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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第2部一章「百合葉と美少女たちの夏」
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第44話「妹属性と百合」

 譲羽のアニメオタク具合はともかくとして、僕らはまったりとアニメを見始める。しょっぱいジャガ棒をザクザク食べて、そしてシュワシュワなサイダーで流し込む。目の前では引きこもりがちなお姉ちゃんと妹の百合百合アニメ。



 これは、ぱっと見ただの女の子同士のイチャイチャに見えて、本質はそうじゃない、やはり、そうとう百合を意識している……。日々百合アニメは増え続けているのだ。小学生でもスマホを持つご時世なら、そのうち、子どもも百合アニメに触れて、同性愛に違和感を持たなくなり……ふふふっ、素敵な世の中になっていきそうだ。



「あんな可愛い妹に囲まれたら、お姉ちゃんは毎日楽しいだろうねぇ」



 さり気なく言ったつもり。でも、妹キャラな二人を少し意識しながら言ってみたら、仄香が僕を試すようにふふんと笑う。そして、譲羽もふへへっと怪しく笑う。



「あんな優しいおねーちゃん欲しいなー。人付き合い苦手っぽいけどねー」



「不器用だけど……そこもイイ……。いや、そこがイイの……」



 そう言って、二人は僕を見る。話の流れは正しいような、でも、ちょっと違うような?



「なに? 僕に引きこもれって?」



 ちょっとトボけてみる。しかし、仄香はチッチッチッと指を振る。



「違うよー。引きこもりかどうかなんてどうでもよくてさー。ゆーちゃんがお姉ちゃんなら楽しそうだしー。料理は上手いしー。裁縫は……裁縫どうなの?」



「出来なくは無いけど、特に器用というほどでは無いかな……」



「まあまあ、あたしらよりもダンゼン器用な訳よのぉー? ゆーちゃんは。だからさー。かわよいあたしらを楽しませるために、頑張ってくれたまえよー?」



 だなんて、仄香は偉そうに机に頬杖を付く。なるほど、そういうポジションを取るのか。甘やかすだけなのは、果たして愛なのか。でも、僕が居ないと駄目になるくらいに依存させたい気持ちもある。



「僕を便利に使いたいだけでしょ。なに? 甘いものを食べたいの?」



 呆れつつ僕は言う。しかし、彼女らはニヨニヨと笑ったまま。これは僕がこき使われるな……?



「そんな事言わないでよゆーねぇ!」



「百合葉……お姉ちゃん」



「ぐぼはぁっ!」



 上目遣い! あざとい声! 破壊力! この妹属性な子たちは自分らの魅力を最大限に発揮している……!?



「なんでダメージ受けてるのぉーっ!」



「いや、むしろ喜びのダメージで……」



「ねぇー。ゆーねぇ?」



「んべはぁっ!」



 萌え値が限界突破してしまい、またも胸を押さえる。



「そんな甘えたって、僕はアンタらを甘やかしたりしないからねっ!? そもそも料理とかお菓子とかここで作る必要ないし、甘やかす要素が……!」



「そんな事言わないでさぁー」



「アタシたちの願いを、聞き入れないノ……」



 う、うわぁ! 二人が両腕に抱きついてきた! なんなんだ、今日のこの子たちは! これが百合アニメの影響!? ひゃっほい!?



 と、頭の中が百合百合一色で働かなくなっていたら、仄香は「へっへっへー」といつものおふざけ笑いを。譲羽にニヤリと笑う。



「甘えてみただけー。ゆーちゃんどうよぉー?」



「アタシたちを、甘やかしたく、なったんジャナイ……?」



「な、なんだぁ……。僕で遊んだだけかぁ……」



 はぁ~と長い息をついて、僕は肩を落とす。百合百合な妹キャラに本気で目覚めたわけじゃないのが、ちょっと残念なのも含めて。



「とりあえずぅっ! 夏休みの宿題は見せてねっ!」



「それは写させないよっ?」

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