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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第1部一章「百合葉の美少女集め」
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第27話「アフターケアを」

 さて、咲姫さきちゃんをどうしようかなぁ……。



 古文の授業に入ってしばらく。古語の活用をノートに記入しながら今後の展開をイメージして考えていた。



 彼女を除く、三人の仲は取り持つ事が出来た。しかし咲姫はどうだろう。



 見た感じだと、咲姫と蘭子らんこの仲はあまりよろしくない――というか、咲姫が一方的に避けたがっている様子?



 朝の蘭子イジりを見た後ならば、仲の良い友だちが盗られたくないという感情も起こるだろうけど、それにしては妙な話になる。彼女は蘭子と関わった当初から敬遠していたのだ。



 ……んっ? でもタイミングが違うからと言って、友だちを盗られたくない気持ちはあったんじゃないかな?



 恋愛感情が芽生えていたかは置いといて、一番仲良かった友だちが他の友だちと仲良さそうにしているのが嫌……? なら、仲良くしたがる気配を察知して、それを遠ざけたがる嫉妬心もまた、誰にでも起こりうる感情かもしれない。ドロドロとしがちな女子の友達関係であれば……。こんなお嬢様学校にもそんなものがあったとしたら、めんどうだなぁって思うけど。



 って、咲姫の気持ちを揺さぶってる僕が言えた事じゃないか。



 少なくとも蘭子と関わりを持ったのは譲羽ゆずりはに冷たい言葉を向けたあの日から。それ以外では大きな接点が無いはず。



 となると、もしかしたら僕が蘭子と深い深い関係になりたい本心を見抜いていた……? 相容れなさそうな人と自分の友だちが仲良くするのが嫌だった……?



 なら納得できるかもしれない。



 彼女の僕に対する好意というものがどうにも全容が掴めず、お姫様ぶりたいという彼女の気持ちもあって、断定しきれないため、"好きな人"ではなく"友だち"という前提で考えたけれど、いま出した結論は遠からず可能性を秘めている。



 ならばどのように彼女らを仲良くさせるかだなぁ。



 お互いが仲良く……というか同じグループ仲間として認め合えれば良いのだけれど。



 蘭子から進んで関わる気が無いのは確か。しかし、僕も仄香も譲羽もが蘭子と接する以上は、固定した僕らのメンバーに入るも同然。なら、普通に接する分には咲姫に対して無碍にはしないだろう。



 じゃあ問題は咲姫だけだなぁ。



 ここで新たな問題がある。ノートの貸し借りうんぬんに時間をかけ過ぎて、保健室へお見舞いに行けなかったことだ。

 昼休みに戻って来るにしても、授業後すぐに飛んでいくべきだったと後悔……。しかし蘭子を仲間に引き入れたのだから、プラマイゼロだけど……。



 僕のハーレムメンバーもこれ以上は手を広げられそうにないかな……。クラスメイトで他にも気になる子はいたけれど手一杯だ。



 それはさておき、先ほどのドキドキ押し倒しイベントから転してドッキリ勘違いイベントに切り替えたのは、彼女に何か影響を与えられただろうか……。もし、少しでも可能性が芽生えているなら、少女マンガみたいな演技上というだけでなく、ちょっとは恋心を揺さぶることは出来たと思うけれど。



 確かに残念そうでもあったし、僕もまたキスしたい気持ちが無かったわけではない。だけど、僕は安々とキスをしたいわけでもない。可愛い子たちに軽々とキスしてまわるとか、そんなのただの女ったらしじゃないか。あれは天性の才能が持つ者だけが出来るワザであって、僕のようなまがいモノが下手に真似すれば、絶対にどこかで綻び始める。僕は僕らしくハーレムを作ることが一番なのだ。



 いや……充分女ったらしか。



「この五段活用は最も基礎的なとなるので、しっかりと覚えておいて下さいね。では、以上です」



 時計を見ながら国語教師がそういうと、皆が教科書をまとめたりと授業の終わり支度をする。チャイムが鳴り先生の合図に従って、学級副委員長の僕が号令の声を上げる。さて、昼休みだ。咲姫の機嫌を取れるようアフターケアを。そして蘭子との仲を取り持たなくちゃ。

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