもの貧乳イジりになってしまった。蘭子、僕と仄香が良い感じだったから邪魔したんだね? 可愛いなぁ。



「それで仄香。どんなパンツを履いてきたんだ? 話を戻してやろう」



 一応話を戻す優しさはあるみたい。



「あー? やっぱり気になるー? 気になっちゃうでしょ~? 実はねぇー」



「ああー分かった。くまさんパンツでしょ?」



「くまさんじゃないやいっ! あたしを舐めんな舐めんなあたしをーっ!」



「と言いつつ実はー?」



「そう……。実は猫さんパンツゥー!」



「……プッ」



「笑うんじゃないよぅ! 今のはそういうノリだったでしょーぅ! 違うってぇ! 違うのぉー!」



「へぇ。じゃあどんなやつ?」



「そんなに気になっちゃーう? そんなにあたしのパンツが気になるなら、抱かせてくれる人にだけ……見せてあげようかな……?」



「あっ、そういうの間に合ってるんで」



「間に合ってるってなんだーっ! 堂々と浮気宣言かーっ! いや知ってるけどさぁーっ! なんでやーっ! 少なくともあたしは経験豊富なのにーっ!」



「仄香? 経験人数を誇っても、自慢にならないよ」



「4股女が何えらそーに言っとるんじゃーっ! ……ぜーぜー」



 と、蘭子の次は僕とのツッコミの嵐だった仄香。ついに疲れてきたようだ。そこで、間を見たように、譲羽がフフフと笑い出す。



「ま、アタシは……朝見ちゃったけどネ……」



「まじ? 見てんの? いつの間になの? 覗き見ゆずりんなの?」



「いつも仄香ちゃんが後ろ向いた時に、凝視シテル」



「なんかゆずりんのが着替え遅いと思ったらそのせいかーっ!」



 どうやら二人は朝後ろ向きで着替えをするみたいだ。レズだけど、そういう暗黙の了解もあるのかもしれない。ちょっと面白い。



「仄香ちゃん。ダイジョブ。くまさんパンツでも、仄香ちゃんは可愛いと思うヨ」



「だからくまさんちゃうわーっ!」



「仄香ちゃんの下着、カワイイ。そして、まったく肉のついてないお尻。カワイイ」



「おいおいおいー! ムッツリレズりんとは知らなかったぞーっ!」



「……ムッツリじゃない。女の子の着替え、見れるモノは……見ないと損」



「その発想がレズなんだよなぁ……」



 というかオッサンか? つまりレズはオッサンだった? よ~しっ。オッサンはみんな性転換してレズになっちゃえばいいよ! それならセクハラとかも解決!



 ……同性でもセクハラ問題はあるんだよなぁとしみじみ思う僕であった。



「まったく。仄ちゃんも 経験は人数じゃないわよぉ? 一人の人を、何回満足させられたかよねぇ? わたしなんか、百合ちゃんを千回はイかせ――」



「待って咲姫! そんなヤってないよ! 二桁も盛らないで!?」



「はぁーっ!? って事は少なくとも二桁かっー! アンタらサカりすぎでしょーぅ! ゆーちゃんあたしにももっと抱かせなさいっ!」



「待って待って! いや僕のパンツを見ようとするんじゃない!」



 と話が微妙にずれにずれ。結局その日は、最後まで仄香のパンツがどんなのだったのか分からないまま下校を迎えるのであった。

クドいくらいにボケとツッコミ! このノリが好きでやめられないんですよねぇ……。


ボケとツッコミが激しいと、地の文を挟む余地がなくなります。理屈屋なので、本当はもうちょっと説明文や誰が喋ってるか入れたい所ですが……。まあ分かるよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ