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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第2部三章「百合葉と美少女たちの冬」
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第35話「チョコレートの像」

 みんなにバレないよう、一度帰宅した後の、バレンタインの放課後。蘭子に招かれて彼女の家に。



 実は忘れたのではなく、作ってるうちにバレンタインチョコが大きくなって、学校に持って行くのが難しかったらしい。どれだけデカいんだか……。



 蘭子の家に付き部屋へと通される。そして、彼女の部屋のドアを開ける前に、彼女はひと言。



「あっ、せっかくだから、裸にリボンを巻いて、チョコの代わりに私を食べて? ってアレも、やっとくか?」



 キュルンッとでも言わんばかりに蘭子が手を組み上目遣い。



「いや……アンタがやると似合わないわ……」



「もちろん百合葉がやるんだぞ?」



「やらないよっ!?」



 どんな妄想なんだか……。現実でアレを真似したら、大した猛者だと思う。



 そうして、ついに彼女の部屋に入る。その目立つ位置に、布と箱が被せられ、大事に置かれた謎のチョコが……。



「さあ百合葉、見てくれ。チョコを作るだなんて考えたことも無かった私が、初めて限界に挑戦した力作だ。ぜひ、愛する君に食べて欲しい」



 そう言って、彼女が箱を取った先には……。



「こ、これは……なに?」



「チョコレート百合葉像だ」



「なにそれっ! いや見れば分かるけどさ!」



 チョコレートで彫刻された、僕の像なのだった……。料理は微妙なくせに、芸は細かいな……。



「何度か作り直したから、時間が掛かってしまった。しかし、会心の出来だと思う」



「いや良く出来てるけどさ……。僕、ここまで巨乳じゃないし太ももムチムチじゃないんだけど……」



「なに、数年後の未来だ」



「全力で阻止してやる!」



 今でも無駄肉が付いて嫌なのにっ! ダイエットしてやる……ダイエットしてやる……っ!



「はっ……」



「ど、どうしたの……?」



「百合葉にチョコレート百合葉像をあげたら、私がチョコレート百合葉像を食べられないではないか……。せっかく作るなら、チョコレート蘭子像にして、百合葉に食べてもらうべきだった……」



「知らないよ……」



「いや? 百合葉に私をいただかれるワケにはいかないな……。ならばやはり百合葉像で間違いない……。百合葉が百合葉を

食べる? 百合百合葉? セルフカップリング? ふふふっ、間に挟まりたいな……。ああ、ヨダレが……」



「百合の間に挟まりたい男みたいな事を言うんじゃないよ……」



 もし蘭子が男だったら、ゆで卵スライサーでウィンナーの如くカットしてやるとこだったよ。百合に挟まりたい男……捌いてやるよ……っ! 罪をいだいて散らしゆけ……メンズ拷問器具アイアンメイデン



 なんて、脳内の過激派百合厨を遊ばせてないで、僕は目の前の美少女を見る。僕へのプレゼントと言っていたけれど、自分で眺めてうっとり、食べたら残念がりそうだ。



「そもそも、百合葉を食べるのは私なのだから、私が自分の分のチョコレート百合葉像を作って食べればいいのか……。ミニ百合葉を全身くまなく舐めてあげるからな?」



「発言が気持ち悪いわ……」



「せっかく自分で作るなら、より私の理想の百合葉にすべきだよな。胸はIカップくらいにして……」



「ずいぶんと盛るね……」



「そして、私との間に出来た赤ちゃんに授乳中の像だ」



「待って……!? それはマニアック過ぎるよっ!」



「マニアック? 私の理想の未来を否定するつもりか?」



「否定するわっ! 同性での赤ちゃんは無理だわ!」



「そんな赤ちゃんに注がれる百合葉の愛に私は嫉妬して、反対側のおっぱいを飲んでる」



「設定細かいな! ってかアンタも居るんかいっ!」



「そして、そのお腹はまた大きく膨らんでいて、二人目の子を宿している」



「赤ちゃん作るペース早っ! 授乳する子が二人とか負担が大きすぎでしょ!」



 なんてこだわった設定なんだ……。彼女の具体的な将来設計が不安になる……いや無理なんだけどさ。



「百合葉から今年のバレンタインはもらってしまったから、来年のお返しは、チョコレートフォンデュした百合葉を食べれると期待してるぞ? それなら、最初に裸でリボンも出来るな?」



「それはない!」



 相変わらず、愛が重いんだか馬鹿なんだか分からん美少女なのでした。

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