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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第2部三章「百合葉と美少女たちの冬」
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第43話「ホテルの部屋割り」

 ホテルの中に入る。ここで、宿泊研修の話し合いの時を思い出す。



 一つの部屋が三人なので、かなり大揉め。グーチーで選ぶ? しかし、少しでもあぶれる可能性を考えたら、話し合いで解決したい。だから、どれだけ僕と一緒が良いのかそれぞれが語ってくれた。嬉しい反面、すごく恥ずかしかった。



 しかしそこに、藍羅ちゃんがジャンケンの結果あぶれてしまったと、僕らのグループに声を掛けたのが決定打となった。譲羽が一緒の部屋になると言い、仄香もそれを受け入れたのだ。



 基本、咲姫は僕ら五人の仲間以外で、僕に好印象を持つ子を敵視する。そして、蘭子もよろしくはない。しかし、仄香と譲羽は、そんなに敵を作りたがらないタイプだ。



 体が小さいとか、頭がそんなに良くないとか、そういう子は上手く立ち回らないとやっていけない。だから、女子社会で生き延びる為の無意識の行動だったりするのかなと考えたり。



 そう、咲姫と蘭子は大人びていて勉強が出来るけど、一方で仄香と譲羽は頑張って他人と相容れようと頑張っているのだ。不思議な対比だと思う。



 ともかく結果、仄香と譲羽は藍羅ちゃんと一緒の部屋に。僕は咲姫と蘭子と同じ部屋となったのだった。仄香と譲羽が折れてくれたお陰で咲姫と蘭子の圧を押さえられたので良かった……。



「ユズ? 具合悪くなったら言ってね? すぐに飛んで駆けつけるからね?」



「アリガトウ……百合葉ちゃん。流石、アタシの執事……ウヘヘ」



「それはもう、我が主の主命のままに……へへ」



 と、譲羽の主従ごっこに付き合う。しかし、執事が主人から離れるってあってはならないと思うけど。



「ごきげんようですわ、皆さん!」



 そこに、トラベルバッグを引いて現れる青髪縦巻きツインテの子が。お嬢様の藍羅ちゃんだ。僕らもおはようではなく、ごきげんようと返す。この学校の、一応の表向きな挨拶だ。近年では薄れているらしいけど。



「あ、藍羅チャン……同じ部屋、よろしくネ……」



「譲羽さん、こちらこそですわ! 良い写真とか撮れたら是非とも共有させてくださいまし? お互いの妄想の為に……」



「そりゃあもう……ウヘヘ」



「ウフフ……楽しみですわね……」



 なんの話だ……。そう、二人とも百合厨なのだ。しかも文字書きと漫画描き。つまりそういう事なのかもしれない。



 学校祭以降は譲羽が、関わり合うクラスメイトに積極的に関わりに行ってる様子をよく見られた。僕と譲羽はなんだかちょっと依存関係的なモノがあったりして、僕はそれでも良いのかな思っていたけれど、譲羽がどんどんコミュ力を身に付けていく姿は、やはりなんだか嬉しかったり寂しかったり。



 これが、雛鳥が旅立った時の親鳥の気持ちなのかちゅん……。でも、勝手に同級生の親気分って、なかなか僕も傲慢な生き物だなって思った。



「部屋割りお湯割りガラス割りーっ! ドアをぶち破れーっ!」



「あら、危ないですわよ」



「やめてね?」



 なんて、仄香は元気良くドアに体当たりする。完全にツッコミ待ちで、藍羅ちゃんの返しも悪くはなさそうだ。



 そうして、一番の難所、部屋割りを上手く乗り越えて、僕らのスキー研修は始まるのだった。

そういえば、雪山と言えば遭難イベントですね。全く考えてません笑


気が向いたら書くかもしれませんし、書かないかも。


シリアスイベントってみんなの感情の揺らぎや成長を丁寧に書かないといけないから、勢い任せに出来なくて面倒なんですよね笑

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