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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第3部一章「百合葉たちの繰り返す春」
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第19話「抹茶ドーナツフェア」

 とある日。仄香と譲羽とカラオケやらゲーセンやらで遊んだ帰り道の駅前。



「あっ、ドーナツ抹茶フェアだよ抹茶フェア!」



 珍しく僕がテンションをあげる。自分でも分かるくらいに。



「ゆーちゃん抹茶好きだもんねー。レズ戦隊グリーンだもんねー」



「レズ戦隊はなんか嫌だなぁ……」



「じゃあ下着戦隊ブラジャー?」



「前にやってたね……それもヤだよ……」



 説明しよう! 下着戦隊ブラジャーとは! 温泉に遅れて着替えにきた僕を驚かすために、四人が戸惑いながらも下着姿で出てきたの時の話であった! いや、アホったらありゃしないよ……。



 ブラジャーはともかく。ドーナツを食べる為に店の前へ。僕はだらしなく緩んだ口で、ドーナツの種類を伺う。



「あぁ、抹茶味がこんなに並んで……でもおこづかいも少ないし、どれを食べようっかなぁ……。迷っちゃうなぁ……」



「百合葉ちゃん。じゃあ、アタシが……オゴル……」



「いやいや、それは悪いからダメだよ。あんまり奢られる関係って好きじゃないんだ」



 大人になったら、奢り奢られもあるのかもしれないけど、余裕のない今はそんな甘い囁きにノる訳にはいかなかった。だってそれ、僕の嫌いなヒモ男みたいになっちゃうじゃん……。



「じゃあ、アタシも食べたいから、買ったやつを、百合葉ちゃんに一口分ける……。そして、アタシも食べる……平等……」



「それやっ! みんなでシェアシェアシェアリングやっ!」



「シュ? シュワシュワ……?」



「シェアシェアリング?」



「ちっがーう! シェアシェアシェアリング! みんなで! 思い出とか共有する! あれよ! 例えるなら……か、カーシェアとか!?」



「うん、僕らの年齢じゃ出来ないね」



「エロ本シェアとか!」



「思春期男子かっ!」



 そんな事したら、女子の名折れだよ……。もしかして普通の女子もしたりする? ま、またまたー。



 ま、薄い本だったらめっちゃあるだろうなって思った。



「シェアは分かるよ。共有するとか、分け合うとかって事ね」



「そう! 味わい思い出! 味見て分け合え!」



 と、軽く韻を踏んでラップをする仄香。



「でもいいの? 二人とも、他に食べたいのあるんじゃないの?」



「んー? それなら、この前ゆずりんと二人で全味制覇やったばっかだから別にー」



「抹茶フェアの前だったカラ……。今は他のはいいカナ……」



「そうなんだ……楽しそうでいいなぁ」



 なんて、いつの間にそんな楽しそうな事をやっていたのやら。写真とか送って欲しかったなぁと僕は



「あっ、ゆーちゃんダメな日だったからさぁ! 唐突に食べたくなっただけだからさぁ! 今度またやろーよ!」



「はは。ありがとう」



 感謝を言った。でも、我ながら少し乾いてしまったように感じる。その無駄遣いは、僕には真似できない事だから。



 だが、その気持ちがバレたのか、譲羽が、「でも」と続ける。



「優勝商品扱いにすれば、百合葉ちゃんのお財布に、響かない……ワッ!」



 キリッと人差し指をさすゆずりん。



「でも、僕が負けたら?」



「その場合は……どこまで食べれるかっていう、罰ゲームにスルッ! アタシ天才ナノデハ……?」



「……ぷっ、あははっ! ユズ何それっ! どっちにしろ食べれる事になるでしょ!」



「もーやべーなぁー! どう転んでもゆーちゃん食べまくりじゃーん! ゆずりん天才じゃーん!」



「エッヘン」



 と、つい笑ってしまった僕と仄香に言われ、胸を張るゆずりんであった。



※ ※ ※



「ああ、もちもちとした生地に練り込まれた優しい抹茶味……。上から掛かった抹茶ソースとナッツが良いアクセントになってる……」



「抹茶クリームやんべー。甘さとろけるぅーう!」



「オーソドックスな抹茶チョコがかかってるダケ……。でも、それもまたヨシ……」



 と、それぞれが感想を言う。三人してニンマリして、ハズレ味が無いことが伝わる。



「そして三人チェーンジっ!」



 言って仄香は、僕らのお皿をくるっと時計回り。別の味に切り替わるようにする。そして、そのまま自然な流れで僕らは回ってきたドーナツを一口食べる。



「ああ、定番の味もいいね……抹茶はアタリだ……」



「だいたいアタリだから安心だよねー。んー美味しーっ!」



 僕と仄香はまた笑顔で食べる。そして、またお皿を回転し、みんなが全部を美味しく味わえた。そこで譲羽が、満足そうに、深く吐息を吐く。



「こうやって、味を分け合うの、イイネ……。今までは、食べたいだけ注文すればイイって思ってたケド、一人でもぐもぐ食べるよりも、心が満たされる気がスル……」



「そうだよねぇ。みんなで分け合えば、味を共有出来るから。美味しい味を一緒に楽しめる」



「でもゆーちゃんがケチなのは間違いないよねー」



「そ、それは言わんでいい……っ!」



 良い話から僕の悪い癖でオチが付いてしまった。少し不服だけど、まあこれもこれでいっか。



 そこで、譲羽は何か考えるポーズ。



「そういえば、食べさせ合いっこ……してない……」



「お店とかだと三人はやりにくいからね。や、やる?」



「ウン……ッ」



 と、そこまでお求めなら……。二人と違って三人で食べさせ合うのは、どうにも気恥ずかしい。隠れにくいからかな。



 ドーナツをの丸い部分をちぎって、譲羽の口に入れる。満足そうな彼女。なんだか餌付けをしてる気分。



 そして、僕の口にも運ばれる。しかし、抹茶チョコがユズの指に付いたままになってしまった。



「あっ……ほら、舐めとッテ……?」



「あ、うん……」



 なんだかこのやりとり、前にもあったような……。軽く舐めとると、やっぱり恍惚とした表情を……少しアブナい感性な気が……。



「フフフ……。アタシ、なんだかこうやって、食べさせ食べさせてもらう関係……好き……。お互いが面倒見る感ジ……」



「そ、そうだね」



 ちょっと依存じみてる気がするけどね。でも、僕だって彼女の面倒を見る感じは好きだ。逆はなんだかむず痒い。



 そう、ゆずりんは、主従関係の中二病も患ってるせいもあるからか、たまにSMみたいな関係になってしまう。しかし、普段は僕が彼女を甘やかす立場だったり。



「仄香とユズは? 食べさせ合わなくていいの?」



「うーん、席離れてるからなー」



 僕らの席はカウンター席だった。だから僕が真ん中に居ると、ほのゆず出来ないのだ。百合厨として少し残念な気分。



「デモ、仄香ちゃんとはいつも食べさせ合ってる……。だから、やらなくても、イイカナ」



「うぇー! ゆずりんつめたーい!」



「あははっ」



 なるほど、僕の見えない所でほのゆずしてるんですね……。うーん、百合厨大満足っ!



※ ※ ※



 ドーナツを食べ終え、目玉の抹茶味を味わいきって、大満足。お店を出て帰路につく。



「ゆーちゃん抹茶フェア大満足だったしょー。今度は食べ放題にしちゃうー?」



「確かに、好みの味だからすごく美味しかったよ……。でもね」



 ちょっと考える……。全部の味とも美味しかった。だけど、これが三倍以上となると……。



「いくら好きな物でも、全部一人でオール抹茶にしたら……クドくなりそうだね」

軽く千文字くらいで済ませるつもりが、3000文字に……。


去年だったか、ミ○ドで食べた時に思い付いたメモを書き上げたお話でした。

でも、肝心の味の感想が書いてなくて、完全にイメージです……メモの意味!

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