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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第1部一章「百合葉の美少女集め」
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第31話「勧誘リベンジ」

第23話「授業中の手紙」が抜けていました……。


混乱させてしまったら済みませんでした……。

 爽やかだった水色の空も次第に色味が失われて、ほんのりと夕方の香りが滲み出てきたころ。



 僕と咲姫と蘭子は掃除当番であった。譲羽と仄香は用事があるみたいで、放課後に差し掛かってすぐ帰ってしまった。



 仮にもお嬢様学校なのに掃除とは似つかわしくないものだけれど、お掃除マニュアルなる冊子もあり、なんならゴム手袋も好きに使える。細かいところまで届くお掃除棒まで用意してくれている。家庭科の教科書にも、掃除の仕方や基本などが細かく書かれているから、お嬢様方の嫁入り修行なども見越しての事なのだろう。まあ、女一人で生きる術を得るためかもだけど。掃除好きな僕からしたら嬉しい配慮である。



 ちなみに、みんな嫌がるトイレや、実験道具など危なっかしい特別教室は、掃除のおばちゃんが常日頃からやってくださっているから持ち場は教室だけだったり。プロを雇っているから、この学校は隅から隅まで綺麗なのだ。



 でも、自分たちが使う教室は自分たちで綺麗にしなくてはならないというのは、お掃除のおばちゃんへの感謝が身についていいかもしれない。



「もういい時間だし、こんなもんでいいかな」



「そうねぇ。目に見える範囲で汚れてるところは無いしぃ~」



「大丈夫だろう」



 僕の言葉に咲姫と蘭子が賛同する。



「じゃあ、あとは僕がやっとくから。みんな解散でいいよー」



「おお、マジかいっ。助かるわー今度何か奢るなっ。そいじゃあーゆりはすー」



「オレからも感謝するヨ。バイバイ? 百合葉チャン」



「いいよいいよ。じゃねー」



 僕が手を振ると、同じグループの茜さんと葵くんが二人並んで出て行く。あの子らは部活がうんたら言ってたから、早く行かせてあげたかったのだ。確か、男装女子部だったかな? 別名イケメン女子部やらホスト部やら言われている……ああ混ざりたい……。



 茜さんは赤髪の短いポニーテール揺らす姉御みたいなサバサバキャラで、葵くんは片目を青メッシュの前髪で隠すオレ様系キザ女子。二人とも打ち解けやすかったとはいえ、キャラが濃いなぁ……。もっと早くに話しかけていれば、我が百合ハーレムメンバーに入れてオトしたかったもの。でも多分、僕の方が口説かれてしまいそう。だってあの子ら絶対レズだもん……。纏っている空気からしてバリタチのレズ。付け入る隙なんて無さそうだし。



 それに……。



「じゃあ職員室に終了報告行きましょうかぁ~」



「行くぞ」



 僕にはこの子らがいるからね。



「その前にさ」



 言うと二人の視線がこちら向く。僕はそのまま、綺麗に整頓されたばかりの自分の席から、部活動申請用紙を取り出す。



「……リベンジか」



 ふっと笑い蘭子が僕を見やる。



「みんなで部活作ってわいわいしたいんだ。それには絶対、蘭子が必要だなって」



「絶対?」



「だって蘭子と一緒だと楽しいんだもん。いいでしょ?」



 「ふむ」と逡巡する彼女。詰めには期間が短かったけれど、今以外にチャンスは絶対ありゃしない。これで駄目と言うなら諦めよう。



「どう?」



 首を傾げ、僕が真摯な瞳で蘭子を見つめていれば、



「まあ、それもいいかもしれないな」



「ほんと? 良かったぁ」



 蘭子に満面の笑みを向けつつ、僕はボールペンを彼女に差し出す。彼女も次にすることは分かり切ってるようで、僕が内容を伝える前にペンを受け取り、サラサラと記名する。仄香、譲羽と並ぶ写真部部員一覧に無事、蘭子の名が加わる。



「写真部……か。たまになら面白そうだ」



「気分転換にゆったりまったり写真撮るだけだから大丈夫だよ」



「それはそれで考えモノだと思うがな」



 ふふっと笑いながら。しかし、満更でも無さそうである。



 その様子を横から見ていた咲姫が、



「やったぁ~! これでらんちゃんも仲間入りぃ~!」



「お、おい」



 喜びのあまり両手を上げたかと思えば、ぎゅーっと蘭子の腕に抱き付く咲姫ちゃん……羨ましいんですけれど……? 姫様? 僕には?



「さて、じゃあ掃除報告ついでに提出してくるね。時間掛かるかもしれないから、先に帰っててよ」



「はぁ~い」



「うむ……わかった」



 咲姫は前回があるからか、素直に。蘭子は少し考えつつも了承。二人一緒というのはちょっと気掛かりだけど、大人しく見送ろう。



 そうしてそうやって。とにもかくにも。



 ようやく部活申請だ。

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