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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第3部一章「百合葉たちの繰り返す春」
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第24話「非生産的な女たち」

 それは、蘭子との行為を終えたあと。休みの日の西日が射して来たころ。僕はシャツとパンツで蘭子の布団の上に横になり、蘭子は服を着直して椅子でアイスティーを飲んで、外を見ている。



「私たちの行為ってさ。実に非生産的で、さらにはその同性愛の輪を広げようとしてる。人類の敵なのだろうなって思う時があるんだ」



 女にも賢者モードとかってあるのだろうか。哲学的な話だった。



「それは随分と人間らしくない、いや、蘭子らしくない言葉だね」



「私らしくないのは分かるが、人間らしくない?」



「そうだよ。言っちゃえば、ゴム有りだって無駄な行為。僕ら非生産的な女たちと代わりはないのに、同性愛だけを非難するのはおかしいでしょ? なら、そもそも無駄だからと言って非難する必要はないんだ。まあ、同性愛理解の押し付けは良くないんだけどさ」



「良くないと分かっては居ても、論理的に理解しろと思ってしまうな」



「まあね」



 僕も脳内でどれだけ男を絶滅させたか分からないし? いやそれ極論過ぎるじゃん。もはや過激派レズじゃん。



「昔はそりゃあ生んで育てて食べ物採ってないと生きていけなかったけどさ。そんな生きるか死ぬかを乗り越えた文明に居る僕らは、非生産的な行為を楽しむようになったんだよね。だから今の世界が成り立ってる。その中で、色んな人間が色んな価値観を持って、色んな触発がある。漫画とかだって生産的ではないのに、僕らに希望や夢を与えてくれる。違う世界の絶望も教えてれる。機械的に無駄とか決めるのは、もはや人間らしくないと思うよ。それなら、ずっと無駄なく過ごして、機械みたいに生きれば? ってなる」



「まあ……そうだな。無駄を愛するのが人間らしさなのかもな。しかし、百合葉も随分と哲学的な考えを語ってくれるじゃないか。私は嬉しいぞ」



「読書好きだと、やっぱりどこかで語りたくなっちゃうんだよなー。でも、こういうのは色んな本や漫画の受け売り、繋ぎ合わせさ。その中から、僕に合ったモノを見つけていく。そうやって、僕が出来てくのかなって」



「なるほど。じゃあ、私も百合葉の一部になりたいな……」



「もうなってるよ」



「えっ?」



「もうなってる。君はもう、僕の一部さ」



 驚いた顔をする蘭子を見つめて、言う。



「それは肉体的な意味でか? 繋がっちゃったもんな」



「ぷ……っ。キメてるんだから下ネタにしないでよー。そもそも舌とか中指じゃん。定義がよく分からなくなるよ」



「それならば私も、百合葉が私の一部だな。精神的にも、肉体的にも」



「いいよそれで」



「そんな百合葉は、他の女とも関係を共にする。百合葉の一部になっていく。集め過ぎて百パーセント超えるんじゃないか? まったく、悪い女だな」



「……そうだね。悪い女だ」



「それも含めて百合葉だとも思うし、それでも当然、百合葉を独り占めにしたい私もいる。ただ、今はみんなとの生活が楽しいから、ズルズルと続いてしまう。いつまでこんな関係が続くのだろうな」



「いつまで続くんだろうね。壊れる時は、あっという間なのかな。美少女四人を独り占めにして、僕は地獄に落ちそうだ」



「なら私も地獄に行ってやるさ。友達を監禁強姦した罪でな」



「それなら天国に引っ張り上げて欲しかったなー。僕が悪かったんだしさー。蘭子は……まあ罪はないよ」



「いま考えたな? やっぱり私も地獄に行ってやる」



「そっかぁ。それなら安心かな」



「……おい、さり気なくハーレムを正当化しようとしてないか? 第二回戦始めてやろうか?」



「ダメだって! 蘭子の両親帰ってくるんでしょ!?」

毎回お久しぶりになってきましたね。お久しぶりです。


小説最近思い付かないなーって思ってたら、ふと書きたくなった話です。哲学的な? ちょっとクドいやつです。


この小説もちゃんとまとめ直したいところですが、そんな気力がなく、ただダラダラと続ける状態に入ってしまいました。短編を思いつきで書いて投稿出来るのってすごい気楽ですね。でも、終わりがない。終わりを迎えたくない。これは百合葉ちゃんと同じ気持ちなのかもしれません。

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