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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第3部一章「百合葉たちの繰り返す春」
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第05話「蘭子と猫?」

 珍しく僕は電車で登校した。



 その、駅から学校への途中、蘭子を見つけた。黒髪ロングで背も高いから分かりやすいんだ。



 しかし、その後ろ姿はどうにもふらふらしていて、なぜかわき道に逸れていく。なんだろう、体調でも悪いのかな……。



 吐いたりしてないといいけど……と、僕は急いでその後を追っていったら……。



「どうしたのかニャー。飼い主とはぐれちゃったのか……ニャー」



 なんて、チワワに話しかけてる蘭子が……。



「ら、蘭子……?」



「は……っ。百合葉……」



 信じられないモノを見たというような顔で、蘭子が驚く。いや、驚きたいのはこっちなんだけど。 



「今のは……忘れろ」



「……やだ」



 とても笑いそうなのを必死に堪えて、僕はそっぽを向く。すると、焦りだす蘭子ちゃん。



「百合葉? 忘れないと……アレだぞ? 放課後に椅子に縄で縛りつけて、延々と胸をもみ続ける刑にするぞ……?」



「えーどうかなー? そんな事言われてもー。とても可愛すぎてー忘れられないかなー? しかも語尾にニャーだなんて……。その子、チワワだよ? 犬だよ? ワンじゃないの? ほら、やり直しに鳴いてみてよ、ワンって」



「百合葉~っ」



「うわバカっ、外で胸揉むなっ!」



 登校中に乳繰りあってる女子高生だなんて、二人のカンケイが怪しまれるよっ。いや間違ってないんだけど! そんなカンケイなんだけどさっ!



「わ、私だって……似合わないとは思ったんだ……っ。次からはこんな事をしないと決めたのに……。その唯一の一回を百合葉に見られるだなんて……一生の恥だ……」



「まあそうだね。一生ネタにしてあげる」



「くっ……。んっ? それは、一生そばに居てくれるというプロポーズか?」



「さあ、それはどうだろうねー。一生ただの友達かもしれないしー」



「百合葉ぁ……」



 悔しそうな蘭子の顔。いいね……やっぱり美少女の顔はどんな表情だって愛せる。



 ちなみに、僕らはレズだから一線というのが曖昧なだけで、もはや性的な関係ではあるから、ただの友達では済まない。しかし、蘭子はそれだけでは不満みたいだ。



 僕は目の前のチワワを撫でる。うんうん、人慣れした可愛い子だ。凶暴とかじゃなく、たまたま何かの拍子に逃げ出してしまったのだろう。それに、のんきにあくびしたりして、猫みたいな雰囲気もある。間違えるのも仕方ない……仕方ないか?



「冗談はさておき。ワンだろうがニャーだろうが、可愛いからいいんじゃない? 蘭子、かわいいよ蘭子」



「くっ……。完全にバカにしているな……。だって、クールな私に似合わなくて、格好良くないじゃないか。試しただけでも大失敗だ」



「そんな事ないと思うよ? かわいい蘭子の姿を見られて僕はラッキーさ。蘭子、かわいいよ蘭子」



「ほらバカにしてる」



「えー。僕は本当に蘭子がかわいいと思ってるのにー」



「アホ、百合葉のアホ。ド変態」



「ド変態は君の方だけど……」



 さっき、僕を椅子に縛り付けて胸揉むとか言ってなかった? 僕はやれやれと嘆息しつつ、目の前でぐるぐる回って遊んでいるチワワを眺める。また逃げる前に飼い主を探す必要があるかな……それとも、警察に言えばいいのだろうか。ついでにセクハラ魔を突き出そう。



 と思っていたそんなとき、シフォンちゃ~んと呼ぶ可憐な声が。



※ ※ ※



「シフォン……か。美味しそうな名前だな」



「そうだね……ケーキみたい。あの子にピッタリな名前だし、お姉さんらしいなとも思ったよ」



 僕がそう言うと、蘭子は不審がる目つきで僕を見る。



「百合葉、お姉さんと話すとき、やけにニコニコしていなかったか」



「えっ? 僕は常に笑顔を心がけているけれど」



「違うな……。分かるぞ? いつもより、二割増しでニコニコだった。爽やか通り越して天使の微笑みだった。この女好きが。クソレズが」



「僕は天使なのクソレズなのどっちなの……」



 百合のキューピットとかなら悪くないと思うけどね。しかし僕はレズなのであった。



「いやいや。綺麗なお姉さんを見たら、誰だって嬉しいものでしょ。それになんだか、咲姫に雰囲気が似てる美人さんだったなぁ~って」



「百合葉。今日、学校終わったら椅子縛り付けの刑な」



「なんでっ!?」

あからさまなギャップ萌えってあんまり好きじゃないのですが、

蘭子ちゃんのギャップはとても好きです(宣言)

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