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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第2部三章「百合葉と美少女たちの冬」
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第46話「魚釣り大会」

『よーい!』



 と、仄香のキャラがゲームチャットで言うと、チリンチリンという音と共に釣り大会スタートの合図が。



 しかしそこで、仄香のキャラが笛を取り出し、ポヒョヒョという音が鳴り響く。



『スタート!』



『いま仄香が出したしょぼい音がスタートなの? アナウンスもあるのに?』



『しゃーないじゃーん! 良い感じのホイッスル無かったんだからー!』



『……クラッカーで良かったンジャナイ?』



『その手があったか!』



 譲羽にツッコまれて、気付く仄香。しかし、その間にも、咲姫は全力で森を駆け抜ける。



『百合ちゃん勝つわよぉ! 優勝商品は百合ちゃんのおっぱい!』



『いやそんなの無いよねぇ!? そもそも僕ら同じチームだし!』



 もはやテンプレのギャグと化しているようだった。いや、僕の胸が軽視されてギャグ扱いって納得がいかないんだけど。納得いかないんだけど? 僕の胸そんなに軽くないんだけどっ!?



 チームは部屋ごと。どっちのチームが魚の売り上げを稼げるかという勝負だ。



 なので、量よりも圧倒的に質だ。大きな魚影の、高く売れそうな魚を狙う。



「さっ、大物を釣るわよぉ。いぇ~い、カジキマグロ~」



「いきなりすごいなぁ咲姫は。おっ、これは大物に違いない……ってスズキさーん!」



 僕が最初に釣ったのはこのゲームのハズレ枠、魚のスズキだった。魚影が大きいから、レアな魚と勘違いしやすいのだ。



「駄目ねぇ百合ちゃん。もっと雰囲気で判断しないとぉ」



「大きいと思ったんだけどなぁ」



 いつもいつも、大きな魚影を見て、今回こそは。いやいや、今回こそはっと思ってもやっぱりスズキなのは、このゲームシリーズの永遠の罠なのかもしれない。



「あっ、あれは背びれ付いてるし、絶対に大物でしょ……」



「そうねぇ、慎重にいくのよ?」



「もちろん。体が覚えてるからね」



 小学生の時以来とはいえ、夏休みだけでローンを完済するくらいにもやり込んだのだ。今は引退しただけで、当時の僕はこのゲームのプロ意識を持っていたのだ……。



 魚がエサをつついて……つついて……魚影が大きく助走を付けて……。



 今だっ!



「あーっ!」



「やぁ~んもうっ! 百合ちゃんタイミング下手ぁ~」



「ごめんごめん。久しぶりだったもんでさ」



 まさか、こんな凡ミスをするとは……。昔の僕なら許せないだろう。ああ、数万ベルが消えていく……。



「やっぱり体に覚え込ませないと駄目みたいねぇ~。ほら、そんなに堅くならないで? リラックスリラックス~。先の部分に神経を注いで、最初は刺激になり過ぎないように、指先で撫でるように撫でるように……」



「咲姫、それ釣りの説明じゃなくない?」



「やぁ~ねぇ~。百合ちゃんったら変なコト妄想しちゃったのぉ~?」



「釣りに撫でる要素なんてあるかっ!」



「まあまあ。わたしたちが優勝したら、ゆーちゃんのおっぱいの先を撫でてあげるからねぇ~」



「だから優勝商品じゃない!」



 僕は理想のお姫様がこんなドスケベな子に育って悲しいよ……。いや、僕のせいなんだろうけどさ。

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